収益等の状況について
①収益的収支比率は、類似団体平均を大幅に下回り、前年度に比べ、7.7ポイント減少している。これは、維持管理費の増加などに伴い分母を構成する総費用の増加及び分子となる総収益である駐車場使用料収入が、前年度に比べ大幅に減少したことが主な原因と考えられる。②他会計補助金比率は、前年度に比べ、6.9ポイント増加している。これは、維持管理業務(増加:委託料、修繕費)が増加傾向にあり、一般会計からの繰入金の増加したことが主な原因と考えられる。
資産等の状況について
資産等の状況については、4つ(うち1つ:100台収納)の機械式地下駐車設備のうち、2つは、国土交通省及びTFI(株)の財産、残りの2つは、本市の財産となっている。(H15.10.14供用開始)。駐車機械設備以外は、三者(国、TFI(株)・市)で運営している。地下1階通路(駐車場の一部)の両端で、東地下通路(国、(地下通路の管理者)の所有)、AOI地下通路(市の所有)と接続している。当該施設は、機械式地下駐車設備のため、躯体(クラック、ひび割れ等)や機械設備の経年劣化が進んでおり、設備投資見込額が増加傾向にある。
利用の状況について
⑪稼働率については、、類似団体平均を上回っているものの、前年度に比べ、14.5ポイント減少している。これは、駅周辺の路外駐車場やコインパーキングが増加していることが主な原因と考えている。また、公共駐車場として、むやみに安価な料金設定ができず、近郊の駐車場事業者との間で著しい価格差が生じないように料金設定しているため、周辺の価格競争に同調することできない。
全体総括
本市の駐車場事業(静岡駅前地下駐車場)の経営状況は、建設費の償還を除いた収支は、実質黒字である。稼働率は、類似団体の平均を上回っており、ポテンシャルは高い施設と考えられる。機械式地下駐車場施設特有の施設規模に係る維持管理経費が年々増加傾向にある一方、駐車場利用者や使用料など年々減少傾向にあるため、経営の改善が求められている。また、施設の経年劣化が進んでおり、施設の更新のため設備投資が増加していることから、財政面を圧迫しており、経営の悪化に繋がっている。経営健全化させるための対策として、直営で実施している維持管理業務について、民間活力導入による柔軟な経営ができるよう指定管理者制度導入を視野に検討していく。また、施設の更新についてもアセットマネジメント計画に基づき適切に更新し、施設を健全運営できるように努めていく。