経営の健全性・効率性について
経費回収率が80%程度であり、収益的収支比率も100%を下回っており、汚水処理に係る費用の一部を一般会計繰入金で賄っている状況である。これは下水道普及率や水洗化率が十分でないことや、使用料単価が低いことが主な原因であるが、平成31年4月に実施した下水道使用料の改定によりいずれも改善される見込みである。汚水処理原価については、概ね効率的な汚水処理がなされていると言えるが、今後も建設費や維持管理費等に留意しつつ、健全な経営となるよう努める。企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均値をやや下回っているが、営業収益に対する企業債負担は大きいため今後も効率的な経営・資金調達に努める。
老朽化の状況について
本市は流域下水道のため、維持管理すべき施設は管渠のみ(マンホールポンプ場含む)である。管渠改善率は現在3%弱であるが、布設されている管渠の大半が築30年前後と老朽化が進んでいないためである。現在は、昭和40年代後半に宅地造成され、民間から市に移管された管渠について、長寿命化計画に基づき準備整備を進めている状況であるが、今後はストックマネジメント計画に基づき順次整備を進めていく予定である。
全体総括
今後の人口減少時代の到来にあたり、未普及地域の整備や老朽化した管渠等の更新需要の増加が見込まれる中、汚水処理原価、経費回収率、水洗化率等の経営指標の数値に留意しつつ、未接続世帯に対する公共下水道への接続の普及啓発活動や定期的な下水道使用料の見直し等により下水道使用料の増収を図る事や、今後の事業への投資のあり方などを精査し、計画的かつ効率的な下水道事業経営に努める。