経営の健全性・効率性について
野沢温泉村の公共下水道は昭和36年から整備が進められ、昭和37年12月に単独公共下水道としては全国の村で最初に供用開始となった。このため、処理区域内人口に対しての水洗化率は100%に近い数値となっており当初の目的は概ね達成できている。経営状況については、収入では使用料の徴収率の向上に努め、歳出では施設の維持管理の効率化を進めている(汚泥消化ガスの再利用など)。このため施設の維持管理に係る費用は使用料収入等でまかなえており、一般会計からは企業債償還財源として必要最小限の繰入を受けて運営している。また企業債残高については平成32年度をピークに減少する見込みであるが、施設の老朽化に伴う長寿命化等の事業を進めており、長寿命化計画に沿って計画的に起債の借入れをおこなっている。当村の特徴として⑦の施設利用率が類似団体より低くなっているが、これは当村が観光地であり特に冬場に特化して観光人口が増加するため、処理場の施設規模をそこに合わせて整備してあるためである。
老朽化の状況について
敷設後50年を経過する管渠があることから、平成24年度に管渠長寿命化計画を策定し、平成25年度から計画に沿って下水道管渠の長寿命化を進めている。また、処理施設についても汚泥処理施設の老朽化が進んでいることから、ストックマネジメント計画を策定し計画的に改築を進めることとしている。
全体総括
今後、人口減少に伴う使用水量の減少が見込まれるが、地方創生計画による人口減少抑制や観光客の増加に期待しつつ、使用料の徴収率向上に努め、施設の維持管理費の抑制方法や効率化を模索しながら、引続き経営の健全化に努める。また、現管渠長寿命化計画がH31年度で切れることから、処理場施設も含めたストックマネジメント計画の策定を進め、持続可能なな汚水処理ができるよう努めていく。