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2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
景気回復による税収の増加等に伴い単年度の財政力指数が増加傾向にあり、平成29年度は、単年度の財政力指数が0.51(前年比+0.01ポイント)と上昇したことから、3年平均値も上昇した。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
職員数の削減(平成14年度以降約700人)による人件費抑制に努めてきた結果、人件費分がグループ内で最も低く、比率全体もグループ平均を下回っている。さらに、平成29年度は、退職者が一時的に少なかったため、人件費が減少したことなどにより前年度から1.0ポイント改善した。今後も社会保障関係経費の増加が見込まれるなど義務的経費が県財政を圧迫する厳しい状況が予想されることから、引き続き、歳入の確保や歳出全般にわたる見直しなど、行財政改革に不断に取り組み、社会経済情勢の変化にも機動的に対応できる持続可能な財政運営に努めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成29年度は、大雪による除雪費の増加に伴い、維持補修費が前年度に比べて大幅に上昇したこと等により、人件費・物件費及び維持補修費といった人及び物にかかるコスト(退職金は含まない)は、前年度から増加した。今後とも、県行政の守備範囲の見直しや民間ノウハウの積極的な活用など、業務の効率化を推進し、経費の抑制を図る。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
給与構造改革(平成18年度~)や給与制度の総合的見直し(平成27年度~)、採用と退職に伴う新陳代謝の促進により平均給与は下がっている。平成26年4月は99.9、平成27年4月は100.1と国とほぼ同水準となっていたが、平成27年度の給与改定で、国の俸給表に一定水準を乗じた額を加える水準調整を実施したことから、平成28年4月の指数は100.4となった。平成28・29年度の給与改定では、国家公務員の給与水準との均衡を図るため、国の改定後の俸給が本県を上回る部分(主に若年層)のみの増額改定としたため、給料改定率が国より小さくなり、平成29年4月の指数は100.2と減少している。今後とも、民間給与の状況や国・他県の動向等を踏まえながら、一層の給与の見直し・適正化に努めていく。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
職員数は、平成14年度の新行財政改革大綱の策定以降、平成27年度までに約700人を削減した結果、半世紀前の水準以下となっている。人口当たりの職員数でみると、グループ内では人口が最も少ないため順位が低くなっているが、人口類似県の中では最も少ない職員数となっている。今後とも、業務のあり方を不断に見直すことにより、組織や事務事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底し、適正な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
県債の新規発行の抑制や繰上償還の実施等による公債費負担の平準化の効果が現れてきており、平成29年度は比率が0.4ポイント減少した。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成29年度は、県立中央病院の建替に伴い、中央病院事業会計の起債が増加し、一般会計からの繰出見込額が増加したことなどにより0.6ポイント上昇したが、県債の新規発行の抑制や繰上償還等による県債残高の減、教職員数の減少に伴う退職手当負担見込額の減により、全体として比率は減少傾向にある。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
平成14年度以降取り組んできた職員数の削減(約700人削減)により、グループ内でも最も低い水準となっている。今後も業務のあり方を不断に見直すことにより定員管理を徹底し、総人件費を適正な管理に努めていく。
物件費
物件費の分析欄
平成29年度は、前年度と同程度の水準となっている。今後とも、県行政の守備範囲の見直しや民間ノウハウの積極的な活用など、業務の効率化を推進し、経費の抑制を図る。
扶助費
扶助費の分析欄
平成29年度は、難病医療費や心身障害児保護措置費等が増加した一方で、生活保護における医療扶助費等が減少し、全体では前年度と同程度となった。今後も、高齢化の進展による社会保障関係経費の増加が見込まれ、県財政を圧迫する極めて厳しい状況が予想される。
その他
その他の分析欄
平成29年度は、大雪による除雪費の大幅な増加(前年比+71.2%)により、維持補修費が増加したことから、前年度より0.2ポイント上昇した。今後も施設の老朽化に伴う維持補修費の増加が予想されることから、引き続き、歳出全般にわたる見直しに努めていく。
補助費等
補助費等の分析欄
平成29年度は、後期高齢者医療給付費負担金や障害者介護等給付費負担金の増加等により、前年度から0.1ポイント上昇した。今後も、高齢化の進展による社会保障関係経費の増加が見込まれ、県財政を圧迫する極めて厳しい状況が予想される。
公債費
公債費の分析欄
バブル経済崩壊以降、国の経済対策に呼応し、他県に比して積極的に公共投資を実施した結果、社会資本の整備は進んだものの、県債残高が増嵩しており、公債費はグループ平均より高い水準にある。今後も北陸新幹線建設等による公債費負担の本格化が見込まれることから、県債の新規発行抑制や償還期間の延長(20年→30年)、繰上償還等により公債費の平準化対策を講じ、将来の財政負担の軽減を図っている。
公債費以外
公債費以外の分析欄
人件費がグループ内で最も低い水準となっている一方、その他の経費の合計は概ねグループ平均と同程度であることから、公債費以外の率はグループ内で最も低い水準となっている。今後も適正な定員管理や一般行政経費・投資的経費の抑制など歳出全般にわたるなお一層の見直しに努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
目的別歳出の分析欄
総務費:平成25・26年度は、国の経済対策に伴う交付金を翌年度事業に充当するための基金積立(150億円)や、並行在来線開業に伴う運行会社の鉄道資産取得に対する支援(62億円)など、臨時的な経費により一時的に大幅に増加した。平成29年度は、北陸新幹線建設費負担金の増(61億円)により増加している。労働費:リーマンショック以降、雇用対策に積極的に取り組んできたが、景気の回復や雇用情勢の改善を受けて、年々事業費が減少している。平成28年度は、人材確保・定住促進基金の創設(22億円)により一時的に大幅に増加した。商工費:近年横ばいで推移している。平成28年度は、ほっと石川観光プラン推進ファンド創設にかかる貸付(150億円)により、一時的に大幅に増加した。土木費:国の経済対策に呼応し、積極的な公共投資を行ったことにより、平成25年度をピークに高い水準で推移している。教育費:平成27年度は、いしかわ県民文化振興基金の設置に伴う出資(120億円)により、一時的に大幅に増加した。公債費:バブル経済崩壊以降、国の経済対策に呼応し、他県に比して積極的に公共投資を実施した結果、社会資本の整備は進んだものの、県債残高が増嵩しており、公債費はグループ平均より高い水準にある。平成28年度は、能登半島地震復興基金の終了に伴う県債の償還(250億円)により、一時的に大幅に増加した。その他の経費:概ねグループ平均と同程度となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
性質別歳出の分析欄
人件費:平成14年度以降取り組んできた職員数の削減(約700人削減)等により、住民一人当たり職員数は人口類似県の中で最も少なくなっている。このため、職員数の削減は一段落したところであり、人件費は近年横ばいで推移している。維持補修費:平成29年度は大雪により除雪費が大幅に増加したことから、過去に比べて大幅に増加している。補助費等:高齢化の進展により、年々、社会保障関係経費が増加しており、増加傾向が続いている。普通建設事業費:国の経済対策に積極的に呼応してきたことや、北陸新幹線の建設工事が進められていることなどから、グループ内でも高い水準となっている。公債費:バブル経済崩壊以降、国の経済対策に呼応して積極的に公共投資を実施した結果、社会資本の整備は進んだものの、グループ内で最も高い水準となっている。平成28年度は、能登半島地震復興基金の終了に伴う県債の償還(250億円)により、一時的に大幅に増加している。投資及び出資金:平成27年度は、いしかわ県民文化振興基金の設置に伴う出資(120億円)により、一時的に大幅に増加している。貸付金:平成28年度は、ほっと石川観光プラン推進ファンド創設にかかる貸付(150億円)により、一時的に大幅に増加している。繰出金:平成24年度から平成26年度にかけて基金からの借入金繰入に対する償還を行ったことにより高い水準となっているが、平成27年度以降は、ほぼ横ばいで推移している。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄財政調整基金残高は歳計剰余金の積立(約3.8億円)により増加。実質収支は近年ほほ横ばいで推移。実質単年度収支は、平成27年度以降、北陸新幹線金沢・敦賀間の整備に伴う公債費負担の増加を見据えた繰上償還を実施している影響で、高い水準で推移している。今後も県政の重要課題に積極的に取り組んでいくためには、持続可能な行財政基盤の確立が不可欠であり、引き続き、行財政改革に取り組んでいく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄全会計で赤字は発生しておらず、健全な段階にある。一般会計は、地方債の現在高は減少しているものの依然として高い水準であるほか、職員の大量退職に伴う退職手当も高い水準が続くと見込んでいる。これらに加え、今後、社会保障関係経費の増加により厳しい財政状況が続く見込みである。病院事業会計(中央病院、高松病院)は、DPCⅢ群からⅡ群への格上げや新規入院患者の確保等による診療報酬の増収に努めており、黒字基調で推移している。こうした厳しい財政状況の下で財政健全性を維持していくため、引き続き、歳入の確保、適正な定員管理、投資的経費の抑制といった歳出全般の見直しを行い、持続可能な財政基盤の確立を図っていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄バブル経済崩壊以降、国の経済対策に呼応し、他県に比して積極的に公共投資を実施した結果、公債費負担は平成22年度にピークとなったが、県債の新規発行の抑制、償還期間の延長による平準化対策、繰上償還などにより、年々減少している。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄臨時財政対策債を除く通常債の残高は、平成15年度以降、前年度以下の水準に抑制している。充当可能基金は、財政調整基金への歳計剰余金の積立等により増加している。退職手当負担見込額は、行財政改革による職員数の削減により減少している。
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基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・減債基金で約53億円、国民健康保険財政安定化基金で約15.5億円を新規に積み立てたことなどにより、基金全体では約58億円の増となった。(今後の方針)・平成16年度の三位一体改革による地方交付税の削減や平成20年度のリーマン・ショックによる税収減により、財政調整基金・減債基金の2基金について、平成23年度までの10年間で396億円の取崩を余儀なくされ、未だ取崩前の水準に回復していない状況である。・今後は、北陸新幹線金沢・敦賀間の整備の本格化など様々な財政需要が見込まれているため、引き続き、将来への備えとして必要な資金を基金に積み立てるとともに、現在保有している基金は、県民生活の向上や本県のさらなる発展につながるよう、その時々の財政状況も踏まえながら有効に活用していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・決算剰余金を約3.8億円積み立てたことによる増加。(今後の方針)・災害への備えなど、長期的視野に立った健全な財政運営を図るため、引き続き、基金の確保に努めていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)・今後の公債費の増加に備え、新規に積立を行ったことにより、約41億円の増加。(今後の方針)・今後、数年間という短期間で、北陸新幹線金沢・敦賀間の整備に伴う建設費負担が本格化し、これに伴う公債費負担も増加することが見込まれるため、こうした状況に備え、必要な資金を基金に積み立てていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・国民健康保険財政安定化基金:国民健康保険の財政の安定化を図る。・地域医療介護総合確保基金:地域の医療・介護の総合的な確保を図る。(増減理由)・国民健康保険財政安定化基金:国民健康保険の制度見直しにより、運営主体が都道府県に移管したことに伴い、新たに、国の補助金を受け入れ、約15.5億円を積み立てたことによる増加。・地域医療介護総合確保基金:医療や介護施設の整備等を進めるために、国の補助金などを約20.6億円積み立てた一方、約15.9億円を取り崩したことにより、約4.7億円の増加。(今後の方針)・引き続き、それぞれの基金の設置目的に照らし、県民生活の向上や本県のさらなる発展につながるよう、その時々の財政状況も踏まえながら、有効に活用していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本県では、これまでも道路や河川施設等のインフラ資産の整備を積極的に進めてきており、資産全体に占める割合は高い。既存のインフラ資産の維持管理は、更新ではなく修繕等によるものが大きく、新たな資産形成を伴わないことから、有形固定資産減価償却額は高い状況である。引き続き、「石川県公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の特性や利用状況に応じた予防保全型修繕を行うなど、長寿命化や経費削減につながる取組みを実施していく。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率については、県の行革大綱に基づき、県債の新規発行の抑制や繰り上げ償還の実施を行っているが、県立中央病院の建替え費用の増加などの影響により、微増となっている。有形固定資産減価償却率については、インフラ資産の整備を積極的に進めてきており、既存のインフラ資産の維持管理は、更新ではなく修繕等によるものが大きく、新たな資産形成を伴わないため、償却率は高い状況である。他団体との評価については、平成29年度においてグループが変更となったため、一概に評価できるものではないが、これまで整備してきた固定資産を今後とも利用者に安全に利用していただくため、石川県公共施設等総合管理計画に基づき、長寿命化や経費削減など適正な管理に努めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
近年、将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して高い状況であったが、H27、H28はともに類似団体平均を下回る水準となっている。これは、累次の行財政改革大綱において、県債残高を前年度以下の水準に抑制することを掲げ、これまで県債の新規発行の抑制や繰り上げ償還の実施に取り組んできたためである。H29は、いずれも類似団体平均は上回ったが、実質公債費比率は引き続き減少、将来負担比率は、県債残高が前年度を下回ったものの、県立中央病院建て替え費用の増加などの影響によりほぼ前年度並(微増)となった。今後、北陸新幹線敦賀延伸工事の本格化等により、将来の公債費負担の増加が見込まれるため、これに備え、繰上償還により公債費負担の平準化を図るなど、持続可能な財政基盤の確立を図ることとしている。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率について、類似団体と比較して高い施設は、道路、公営住宅、空港、図書館、博物館となっており、低い施設は、橋りょう・トンネル、港湾・漁港、学校施設となっている。道路については、資産全体の過半を占めており、これまで整備してきた資産の累積償却額が大きくなっている。また、償却率が100%である図書館については、建設から半世紀を過ぎており老朽化が進んでいることを踏まえ、現在、移転・建替に向けて作業を進めているところである。橋りょう・トンネルについては、近年、金沢外環状海側幹線に係る橋りょうや南加賀道路のトンネルの整備など、広域交流ネットワーク道路の整備を進めてきたため、償却率は低くなっており、1人当たりの償却資産額は、類似団体と比較し高水準となっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率について、類似団体と比較して高い施設は、陸上競技場・野球場・球技場、保健所、試験研究機関、警察施設となっており、低い施設は、体育館・プール、県民会館、庁舎となっている。特に償却率の高い野球場については、その付随する設備も整備してきており、累積償却額が大きくなっていることから、石川県公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な修繕等を進めていく。また、体育館・プールの償却率が低い理由は、競技力の向上や生涯スポーツ社会の実現など石川県のスポーツ振興を図るため、平成20年に「いしかわ総合スポーツセンター」を新たに整備・オープンしたことによる資産額の上昇が要因である。
財務書類に関する情報①(2017年度)
1.資産・負債の状況
平成29年度一般会計等においては、資産総額は前年度末から624百万円(△0.04%)の減少となった。新たな施設整備を進める一方で、道路や橋りょう等の償却資産の償却により、減価償却累計額が前年度末から39,646百万円の増となっており、資産形成分(32,636百万円)を上回っている。また、基金については、将来の県債償還に備えた減債基金の積み立てなどにより、前年度末から7,649百万円の増となっている。負債総額は前年度末から9,413百万円(△0.7%)の減少となった。金額の変動が最も大きいものは退職手当引当金の7,362百万円の減少であり、ほか、地方債については、将来の財政負担に備えた繰上償還を実施するなど残高抑制に努めており、前年度末から654百万円の減少となっている。
2.行政コストの状況
平成29年度一般会計等においては、経常費用が392,240百万円となり、前年度比6,356百万円の増加(+1.6%)となった。そのうち、補助金や社会保障給付等の移転費用が最も大きく154,065百万円であり、全体の39.3%を占めている。また、業務費用は238,176百万円であり、そのうち、職員給与費等に実際には現金の支出を伴わない退職手当引当金繰入額や賞与等引当金繰入額を加えた人件費が127,136百万円で32.4%を占めている。純行政コストは、前年度と比較して9,739百万円の増加となっているが、大雪による維持補修費や後期高齢者医療給付費負担金、障害者介護等給付費負担金などの補助費の増加等によるものである。本県では、知事部局の職員数について、平成14年度の新行財政改革大綱の策定以降、職員数を削減しているが、高齢化の進展による社会保障関係経費の増加など義務的経費が県財政を圧迫することが予想されるため、引き続き、行財政改革のプログラムを拠り所とした不断の改革により、行政コストの縮減に取り組んでいく。
3.純資産変動の状況
平成29年度一般会計等においては、税収等の財源(385,347百万円)が純行政コスト(375,248百万円)を上回ったことから、本年度差額は10,099百万円の増となり、純資産残高は8,790百万円の増加(純資産変動額)となった。昨年度の純資産変動額(14,531百万円)と比較して減少したものの、景気回復による給与所得の増加などに伴い、県税が高い水準で推移しており、今後とも税外収入も含め歳入確保に努めていく
4.資金収支の状況
平成29年度一般会計等においては、業務支出387,465百万円が、業務収入409,714百万円を下回っており、臨時収支△979百万円を加えた結果、業務活動収支は21,270百万円となった。投資活動収支は、前年度は貸付金の回収収入(能登半島地震復興支援貸付金25,000百万円)など臨時的な要因もありプラスであったが、平成29年度は、公共施設の整備や基金の積立てによる支出が増加した結果、△19,283百万円となった。財務活動収支は、地方債の償還額が、発行収入を上回ったことから、△694百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から1,293百万円増加し8,088百万円となった。
財務書類に関する情報②(2017年度)
1.資産の状況
平成29年度の住民一人当たり資産額は、類似団体平均を大きく上回っているが、本県では、これまでも道路や河川施設等のインフラ資産の整備を積極的に進めるなど、高い水準の公共投資を実施してきた結果であるものと推測される。歳入額対資産比率についても同様である。有形固定資産減価償却率については、過去に整備してきた既存のインフラ資産の維持管理を進めているところであるが、これらは更新ではなく修繕等によるものが大きく、新たな資産形成を伴わないことから、高い水準で推移している。引き続き、「石川県公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の特性や利用状況に応じた予防保全型修繕を行うなど、長寿命化や経費削減につながる取り組みを実施していく。
2.資産と負債の比率
平成29年度の純資産比率は、純資産の増加により、前年度と比較して0.5%増加し、類似団体平均を大きく上回っている。将来世代負担比率については、県債の新規発行の抑制や繰上償還の実施により、県債残高の減少を目指しており、平成29年度は全国平均をわずかであるが下回っている。一方、今後も、県の資産とはならない国道や河川などの社会資本整備において起債により実施していく必要があることから、他団体の状況も見ながら適切な執行に努めていく。
3.行政コストの状況
平成29年度の住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っている。行政コストは、行政活動に係る人件費や社会保障経費をはじめ、除雪費など臨時的に発生するフルコストの表示であるため、年度間増減について画一的な評価はできないものの、財政健全性の維持・向上の観点から、投資的経費の抑制や総人件費の適正管理、一般行政経費の見直しなど、持続可能な財政基盤の確立に努めていく。
4.負債の状況
平成29年度の住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。負債全体の約9割を県債が占めており、資産の状況と同様、本県では、これまでも道路や河川施設等のインフラ資産の整備を積極的に進めるなど、高い水準の公共投資を実施してきた結果であるものと推測される。累次の行革大綱に基づき、繰上償還を行うなど県債残高の管理に努めており、残高総額は平成26年度以来、4年連続で前年度を下回っている(平成30年度も下回っており、5年連続となっている)平成29年度の基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が、基金の取崩収入や基金積立金支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、17,329百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、県債を発行して公共施設等の必要な整備を行ったためである。
5.受益者負担の状況
平成29年度の受益者負担比率は類似団体平均を上回っているものの、前年度から0.7%低下している。本県が策定した行政経営プログラムに基づき、公共施設の使用料など税外収入の確保に努める。
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