上越市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

【収益的収支比率】平成28年度決算では平成27年10月の使用料改定による増収が1年分発揮されたため総収益が増加した一方で、企業債残高の減少による利払いの減少や適正な運転管理による維持管理費の減少により総費用が減少したことにより、前年度までの比率の悪化から一転して改善が見られました。【企業債残高対事業規模比率】主に企業債残高の減少により本比率は改善していますが、類似団体の中では供用開始からの年数が比較的短く下水道整備が途上の当市は本比率が高い傾向となります。【経費回収率】【汚水処理原価】汚水処理費が前年度比で減少した一方で、有収水量及び料金収入が増加したため、経費回収率及び汚水処理原価は改善しています。今後も適切な運転管理を行い汚水処理費の抑制を図るとともに、料金収入増加のため計画的な下水道整備及び接続促進に取り組みます。【施設利用率】下水道整備が途上の当市では、本比率は類似団体と比較して低い傾向にあります。引き続き、上越市汚水処理施設整備アクションプランに基づく下水道整備を計画的に行うとともに、人口減少等を勘案した処理場規模の適正化を図り施設利用率の改善を図ります。【水洗化率】下水道整備に伴う処理区域内人口の増加を上回るペースで水洗便所設置済人口が増加しているため、水洗化率は上昇しています。今後も生活排水処理推進員による未接続世帯への戸別訪問等の接続促進に取り組み、水洗化率の向上に努めます。

老朽化の状況について

供用開始からの経過年数が比較的短い当市では管渠の更新時期を未だ迎えておらず、現在は処理場設備の更新を計画的に行っています。今後は、ストックマネジメント計画に基づき国の補助事業を活用しながら計画的な施設の更新を行います。

全体総括

平成28年度は、使用料収入の増加、汚水処理費の減少、企業債残高の減少等により全ての指標において改善傾向がみられましたが、類似団体と比較すると低位な状況にあり、経営健全化に向けて更なる努力が必要です。引き続き、未普及地域解消に向けた下水道整備に取り組む一方で、接続促進による水洗化率の向上や処理場・管渠の適正管理による維持管理費の抑制を図るとともに、より効率的な処理場の管理方法の検討を行います。また、経営成績や財政状態などの経営状況をより的確に把握するため、平成32年4月に地方公営企業法の一部適用を行う予定です。※新元号が未定であるため、改元が予定されている日以降の年についても「平成」により表記しています。