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令和4年度においては、社会福祉費等の増加により基準財政需要額が増加したが、市民税のうち法人税割が増加したこと等により基準財政収入額についても増加したことから、単年度の財政力指数は前年度に比べ0.01ポイント上昇の0.84となり、3年平均では前年度に比べ0.01ポイント低下の0.85となっている。直近5年間の類似団体の推移を見ると、類似団体平均を上回っているものの、依然として低下傾向が続いている状況にあることから、持続可能な行財政構造の構築に向けた市税収入の確保策の検討や債権回収の強化等により、財政基盤の強化に努める。
経常経費充当一般財源は、人件費、扶助費及び物件費が増加したこと等により、前年度と比べると3.7ポイント増加となっている。一方、経常一般財源等は、市税が増加した一方で普通交付税が減少したこと等により、前年度と比べると0.1ポイント減少となっている。以上から、経常収支比率は、前年度から3.6ポイント上昇し、類似団体平均を下回っている状況が続いている。こうした状況等を踏まえ、令和6年度以降も「相模原市行財政構造改革プラン」(令和3年4月策定)に基づく取組の推進等により経常収支比率を改善し、財政構造の弾力化を図る。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は166,807円で、人事委員会勧告に基づく期末手当の引き上げや物価高騰等の影響により、前年度から8,759円増加したものの、類似団体平均を下回っている。直近5年間の推移は、概ね類似団体平均と同じ動きをしているが、近年増加傾向にある物件費については、委託事業の見直しや庁舎等施設の維持管理に係る委託料の見直し等により縮減に努める。
平成27年度に給与制度の総合的見直しを実施し、給料表の引下げ改定を行ったことにより、平成27年度以降、ラスパイレス指数は、100を下回る水準で推移している。令和4年度の数値は、前年度より0.2ポイント減少となっている。今後も引き続き、適正な給与水準の維持に努める。
令和2年度から定員管理の対象に臨時的任用職員の一部が加えられたため、令和2年度は微増となり、令和3年度も前年度と同じ値となっている。また、令和3年度に策定した職員定数管理計画(計画期間:令和4年度~令和6年)においては、職員定数(令和3年度と同数)を3年間維持することとしている。平成27年度以降、類似団体平均を下回っているが、引き続き、事務執行体制及び事務事業の見直しや民間活力の導入を推進するとともに、必要度・重要度の高い事務事業に対しては重点的に職員を配分するなど、適切な定員管理に努める。
実質公債費比率については、令和4年度単年度で見た場合、分母である標準財政規模が大幅に減額したこと等により、前年度(令和3年度単年度)と比較すると0.2ポイント増加の2.9%となったが、3か年平均では前年度と同じ2.7%となった。類似団体平均を大きく下回っている主な要因としては、市債の発行に当たっては、元利償還金に対する地方交付税措置のある有利な起債を活用してきたことが挙げられるが、引き続き、将来にわたり持続可能な財政運営に努めていく。
将来負担比率については、分母である標準財政規模が大幅に減額した一方で、分子についても、財政調整基金等の充当可能基金額の増加等により、分子全体が大幅に減少したため、前年度と比較すると12.2ポイント減少の2.0%となった。類似団体平均を下回っている主な要因としては、市債の発行に当たっては、元利償還金に対する地方交付税措置のある有利な起債を活用してきたことが挙げられるが、引き続き、将来にわたり持続可能な財政運営に努めていく。
人件費に係る経常収支比率は、33.3%で前年度と比べると1.0ポイント上昇し、類似団体平均と比べると2.5ポイント上回っている。人口1人当たりの人件費、人口1,000人当たり職員数及びラスパイレス指数は類似団体平均を下回っているが、普通建設事業費が類似団体の中で大きく下回っており、事業費支弁人件費の割合が低いことが類似団体平均を上回る要因となっている。引き続き、職員定数管理計画に基づいて適切な職員規模や給与水準の維持に努める。
物件費に係る経常収支比率は、15.6%で前年度と比べると1.2ポイント上昇し、類似団体平均と比べると3.1ポイント上回っている。最低賃金が類似団体より高く、委託料が割高であることが類似団体平均を上回る要因となっている。今後、委託事業の見直しや庁舎等施設の維持管理に係る委託料の見直し等により、物件費の縮減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、17.9%で前年度と比べると0.7ポイント上昇し、類似団体平均と比べると1.5ポイント上回っている。市民1人当たりの市単独事業の扶助費が高いことが類似団体平均を上回る要因となっていることから、引き続き、市単独事業の扶助費の適正化を図っていく。
その他の経費に係る経常収支比率は、10.2%で前年度と比べると0.6ポイント上昇し、類似団体平均と比べると1.0ポイント下回っている。繰出金に係る経常収支比率が、後期高齢者医療事業特別会計への繰出金の増加等により前年度と比べ0.4ポイント上昇したが、類似団体平均を下回る状況が続いている。引き続き、特別会計の経営健全化や公共施設の適正な管理に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、5.8%で前年度と比べると0.2ポイント上昇し、類似団体平均と比べると1.7ポイント下回っている。補助金については、補助金の見直し指針に基づいて公益性、公平性及び透明性の確保を図ってきたところであり、今後も引き続き同指針に基づいた見直しを行う。
公債費に係る経常収支比率は、14.1%で前年度と比べると0.1ポイント低下し、類似団体平均と比べると3.6ポイント下回っている。これまで市債の発行抑制目標等に留意し、適切な市債発行に努めてきたこと等が類似団体平均を下回る要因となっている。引き続き、元利償還金に対する交付税措置のある有利な起債を発行するなど適切な運営に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、82.8%で前年度と比べると3.7ポイント上昇し、類似団体平均と比べると4.4ポイント上回っている。人件費、扶助費及び物件費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っていることが要因となっている。「相模原市行財政構造改革プラン」に基づき、市単独事業の扶助費の適正化や既存の公共施設等の見直しにより、持続可能な行財政基盤を築いていく。
(増減理由)令和4年度末の基金残高は、前年度末と比較して約159億円の増加となった。財政調整基金残高は約48億円の増加であり、その他特定目的基金は、市街地整備基金が約71億円増加したことや公共施設保全等基金が約30億円増加したこと等により、約111億円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金については、年度間の財源の不均衡調整のほか、経済の不況等による大幅な税収減などの予期せぬ収入減少や大規模災害等に対応するなど、中長期的に安定した財政運営を行う観点から一定規模の残高を確保していく。その他特定目的基金については、短期的には、市街地整備基金や公共施設保全等基金への積立ての増加等により、残高が増加していく傾向にあるが、事業の推進に伴い、中長期的には減少していく見込みである。
(増減理由)財政調整基金については、積立額が取崩額を上回ったため、残高が増加した。積立額は前年度決算における実質収支の約2分の1に相当する額としており、前年度決算においては、新型コロナウイルス感染症対策事業に係る国庫支出金の不用額が増加したこと等により実質収支額が増加したため、積立額も増加し、取崩額を上回った。(今後の方針)財政調整基金の適正な規模について、今後、検討及び設定をすることとし、中長期的に安定した財政運営を行う観点から一定規模の残高を確保するとともに、積立目標額を超える金額については、今後予定する大規模な建設事業の経費の財源に充てるなど、重点施策の財源として活用していく。
(増減理由)減債基金については、基金運用益等の積立により、前年度と比べると約0.2億円増加した。(今後の方針)運用益等の積立てにより、残高は増加する見込みである。なお、この残高には含まれていない満期一括償還に係る基金への積立てについては、各年度における発行額の1/30を確実に基金へ積み立てており、また、資金不足による基金の取崩しも行っていないため、償還に対する財源不足は生じていない。
(基金の使途)○市街地整備基金:市街地整備事業の財源とするために設置された基金〇公共施設保全等基金:公共施設の保全及び活用を図る事業の財源とするために設置された基金○まち・ひと・しごと創生基金:まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律第136号)第10条第1項に規定するまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画の推進を図る事業の財源とするために設置された基金(増減理由)○市街地整備基金:麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の事業継続に伴う事業費の積立てを行ったため増加した。○公共施設保全等基金:公共施設長寿命化事業に係る財政負担の平準化に伴う事業費の積立てを行ったため増加した。○まち・ひと・しごと創生基金:暮らし潤いさがみはら寄附金の積立てを行ったため増加した。(今後の方針)○市街地整備基金:麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業の事業継続に伴う事業費の積立てを行ったことから基金残高は増加したが、中長期的には、事業の進捗に応じて取崩しを行うため残高は減少する見込みである。○公共施設保全等基金:公共施設長寿命化事業に係る財政負担の平準化に伴う事業費の積立てを行ったことから基金残高は増加したが、中長期的には、事業を進捗に応じて取崩しを行うため残高は減少する見込みである。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っており、その差は拡大傾向にある。本市では、平成26年度に策定(令和2年度改定)した公共施設等総合管理計画において、公共施設等のサービスを維持しながら、施設総量の削減を図る目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めているところではあるが、昭和40年代から50年代前半に、人口急増に伴い整備した学校施設等の老朽化により、類似団体平均値を上回っている。
債務償還比率は類似団体平均を下回っており、類似団体平均値と同様に令和3年度は前年度から減少した。令和3年度の債務償還比率は、将来負担額が減少し、充当可能財源が増加したことにより、前年度と比べ減少となっている。
将来負担比率は類似団体平均値を大きく下回っており、また、有形固定資産減価償却費率は類似団体平均値を上回っている。いずれの数値も類似団体平均値の経年変化と同様の傾向にある。将来負担比率は、分母である標準財政規模が普通交付税の再算定及び臨時財政対策債発行可能額の増額等により増加した一方で、分子については、土地開発公社の解散等に伴う将来負担額の減少や、財政調整基金等の充当可能基金額の増加、基準財政需要額算入見込額の増加等により、分子全体が減少したため、前年度と比較すると9.7ポイント低下の14.2%となった。有形固定資産減価償却率は、昭和40年代から50年代前半における、全国でもまれに見る人口急増に伴い整備した学校施設の既存施設の老朽化により、類似団体平均値を上回っている。
将来負担比率及び実質公債費比率は、いずれも類似団体平均値を大きく下回っており、また、類似団体平均値の経年変化と同様の傾向にある。将来負担比率は、分母である標準財政規模が普通交付税の再算定及び臨時財政対策債発行可能額の増額等により増加した一方で、分子については、土地開発公社の解散等に伴う将来負担額の減少や、財政調整基金等の充当可能基金額の増加、基準財政需要額算入見込額の増加等により、分子全体が減少したため、前年度と比較すると9.7ポイント低下の14.2%となった。実質公債費比率は、令和3年度単年度で見た場合、分母である標準財政規模が普通交付税の再算定及び臨時財政対策債発行可能額の増額等により増加した一方で、分子も元利償還金等から控除する基準財政需要額算入額の減額等により減少し、分母分子がともにほぼ同割合で増加したことにより、3か年平均では前年度から0.1ポイント増加の2.7%となった。
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