収益等の状況について
①収益的収支比率5年連続で赤字となっており、経営改善に向け料金体系や設備投資の見直しといった取り組みが必要となっている。②他会計補助金比率及び③宿泊者一人当たりの他会計補助金額H27を除いてほぼ償還金(宿泊施設建設費用)に当てられている。H32で償還満期となる。④定員稼働率季節および天候により、大きく変動する。島への渡航手段の運行状況に依存するため、客船やヘリコミの就航率の向上による抜本的な底上げが今後期待できる。⑦EBITDA企業収益の落ち込みに対して営業費用は横這いのため、それまで微増傾向にあったEBITDAがH29では減少、収益に連動した営業費用となるようなしくみ作りが必要であり、①のとおり赤字を見直す取り組みも合わせて検討を進める。
資産等の状況について
施設建築より16年が経過し、経年劣化・老朽化が目立つ。優先度を判断し、改修・投資を行い適切な施設運営を図る。
利用の状況について
規模が矮小なため、指標には表れないが、島内の宿泊施設需用は決して低くはない。繁忙期は常に満室となり、季節営業を行う民間近隣事業者に対し、通年営業を行うことで産業振興に大きく貢献している。
全体総括
島内で最大規模の宿泊施設として平成13年度から営業しており、観光で来島する宿泊者が地域経済を活性化することから産業振興に大きく寄与している施設となる。老朽化による施設修繕料が収益向上の妨げとなっており、事業規模が矮小であることからも大規模な施設修繕に対応する財源確保が困難である。運営形態における選択肢(民営化、広域化、PFI等)がない以上、本施設存続の重要性を住民に理解いただいた上で、繰出基準以外の繰入金に頼ることが現状の解決策となっている。健全・安定経営を図るには、単なる当該施設の問題だけではなく、村・観光協会等と連携し、集客アップの方策を講じることにより、当該施設の目的である「自然とのふれあいを通した村民と来島者の交流促進」を図る必要がある。