調布市:公共下水道

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経営比較分析表(2016年度)

経営の健全性・効率性について

本市には最終処理場はなく東京都が管理する流域下水道にて処理を行っていること,地形の高低差が少なくポンプ場は1箇所のみであること,下水道人口普及率100%を達成していることから,管渠の維持管理を中心に下水道経営を行っています。①収益的収支は過去5年間にわたり100%を超えており,地方債償還費を含む費用を使用料・繰入金などの収益でまかなえています。④企業債残高対事業規模比率は,平成28年度については企業債借入額が多額となり増加傾向にあるものの,類似団体及び都内近隣団体と比べ低い比率に留まっています。⑤経費回収率は,平成28年度については維持管理経費の増に伴い数値が悪化したものの,100%を超えています。⑥汚水処理原価は,過去5年間にわたり類似団体の約6割以内に留まっています。⑧水洗化率は99.97%で概ね100%を達成できています。これらのことから,現在は経営の健全性・効率性を維持できていると判断できますが,今後は管渠・ポンプ場の老朽化対策に伴う更新投資や維持管理費の増など事業費の増大が見込まれるため,適正な事業規模を見定めていく必要があります。

老朽化の状況について

本市は昭和62年度に下水道人口普及率100%を達成したことから,現在は維持管理を中心に行っています。③管渠改善率は,平均値よりも低い水準となっていますが,平成27年度に「調布市下水道長寿命化計画」を策定し,本格的に予防保全型の管渠老朽化対策に着手したところです。今後は,昭和40年代~50年代にかけて集中的に整備した管渠が法定耐用年数を順次迎えていくことから,限られた財源の中で,老朽化対策に伴う更新投資の平準化を図りつつ,計画的な調査・改善を図っていく必要があります。

全体総括

本市は,「調布市下水道総合計画」(計画期間:平成23年度~平成32年度)に定めた基本理念”環境とくらしを守る下水道”の下,主要な事業として長寿命化対策・地震対策を位置づけ,事業展開を行っています。経営状況については健全性・効率性を維持できているものの,今後は老朽化が急速に進んでいくことから,下水道施設全体の最適な予防保全を目指すストックマネジメントの導入を検討し,経営基盤を強化する一環として平成32年4月からの公営企業会計適用に取り組んでいるところです。また,「調布市下水道総合計画」の今後の更新の際に公営企業会計に基づく経営戦略の視点も盛り込み,下水道経営全体の再構築を図っていきます。

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