経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、前年に引き続き黒字を示している。企業債残高対事業規模比率は全年に比べ大幅に増加しているが、これはTX沿線開発のうちのUR施工分が本年度で終了することから、清算分を企業債で賄ったことが要因となっていると考えられる。また、汚水処理原価はほぼ横ばいであるが、経費回収率は100%を下回っている。数値が100%を下回っている場合、汚水処理に係る費用が使用料以外の収入により賄われていることを意味するため、適正な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減が必要である。なお、研究学園地区の開発による人口増加により、水洗化率は増加しているため、使用料収入は伸びていくものと考える。
老朽化の状況について
当市に敷設された下水道施設のうち、研究学園都市建設に伴う受贈資産が多数ある。このうち、管きょは40年近く経ち、老朽化が進み、漏水等の不具合が発生している現状にある。今後はさらに更新等が必要になることが予想されるため、現在策定中のストックマネージメント計画を踏まえ、資金確保のための国庫補助金の獲得などを行い、計画的な更新を具現化していくことが必要である。
全体総括
汚水処理原価は、3年間を通してほぼ横ばいの状態であるが、経費回収率は100%を下回っている。これらの要因として、異常気象と研究学園都市部の汚水管きょの老朽化による処理水量の増加があげられ、結果的に今後も汚水処理費全体の上昇が予想される。このため、ストックマネージメント計画等に基づき、計画的に管きょの更新等を進め、汚水処理費を削減していくことが必要である。