経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は60%台で推移しており、使用料で回収すべき経費が使用料だけでは賄えていない状況が続いており、さらに維持管理の節減に努めるとともに、あわせて、適正な使用料について検討が必要である。④企業債残高対事業規模比率は平成25年度に整備が完了したため今後低下していく。⑤経費回収率は50%程度であり、維持管理費用の削減等の改善を図らなければならないが、施設数が21と、多いことから、基本的な維持管理経費の削減には限度があると考えられ、適正な使用料について検討を行っていく必要がある。⑥⑦⑧汚水処理原価は類似団体平均値より高い数値となっているため、施設利用率の向上とともに水洗化率の向上のため、未接続者対策を実施し、有収水量の増加に取り組んでいく。
老朽化の状況について
本事業は、最も古い施設で昭和58年からの稼動であり、既に30年以上が経過していることから、今後耐用年数の経過による大幅な管渠・施設の更新が必要となる。平成23年3月に発生した東日本大震災の影響により、多くの処理区で不明水が増加している。不明水への対応が遅れると汚水処理に支障を来すことから、不明水対策は喫緊の課題であり、新年度より年次計画で対応していく。処理場施設については、機能を維持していくため老朽化対策事業(機能強化事業)を計画的に実施し、平準化を図りながら更新を行っていく。施設利用率が類似団体を下回っており、処理場の処理能力が実際の流入量に比して過大となっていることから、施設更新の際には、ダウンサイジングや統廃合について検討を行うなど、維持管理経費削減に向けた取り組みが必要である。
全体総括
平成28年度に策定した「下水道事業経営戦略」に基づき、今後施設のダウンサイジングや統廃合の検討に取り組み、持続可能な経営を実現していく。施設の老朽化に伴う不明水の発生が顕著な地区を優先し、不明水対策を講じていく。また、依然として50%台に留まる経費回収率を改善していくために、法適用後、事業の中長期的維持管理計画の策定に基づき、適正な使用料について検討を進める。