経営の健全性・効率性について
本市公共下水道事業は、集中的に下水道管渠の整備を実施した時期の企業債償還がピークを迎えていることや、施設の利用開始から約45年が経過し、修繕が必要な箇所の増加など維持管理にも多くの費用が必要となっています。それにより類似団体や全国平均に比べ、汚水処理原価が高く、経費回収率は低い状況になっています。また、流動比率が類似団体や全国平均より低い水準であり、支払能力を高めるための対応が必要です。以上のように、厳しい経営状況ですが、下水道への接続促進による増収や、借り入れの原因となる建設改良費の抑制に努めています。
老朽化の状況について
管路建設着工後、一般的な耐用年数といわれる50年が経過する施設が出てきており、老朽化に起因した事故や機能停止を防止するための対策(予防保全型の維持管理)として、長寿命化計画を策定し、平成27年度から老朽化対策工事に着手しました。類似団体平均に比べ管渠改善率が低い状況ですが、管渠老朽化率も低いことから、今後耐用年数を迎える資産が増えていく見込みであり、計画的・効率的な更新が必要となってきています。
全体総括
平成28年4月から本市下水道事業に地方公営企業法を一部適用し、新たに財務資料を作成したことから、より詳細な経営分析が可能となっています。適切な需要予測に基づいた計画的な施設整備、効率的な整備手法の採用などによる企業債の抑制や、老朽化施設に対する予防保全型維持管理による修繕費用の縮減を図り、汚水処理原価の低減に努めます。また、下水道への接続推進などによる使用料の増収に努め、経費回収率の向上を図り、経営の健全化を進めます。