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2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
東日本大震災後、復興需要による法人事業税や県民税等の増加により基準財政収入額は増加傾向にあったが、平成29年度に前年度比3.5%の減少となり、平成30年度に前年度比+1.1%と再び増加に転じた。平成30年度の財政力指数は0.54と前年度から0.01ポイントの低下となったものの、平成26年度との比較では0.07ポイント上回る高い水準となっている。復興・創生を着実に進めるため、引き続き地方税等の自主財源の確保や事務事業の効率的執行に取り組んでいく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
歳入(経常一般財源)は、地方税や地方譲与税等が増加したため、全体で前年度より増加した。また、歳出(経常経費充当一般財源)については、人件費や公債費等が減少したため、全体で前年度より減少した。歳入が増加し、歳出が減少したことにより、経常収支比率は前年度より0.5ポイントの低下となった。復興の進展に合わせ、内部管理経費の節減や効率的な事務執行に努めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
東日本大震災後は復興関連事業に係る人件費や災害救助費等物件費の増加により、震災前(137千円程度)を27~28千円程度上回る状態が継続している。平成30年度は、教職員定数の減による人件費の減、応急仮設住宅供給戸数の減等による維持管理費の減により決算額全体は減少しているものの、県内人口減少の影響により1人当たり決算額はやや増加した。類似団体平均を大きく上回っている状況であり、引き続き事務事業の効率的執行に努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成26については、平成27給与制度総合見直しの際に人事委員会勧告に基づき国を下回る引下率で給与改定を行ったことや、平成18給与構造改革に伴う現給保障が平成28年3月31日まで継続していること等から、ラスパイレス指数が上昇した。平成27については、平成27給与制度総合見直しの経過措置適用者が国よりも少ない中で、平成27人事委員会勧告に基づき国と同程度の引上げ改定を実施したこと等から、ラスパイレス指数が上昇した。平成28については、平成28人事委員会勧告に基づき、国を下回る引上率で給与改定を行ったこと等により、ラスパイレス指数が低下した。平成29については、平成29人事委員会勧告に基づき、国を下回る引上率で給与改定を行ったこと、平成30.4.1において国と同様の昇給回復措置(1号俸上乗せ)を行っていないこと等により、ラスパイレス指数が低下した。平成30については、平成30人事委員会勧告に基づき、国を下回る引上率で給与改定を行ったこと等により、ラスパイレス指数が低下した。今後も人事委員会勧告に基づき県内の民間給与水準との均衡等を考慮し、適切な給与水準となるよう努めていく。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
県政を取り巻く環境の変化等を踏まえ、より一層簡素で効率的な行財政運営を進めるため、平成23年度から平成27年度までの5年間で-350人(-6.3%)の削減目標を定め、更なる定員削減に取り組むこととしていたが、平成23年3月の東日本大震災及び原子力災害の発生により、増大する復旧・復興業務に対応する必要があることから、職員定数条例を暫定的に300人増員(平成24.10.19改正、平成29.10.10特例期限延長(令和3.3.31まで))し、正規職員に加え、任期付職員の採用や地方自治法に基づく都道府県等からの応援職員の受入れにより必要な人員を確保し、執行体制の強化を図っている。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
地方債の元利償還金の減少傾向が続いていること等により、実質公債費比率は低下し、類似団体の平均を引き続き下回っている。今後も国の財政支援措置等を最大限活用し、復興・創生事業を最優先に取組みながら、効率的な事務執行等により、臨時財政対策債等の特例債を除く県債残高の圧縮に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
臨時財政対策債発行に伴い地方債の現在高は増加傾向にあるものの、公共施設等維持補修基金等の積立に伴い充当可能財源等が増加するとともに、退職手当支給水準の引き下げや職員数の減少に伴い退職手当負担見込額が減少傾向であることなどにより、将来負担比率は過去5年間において最も低い値となった。これまで県債発行の抑制と既発行債の借換による公債費の平準化を進めてきているが、今後も引き続き、健全化判断比率の状況に十分注意を払いながら、県債の活用による財源確保を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は、東日本大震災及び原子力災害の発生により、増大する復旧・復興業務に大幅な定員増など行い対応していることから、類似団体平均を上回る状況が続いている。今後とも、復旧・復興事業の実施のための人員確保が必要となるが、引き続き健全な財政運営に留意しつつ対応していく。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常収支比率は、内部管理経費等の節減により、ほぼ同水準で推移しているものの、東日本大震災アーカイブ拠点施設整備事業費等の増により0.2ポイントの上昇となった。引き続き、健全な財政運営に留意しつつ、内部管理経費の節減や事務事業の効率的執行に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均とほぼ同水準で推移している。平成30年度は精神保健医療費や児童措置費等の社会保障関係費が増加しており、今後もこの傾向が続くことが見込まれることから、引き続き健全な財政運営に留意しつつ対応していく。
その他
その他の分析欄
その他(維持補修費、貸付金、繰出金等)に係る経常収支比率は、国民健康保険特別会計の新設による繰出金の増加により、前年度比2.0ポイントの上昇となっている。今後とも、県有財産の適切な維持補修に努めるなど、引き続き健全な財政運営に留意しつつ対応していく。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率は前年度比で2.0ポイント低下しており、類似団体平均と同様な変化を示している。これは主に国民健康保険特別会計の新設により所要経費が繰出金に振り替わったことによるが、一方で子育て支援費や児童措置費等の社会保障関係費は増加していることから、今後も引き続き、健全な財政運営に留意しつつ対応していく。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率は、県債発行の抑制と既発行債の借換による公債費の平準化を進めてきたことから、平成21年度以降低下傾向にあり、平成30年度についても21.5%と前年度比0.4ポイントの低下となっている。今後とも、健全化判断比率の状況に十分注意を払いながら、県債の活用による財源確保を図っていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に係る経常収支比率は、除雪事業の減少等により前年度比0.1ポイントの低下となったものの、昨年度に続き類似団体平均を上回った。今後とも内部管理経費の節減や事務事業の効率的執行、県有財産の効率的かつ効果的な維持補修に努めるなど、引き続き健全な財政運営に留意しつつ対応していく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
・民生費は住民一人当たり122,496円となっており、除染事業の実施や仮設・借り上げ住宅経費等により類似団体平均を大きく上回っているが、平成30年度は除染事業の進捗等に伴い減少した。・衛生費は住民一人当たり26,054円となっており、避難地域等の医療提供体制構築や原子力災害に係る県民の健康調査事業等により類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は原子力災害等復興基金(医療復興計画)積立の減少等に伴い減少した。・商工費は住民一人当たり53,838円となっており、中小企業等復興支援や新産業創造、福島イノベーション・コースト構想推進に係る事業等により類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は産業復興企業立地支援事業の減少等に伴い減少した。・農林水産業費は住民一人当たり64,558円となっており、東日本大震災からの農業復興支援等により類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は原子力災害等復興基金(営農再開勘定)積立等に伴い増加した。・土木費は住民一人当たり99,029円となっており、復興公営住宅や復興関連道路の整備事業等により類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は復興公営住宅整備の進捗等に伴い減少した。・教育費は住民一人当たり119,172円となっており、避難地域等の復興を担う人材育成のための学校整備事業等により類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は東日本大震災アーカイブ拠点施設整備事業費の増等に伴い増加した。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり663,703円となっている。類似団体平均との比較では、多くの項目で高い水準となっているが、これは、東日本大震災及び原子力災害からの復旧・復興業務に対応するためである。・主要な項目のうち、人件費は、住民一人当たり133,604円となっており、震災以降職員を大幅に増員して復旧・復興業務に対応しているため、類似団体平均と比較して高い水準で推移している。・補助費等や災害復旧事業費は、主に除染事業に係る市町村交付金や震災に係る災害復旧工事の実施等により、類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は除染事業や災害復旧事業の進捗等に伴い減少した。・積立金は、様々な復旧・復興事業を実施するため国から一括交付された交付金等を東日本大震災復興対策関係基金に積み立てていることから、類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は除染事業の進捗に伴い除染対策基金積立金が大幅に減少した。・普通建設事業費は、復興公営住宅や復興関連道路の整備事業等の実施により、類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが、平成30年度は復興公営住宅整備の進捗等に伴い減少した。・繰出金は、平成30年度に国民健康保険特別会計が新設されたことに伴い、必要経費を繰出金として計上する必要が生じたことから、大幅に増加した。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄平成30年度は、実質収支比率が横ばい、財政調整基金残高比率が低下したものの、この5年間の傾向としては、東日本大震災後の特殊な状況から、実質収支比率、財政調整基金残高比率ともに震災以前と比べて高水準にある。実質収支額が震災以前より増加している主な要因は、前年度から繰り越した復興事業に不用残が生じたこと等によるものである。(当該不用残は翌年度に基金へ積み戻し、今後の事業に充当するものであり、「純粋な黒字」ではない。)また、財政調整基金残高については、上記のように実質収支額の増加に伴う地方財政法の規定による積立額の増等により震災以前より増加しているものの、震災復興特別交付税の過年度分の精算が進んでいることなどにより、近年は減少傾向にある。復興に向けて今後も多額の財政需要が見込まれる中、引き続き事務事業の効率的執行等により健全で持続可能な財政運営に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄平成30年度は、国民健康保険特別会計の新設により、黒字比率が上昇したが、それ以外の会計における黒字比率について大きな動きはない。過去5年間でいずれの会計でも赤字は生じていないものの、引き続き健全な経営に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄県債発行の抑制と既発行債の借換による公債費の平準化を進めたことにより、元利償還金の減少傾向が続いており、実質公債費比率の分子は減少傾向にある。今後も引き続き、健全化判断比率の状況に十分注意を払いながら、県債の活用による財源確保を図っていく。
分析欄:減債基金本県では積立ルールどおり、発行額の30分の1を毎年度計画的に積立しており、積立不足は生じていない。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄臨時財政対策債発行に伴い地方債の現在高が増加傾向にあるものの、公共施設等維持補修基金等の積立に伴い充当可能財源等が増加するとともに、退職手当支給水準の引き下げや職員数の減少に伴い退職手当負担見込額が減少傾向であることなどにより、将来負担比率の分子は過去5年間において最も低い値となった。これまで県債発行の抑制と既発行債の借換による公債費の平準化を進めてきているが、今後も引き続き、健全化判断比率の状況に十分注意を払いながら、県債の活用による財源確保を図っていく。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・主要基金については、後年度の財源不足や県債償還に対応するための積立に比べ取崩が多かったことから、残高が減となった。また、その他特定目的基金については、復興関連基金において東日本大震災及び原子力災害からの復興状況を踏まえ、除染や復興事業に要する経費への充当並びに国庫補助金等の積立を行った一方、通常分の基金については公共施設の長寿命化のための積立等を行ったところであり、主要基金・その他特定目的基金を合わせた基金全体として約387億円の減となった。(今後の方針)・主要基金については、今後の財源不足や県債償還に備え、適切な規模の残高を確保するよう努める。・その他特定目的基金については、復興関連基金において除染により生じた除去土壌の搬出や復興事業の進展等に応じた事業費への適切な充当・積立を行うとともに、通常分基金についても、施設の長寿命化など必要に応じた事業費への充当・積立を行う。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・後年度の財源不足に対応するための積立に比べ取崩が多かったことから残高が減となった。(今後の方針)・多額の財政需要が見込まれる中、今後の財源不足に対応し、健全で持続可能な財政運営を行うための適切な規模の残高を確保するよう努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)・後年度の財源不足や県債償還に対応するための積立に比べ取崩が多かったため残高が減となった。(今後の方針)・防災力の強化など今後も県債の活用が見込まれる中、将来の急激な負担増につながらないよう、今後の償還に備えた適切な規模の残高を確保するよう努める。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・除染対策基金:原子力災害に係る除染対策・原子力災害等復興基金:原子力災害からの地域経済の再生と被災者の生活支援・中間貯蔵施設等影響対策及び災害復興基金:中間貯蔵施設等の整備等に伴う影響の緩和及び被災地域をはじめとした県全体の復興(増減理由)・除染対策基金:除染対策に関する事業の進展により積立額が前年比約776億円の減となったことによる減(約-130億円)・原子力災害等復興基金:復興関連事業に約342億円を充当したことによる減(約-146億円)・公共施設等維持補修基金:公共施設の長寿命化のための積立による増(約+181億円)(今後の方針)・除染対策基金や原子力災害等復興基金等の復興関連基金については、除染により生じた除去土壌の搬出や復興事業の進展等に応じ、事業費への適切な充当や積立を行う。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、グループ内平均を下回っているが、要因の一つとしては、東日本大震災で被災した建物の復旧・建替や復興関連施設の整備をしていることが考えられる。県有施設は昭和40年代に多く整備され、近年は施設老朽化が進行しているため、平成29年3月に「公共施設等総合管理計画」を策定し、今後は公共施設等の長寿命化、統廃合、更新などを含む「個別施設計画」に基づいて、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
公共施設の維持補修など将来負担に備えた基金等への積立てに伴い充当可能財源が増加するとともに、退職手当支給率の引き下げや職員数の減少による退職手当負担見込額の減少傾向などにより、債務償還比率はグループ内平均に比べ低い状況にある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
減債基金等への積立てにより充当可能財源等が増加したことなどの影響により、将来負担比率はグループ内平均よりも低いものとなっている。有形固定資産減価償却率については、グループ内平均よりも低い傾向にあるが、ロボットテストフィールドや道路の整備などにより資産の増加があるものの、有形固定資産の約8割を占めるインフラ資産(道路や橋りょう・トンネル、漁港・港湾など)において、減価償却がこれを上回ったため、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にある。今後、「公共施設等総合管理計画」に基づく「個別施設計画」を策定し、公共施設等の長寿命化に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
地方債の元利償還金の減少傾向が続いていることなどから、グラフの横軸である実質公債費比率はグループ内平均よりも低いものとなっている。また、縦軸である将来負担比率も、公共施設の維持補修など将来負担に備えた基金等への積立てに伴い充当可能財源が増加したことなどから減少している。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
・道路や橋りょう・トンネルについては、平成20年9月に「道路長寿命化計画」、「橋梁長寿命化修繕計画」などの施設別の長寿命化計画を策定し、維持管理・更新等の適正化や公共施設等の長寿命化に取り組んできている。・公営住宅については、平成20年9月に「県営住宅等長寿命化計画」を策定して県営住宅の長寿命化に取り組むとともに、東日本大震災に伴う原子力災害の被災者を入居対象とした復興公営住宅の整備を順次進めたため、グループ内平均の有形固定資産減価償却率と比べて特に低い傾向にある。・有形固定資産減価償却率がグループ内平均と比べて特に高い傾向にある空港施設については、平成5年3月の開港から26年が経過し、老朽化が著しい状況にあることから、「福島空港維持管理更新計画」に基づき定期的な点検を実施し、点検結果を踏まえた適切な維持補修等を実施している。・図書館及び博物館についても開館から30年以上が経過し、老朽化が著しい状況にあることから、「公共施設等総合管理計画」に基づく「個別施設計画」を策定し、公共施設等の長寿命化に取り組んでいく。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
・有形固定資産減価償却率がグループ内平均と比べて特に高い傾向にある県民会館については、開館から40年以上が経過し、老朽化が著しい状況にあることから、「公共施設等総合管理計画」に基づく「個別施設計画」を策定し、公共施設等の長寿命化に取り組んでいく。・庁舎については、有形固定資産減価償却率がグループ内平均と比べて高い傾向にあるが、平成28年7月に策定した「福島県耐震改修促進計画」に基づき、令和2年度末まで県庁舎等の耐震改修工事を進めている。また、平成28年度に「県庁北庁舎」を新たに整備したため当該償却率が低下してきている。・試験研究機関については、平成28年3月に環境回復のための研究拠点として「福島県環境創造センター」を新たに開設したため、グループ内平均と比べて有形固定資産減価償却率が低い傾向が続いている。・警察施設については、グループ内平均と比べて有形固定資産減価償却率が高い傾向にあったが、平成29年度に「警察本部庁舎」を新たに整備したため当該償却率が低下し、グループ内平均よりも低くなっている。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
○一般会計等においては、資産総額が前年度から745億円減少(△1.5%)している。有形固定資産のインフラ資産では、県道や海岸防災林などを整備した一方、減価償却がこれを上回ったことから348億円減少したため、有形固定資産全体では326億円の減少となった。基金(固定資産)は、除染事業などのために復興関連基金を取り崩したことにより、420億円減少している。流動資産は、現金預金や未収金が減少したことにより、48億円減少している。また、負債総額が前年度から151億円減少(△0.8%)しているが、退職手当引当金等が147億円減少したことが主な要因である。○全体・連結においては、一般会計等と同様に前年度から資産、負債ともに減少している。
2.行政コストの状況
○一般会計等においては、経常費用が9,566億円であり、うち人件費等の業務費用は4,821億円(50.3%)、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,745億円(49.6%)となっている。移転費用のうち、最も金額が大きいものは補助金等の4,236億円であり、市町村が実施する除染や避難者への生活再建支援、産業の復興支援など東日本大震災や原子力発電所事故からの復旧・復興関連事業に活用する補助金等が含まれている。純行政コストは前年度から892億円減少しているが、除染事業の進捗により市町村への交付金が減少したことが主な要因である。○全体・連結においては、平成30年度から国民健康保険特別会計が設置されたことに伴い、純行政コストが増加している。
3.純資産変動の状況
○本県の特色として、広大な県土面積を有し、県道の延長が長いためインフラ資産が多いほか、復興関連事業の基金残高が多いことなど、他団体に比べて資産額が多い状況にある一方、負債額は全国で中位程度であるため、純資産が多い状況にある。○一般会計等では、財源(9,013億円)が純行政コスト(9,559億円)を下回ったことから、本年度差額は△546億円となり純資産残高は594億円減少しているが、復興関連事業の進捗に伴い、財源となる国庫補助金が減少したことが主な要因である。○全体・連結においては、一般会計等と同様に前年度から純資産残高が減少している。
4.資金収支の状況
○一般会計等においては、業務活動収支が△698億円、投資活動収支は+683億円である。除染事業の市町村交付金や民間企業への復興関連補助金などを「業務支出」に計上しているが、その財源は復興関連基金を活用しているため、投資活動収入の基金取崩収入に計上することから、業務活動収支がマイナス、投資活動収支がプラスとなり、復興関連事業を進める本県の状況が表れている。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額がほぼ同額であったため、プラスマイナス0となっている○全体においては、一般会計等と同様に業務活動収支はマイナス、投資活動収支はプラスとなっており、財務活動収支はプラスとなっている。○連結においては、収支内訳の作成を省略している。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
○住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく上回っている。これは本県が広大な県土面積を有しているためインフラ資産が多いことや復興関連事業の基金残高が多いことなどが主な要因である。〇歳入額対資産比率は、前年度から上昇しているが、除染事業の進捗により国庫補助金が減少したことで歳入総額が減少したことが主な要因である。○有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っているが、これは復興公営住宅や各種復興拠点、海岸防災林等の整備を行ったことが主な要因である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画を策定し、既存施設の効果的な長寿命化対策に取り組んでいく。※本県が公表している有形固定資産減価償却率は、「物品」を含めて計上しているため、左記の数値と異なる。<本県公表数値>平成28年度:54.0%平成29年度:55.1%平成30年度:56.7%
2.資産と負債の比率
○純資産比率は、類似団体平均を大きく上回っている。本県は、東日本大震災以降の施設整備や基金造成等の影響により、純資産比率が高い傾向にある。なお、前年度と比較して横ばいで推移している。○将来世代負担比率は、類似団体平均を大きく下回っている。これは特例地方債を除く県債残高が全国で中位程度にある一方、インフラ資産や基金残高が多いことなど、他団体に比べて資産額が多い状況にあるため、将来世代負担比率が低い傾向にある。なお、前年度と比較して横ばいで推移している。
3.行政コストの状況
○住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を大きく上回っている。本県は、市町村への除染交付金や避難指示区域等からの避難者への生活再建支援、産業の復興支援など東日本大震災や原子力発電所事故からの復旧・復興関連事業を実施することでより多くの行政サービスを提供してきたためである。なお、除染事業や災害復旧事業の着実な進捗により、復旧・復興関連事業に要する費用が減少したため、住民一人当たり行政コストは前年度から減少(△4.1万円)している。
4.負債の状況
○住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。なお、退職手当の支給水準の引き下げに伴い、退職手当引当金等については、前年度から147億円減少している。○基礎的財政収支は、△249億円のマイナスとなっている。本県は、除染事業など多くの復興関連事業の財源として基金を活使用しているが、基礎的財政収支の算定上、「基金取崩収入」が除かれていることが大きく影響している。
5.受益者負担の状況
○受益者負担比率は、前年度から低下しているが、除染事業の進捗により経常費用が大きく減少するなど、復興関連事業の影響による変動が大きいため、経年の変化を注視していく。
類似団体【B】
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