経営の健全性・効率性について
【①収益的収支比率】総収益の内訳としては約55,400千円の料金収入と約115,000千円の一般会計からの繰入金が柱となっており、一般会計繰入金に大きく依存している収益構造となっている。なお、比率が例年55～75%で推移しているが、これは起債の償還金の返済が大きいためであり、100%に満たない分を資本費平準化債で賄っている状況である。【④企業債残高対事業規模比率】当該値は平均値と比較して、起債償還のピークが過ぎたことにより低くなっている。状況を把握・予測することにより、現世代と将来世代の負担割合の適切性を検証し、将来世代への負担が高まっている可能性がある場合は、今後の起債割合や使用料の見直しを要する可能性がある。【⑤経費回収率】平均値近くで推移しているが、100%を割り込んでいる。使用料以外の収入で経費が賄われているため、引き続き経営改善を図っていく必要がある。【⑥汚水処理原価】当該値は平均値と比較して低い状態で推移している。引き続き汚水処理原価を抑えていくことが必要である。【⑦施設利用率】適切な施設規模で利用されているが、今年度の当該値は平均値に比べ低い。今後、施設の耐用年数等を踏まえ、適切な施設の維持管理が必要である。【⑧水洗化率】区域内の住民の水洗化に対する意識が高く、施設の設置当初からの加入者が多かったことと、区域内に新築される住居が増えていることにより、当該値は平均値に比べ高なっている。
老朽化の状況について
【③管渠改善率】施工から30年以上経過している管路の経年劣化の状況や更新等に備え、必要なの財源確保に努めるとともに、経営に与える影響を踏まえた分析を行い、平成27年度に策定した生活排水処理施設整備構想を基に必要に応じて投資計画等の検討が必要である。
全体総括
経常利益が赤字で収益的収支比率も100%を割り込んでおり、経営規模に比べて起債の規模が大きいことによる利払い負担が損益計算書上の収益圧迫要因となっているため、今後も必要経費の見直しが必要である。施設利用率、施設効率が高いが経費回収率が低いため、現状では適切な水準の料金収入に結びついていない。現状では施設の老朽化が進んだ場合、その更新のための投資を使用料だけでは賄うことができない。そのため、運営体制のあり方や使用料等を見直を要する可能性がある。
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2021年度