収益等の状況について
類似の休養宿泊施設と比較し、定員稼働率は高いものの、収益的収支比率やEBITDAが平均値と同程度であることから、素泊り客の増加により客単価が減少したほか、経営方針の見直しによる人件費の増加、及び燃料費等の高騰による経費の増加が要因と考えられる。また、建設時の借入金が残っていることから、特別会計のみでは収支のバランスが取れず、一般会計から繰入金が発生している状況である。
資産等の状況について
ストックマネジメントに基づき、計画的に設備等の更新を行っていく必要がある。当該施設は利用料金制を採用しており、定額納付金があるが、27・28年度は免除し、29年度は納付があったことから、企業債残高対料金収入比率が高くなり、平均値と比べても高くなっている。建設時の借入金は年々減少していく見込みである。
利用の状況について
平成27年の桜島噴火警戒レベルの引き上げ等活発化した火山活動の影響で宿泊者数が落ち込んでいた時期があったが、桜島の噴火活動が落ち着いてきていることから桜島への観光客数が回復傾向にあり、明治維新150周年を迎え、鹿児島市全体の観光客も増えたことから宿泊者数も回復傾向にあるところである。また、所在市町村では宿泊需要が低下しているにも関わらず、当該施設では宿泊需要が高まっていると見られ、今後も引き続き利用料金制を採用していく。
全体総括
宿泊者数が回復傾向にあり、定員稼働率は上昇しているが、素泊り客の増加により客単価が減少していることから、客単価の向上に向けた取り組みを進める必要があると考える。また、指定管理者の利用促進策とも合わせて、経費縮減に努め効率的な運営を行うとともに、桜島のPRに取り組み、更なる宿泊者数の増加を図ってまいりたい。