経営の健全性・効率性について
①当初からの処理場建設費・管路整備費用にかかった地方債償還金の支払いが年々増えてきている。しかし、今年度までは熊本地震の復旧工事を主に施工した為、国庫補助率が高く、地方債及び自主財源の割合が低くなっている。また、地震により一時的に減少した使用料収入が、新築の建設や浄化槽の破損等の理由で公共下水道に新たに接続される方が増えた事等により、使用料収入が増えた事が主な要因と考えられる。今後は、更なる費用の削減及び接続率の向上を図る。④類似団体平均値より低い数値を示しているものの、熊本地震により被災した施設の修繕費用、また、供用開始から14年以上が経ち、設備等の更新も必要になってくることから、普及促進を進め収益向上を図る。⑤使用料で回収すべき経費を全て賄えている状況である。今後は、更なる費用の削減及び接続率の向上を図る。⑥類似団体と比較して低い数値を維持している。今後も施設の稼動状況に十分注意し、消費電力量を抑える等の効率的な汚水処理を行なっていく。⑦類似団体より高い利用率になっている。熊本地震による災害復旧工事を進めている事、及び新築や改築による下水道接続世帯が増加したことが主な要因であると考えられる。年々数値が上昇しており、将来的に稼働率が上がることにより一定の改善が見込まれる。⑧供用開始後14年以上経過し、類似団体より高い利用率を維持している。また、右肩上がりで上昇しており、水質保全の面では年々向上しているといえる。
老朽化の状況について
供用開始後14年で管渠等の更新は行なっていない。しかし、今年度まで主に熊本地震により被災した管渠の復旧工事を行った為、管渠改善率が飛躍的に伸びた。今後はストックマネジメント計画により、将来的な更新を視野に入れた管理を行なっていく予定である。
全体総括
事業開始時から大規模集客施設、区画整理事業地区の施設整備により安定的な経営が行なえているが、面整備の途中で熊本地震を被災した影響により施設の修繕費用などにより費やした費用の返済等の課題が残る。今後は嘉島町公共下水道事業経営戦略やストックマネジメント計画の策定等により、将来的な更新を視野に入れた管理を行なっていく必要がある。