経営の健全性・効率性について
①当初からの処理場建設費・管路整備費用にかかった地方債償還金の支払いが年々増えてきているが、熊本地震により一時的に減少した使用料収入が、住宅新築や浄化槽から下水道への切り替え等により増えており単年度収支が黒字となっている。今後も更なる費用の削減と接続率の向上により健全経営を図る。④類似団体平均値より低い数値を示しているものの、供用開始から15年以上が経過し、設備等の更新が必要となることから、普及促進を進め収益向上を図る。⑤使用料で回収すべき経費をすべて賄えている状況であり、今後も更なる費用の削減及び接続率の向上を図る。⑥類似団体と比較して低い数値を維持している。今後も施設の稼働状況に十分注意し、消費電力量を抑える等の効率的な汚水処理を行っていく。⑦住宅の新築や改築により下水道接続世帯が増加しており、類似団体より高い利用率となっている。利用率は上昇傾向にあり、将来的に稼働率が上がることにより一定の改善が見込まれる。⑧類似団体より高い水洗化率を維持しており、右肩上がりで上昇していることから、水質保全の面では年々向上している。
老朽化の状況について
供用開始後15年で管渠等の更新は行っていないが、熊本地震により被災した管渠の復旧工事を行ったため、類似団体より管渠改善率が高い数値を示している。今後はストックマネジメント計画により、将来的な更新を視野に入れた管理を行っていく。
全体総括
事業開始当初から大規模集客施設や土地区画整理事業区域の施設整備により安定的な経営が行なえているが、面整備の途中に熊本地震で被災した影響により施設の修繕などに費やした費用の返済等の課題が残る。今後は、嘉島町公共下水道事業経営戦略やストックマネジメント計画により、将来的な更新を視野に入れた管理を行っていく必要がある。