経営の健全性・効率性について
平成29年度は、安定した使用料収入や一般会計からの繰入金により、収益的収支比率は昨年度と変わらない指標となっている。企業債残高対事業規模比率については「地域再生計画」に基づく面整備が終了し、起債による借入が減少したことから、類似団体と比較すると、指標は低くなっているものの、一般会計からの繰出金に依存している状態にある。施設利用率は、昨年度に比べ、晴天時一日平均処理水量が減少したことにより、低い結果となっている。また、安定した使用料収入が確保され、処理場等における大規模な施設修繕がなかったことにより、類似団体と比較すると、経費回収率は高く、汚水処理原価は低くなっている。今後、企業会計への移行や償還がピークを迎えるため、平成29年3月に策定した下水道事業経営戦略に基づき、経常的な処理場費に係る支出を抑えるとともに、安定した使用料収入を確保するため、引き続き水洗化率の向上の取り組みを行うなどの経営改善に向けた取り組みが必要である。
老朽化の状況について
当町の公共下水道事業については、平成19年3月31日の供用開始から10年経過したが、現在のところ、管渠の更新等は実施していない。しかしながら、今後においては、平成27年の改正下水道法に基づく下水道事業計画の見直しにより、マンホールポンプ設置箇所の点検・調査を行うとともに、ストックマネジメントの実施方針及び実施計画を立て、処理場等の施設更新を計画的かつ効率的に実施していく必要がある。
全体総括
当町の下水道事業については、平成26年度までに、「地域再生計画」で計画していたすべての面整備が完了した。供用開始から10年程度しか経過しておらず、日が浅いため、当分の間は現在の使用料で処理場等の維持管理を賄えると考えるが、今後企業会計への移行や起債償還がピークを迎えるとともに、マンホールポンプ施設等の更新も考えられるため、接続率が少しでも伸びるよう経営努力し、安定した使用料収入の確保を図ることが必要である。