桑名市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

平成25年度に下水道使用料改定を実施したことにより、経常収支比率が平成25年度から右肩上がりとなり、平成26年度に100％以上となった。また、経費回収率においても、平成26年度に100％以上となったことから、使用料で回収すべき経費を全て使用料で賄えている状況であり、経営状況が改善に向かっている。しかし、平成26年度に公営企業会計制度が改正され、借入資本金であった企業債が負債に区分が変更されたことにより、流動比率が大幅に減少した。当該指標については、類似団体平均値や全国平均値と比較しても低い数値となっており、１年以内に現金化できる資産で、１年以内に支払わなければならない負債を賄えておらず、資金が不足するのを防ぐために一時借入金や企業債に依存している状態である。そのため、適正な使用料を定め、その上でさらなる経営改善に努めていく。※施設利用率については、晴天時一日平均処理水量÷晴天時現在処理能力で求められるが、晴天時一日平均処理水量については、当該事業で発生した汚水の処理水量が計上されており、晴天時現在処理能力については、当該事業が保有する処理場の能力のみ計上している。本市は処理場を保有しているほか、流域下水道へ接続もしているため、上記数値で施設利用率を求めると100％を超えてしまう。

老朽化の状況について

管渠老朽化率については、類似団体平均値や全国平均値より低い数値であり、他団体と比較すると老朽化は進んでおらず、また、本市下水道事業の普及率は74.69%であるため、今後についても未普及対策を行っていく。そのため、管渠改善率についても、類似団体平均値や全国平均値より低い数値である。しかし、管渠以外のポンプ場や処理場といった施設の老朽化が進んでいるため、今後施設の更新や長寿命化対策をする必要がある。

全体総括

使用料改定を実施したことや普及啓発活動により水洗化率が向上したことで、経営状況が改善に向かっている。しかし、事業規模に対する企業債残高が多く当年度の元利償還金が増加しており、また、施設も老朽化が進んでいるため、適正な使用料を定め、収入を確保し、投資の効率化や接続率の向上による有収水量を増加させる取り組み等を行い、経営改善に努めていく。本市では、現在経営戦略の策定を進めているところであり、その投資計画に基づく施設更新等の合理的な設備投資を実施するとともに、将来の財源を適切に把握した財政計画との均衡を図り、事業の効率化・経営健全化に向けた取り組みを進めていく。