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令和元年度は、法人事業税の増による基準財政収入額の増加などから、前年度より0.01ポイント増となり、全国平均を上回る0.56となっている。政策の自由度を確保するためには自主財源を一層増やしていくことが不可欠であり、個人住民税の直接徴収や外部資金の積極的な導入など、自主財源の確保対策に積極的に取り組む。
人件費(退職手当)の減や平成21年度がピークであった公債費の減などの経常収支比率を改善させる要因もあった一方で、普通交付税の代替財源である臨時財政対策債の減少が大きく作用し、前年度より0.6ポイント悪化し93.6%となった。全国平均と同水準の状況ではあるが、社会保障関係経費の増加等が予想され財政の硬直化が続くものと予想されることから、引き続き歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組み、節度とメリハリの利いた財政運営に努める。
人件費は、令和元年度給与勧告による月例給・特別給等の引き上げにより決算額で4億円の増額となり、物件費は、豚熱関連事業の増等により31億円の増額となった。これによって全国平均を上回っている。今後も引き続き行政コストの削減に努める。
臨時的給与抑制実施期間(平成21年度~25年度)後も適正な定員管理、昇給等の実施により、全国平均及びグループ内平均を下回って推移しており、今後も引き続き適正な給与水準の維持に努めていく。
行財政改革指針(平成20年度~平成24年度)及び行財政改革アクションプラン(平成22年度~平成24年度)に基づいて新規採用を抑制し約1割(2,757人)の定員削減を進めてきたことにより、当県は相当に効率的な行政組織となっており、今後も基本的には現在の職員規模により適正な定員の管理を図っていく。
全国平均は前年度より0.4ポイントの減(10.9%→10.5%)であり、本県においても1.6ポイントの減(8.2%→6.6%)となった。平21年度をピークに、一般会計の公債費が減少していることが主な要因である。景気による税収の増減など不確定要素も多いことから、今後も持続可能な財政運営を実現するため、引き続き公債費減少に向けた取組を進めていく。
全国平均0.7ポイントの減(173.6→172.9%)に対し、本県は標準財政規模が前年度とほぼ同じであるのに対して一般単独事業債をはじめとする地方債残高が増加したこと等の要因により5.8ポイント増(206.1%→211.9%)となった。持続可能な財政運営を実現するため、早期の県債残高減少を目指す。
行財政改革アクションプラン等に基づき平成24年度までに2,757人の定員削減を進め、臨時的給与抑制と合わせ、毎年度100億円程度の人件費の削減を実施した。その後も適正な定員管理、昇給等を実施しているが、近年は人事委員会勧告による給与費の増加等により人件費は微増傾向にあり、全国平均及びグループ内平均を上回っている。そのため、今後もより適正な職員規模及び給与水準の維持に努めていく。
野生イノシシ捕獲等対策強化事業費の増(0億円→8.7億円)などにより、決算額は31億円増額、物件費に係る経常収支比率は前年度から0.3%増の4.1%となり、全国平均を0.3ポイント上回った。今後もこれまでの行財政改革の取組みの成果を踏まえ、引き続き経費の削減に努めていく。
前年度より0.1ポイント上昇したが、全国平均並びにグループ内平均を下回っている。これは本県において過去から生活保護の扶助対象者が人口に対して少ないこと(令和1末:[全国]2,066,660人/127,138,033人(1.63%)⇔[岐阜県]11,657人/2,032,490人(0.57%))等によるものではあるが、社会情勢の変化の中、上記対象者数の動向を注視していく必要がある。
前年度より0.5ポイント低下し、全国平均並びにグループ内平均を上回っている。「その他」の主な内訳は維持補修費であるが、道路維持修繕費の減(48億円→34億円)等により決算額は18億円の減となった。今後も引き続き経費の縮減に努めていく。
地方消費税都道府県清算金収入の減少に伴う地方消費税市町村交付金の減(385億円→367億円)に対し、社会保障関係経費の増(1,158億円→1,209億円)等により、補助費等に係る経常収支比率は前年度より1.0ポイント上昇しており、グループ内平均を3.8ポイント下回っている。今後は高齢化の進展などにより上昇傾向が続くことが見込まれるため、引き続き経費の縮減に努めていく。
前年度より0.4ポイント低下し、全国平均並びにグループ内平均を下回った。当県においては、過去に積極的に公共投資を進めてきた結果、県債残高が増加したが、近年は縮減に転じたことにより、平成21年度をピークとして緩やかに低下している。今後も引き続き県債発行の抑制など公債費減少へ向けた取組を進めていく。
前年度より1.0ポイント上昇しており、グループ内平均は下回っているが、全国平均を上回った。「公債費以外」の主なものは人件費(0.1ポイント増)、補助費等(1.0ポイント増)。人件費と補助費は前述のとおりであるが、今後も引き続き経費の縮減に努めていく。
(増減理由)財政調整基金を15億円、県庁舎再整備のため県有施設整備基金を3億円それぞれ取り崩したこと等により、基金全体では25億円減少した。(今後の方針)安定的な財政運営及び特定事業の財源確保のため必要となる基金を確保していく。
(増減理由)令和元年度の歳入・歳出決算見込みを踏まえ15億円減少した。(今後の方針)安定的な財政運営のため一定規模の基金残高を確保していく。
(増減理由)運用利子を積み立てたことにより0.3億円増加した。(今後の方針)今後も県債の償還に必要となる財源を適正に確保していく。
(基金の使途)県有施設の整備資金に充てるための県有施設整備基金、地域における医療及び介護の事業に要する資金に充てるための地域医療介護総合確保基金、徳山ダム上流域の山林の取得に要する資金に充てるための徳山ダム上流域公有地化基金、後期高齢者医療の財政の安定化のための後期高齢者医療財政安定化基金、林業従事者の技術向上や労働力確保に充てるための森林整備担い手対策基金(増減理由)県庁舎再整備のため県有施設整備基金が3億円、徳山ダム上流域公有地化基金が2億円減少したこと等により、その他特定目的基金全体では11億円減額している。(今後の方針)特定事業の財源確保のため必要となる基金を確保していく。特定事業の財源確保のため必要となる基金を確保していく。
有形固定資産の老朽化の進行に伴い、昨年度と比較して1.7ポイントの増となった。「岐阜県公共施設等総合管理方針」(平成31.3改定)や「岐阜県県有施設長寿命化計画(個別施設計画)」(令和2.3改定)に基づき、引き続き施設の長寿命化に向けた維持保全や統合・転用などの施設保有の最適化を着実に推進していく。
参考指標としての債務償還比率は、1506.6%(※)となり、類似団体と概ね同水準にある。公共投資の縮減になどによる県債発行額抑制の取組みにより、平成15をピークに臨時財政対策債を除いた県債残高が減少してきたこと等により、比率は改善してきているが、防災・減災・国土強靱化の取組みに対応した公共事業の増や、新庁舎建設事業の増により、平成30以降、臨時財政対策債を除いた県債発行額が増加に転じており、比率の改善幅が鈍化している。※岐阜県HPでは、従来の総務省算定式により債務償還可能年数を算定(令和元:46.7年)としている。
地方債残高の増加等に伴い、将来負担比率は昨年度と比べ5.8ポイントの増となり、類似団体の水準を上回っている。節度ある県債発行の継続により、県債残高の抑制に努めるとともに、「岐阜県公共施設等総合管理方針」(H31.3改定)や「岐阜県県有施設長寿命化計画(個別施設計画)」(R2.3改定)に基づき、施設の長寿命化、財政負担の平準化・最小化に引き続き取り組んでいく。
平成27年度からの5か年の比較で、実質公債費比率は7ポイント改善した一方、将来負担比率は22.2ポイント悪化した。類似団体と比較しても、実質公債費比率は低い水準にあるが、将来負担比率は高い水準にあり、近年、その傾向が顕著になってきている。これは、過去に積極的に公共投資を進めてきた結果、県債残高が増加したものの、平成11年度以降、公共投資の縮減などによって県債の発行額を抑制してきたことから、平成21年度をピークに公債費が減少し続けていることによるものである。今後も、節度ある県債発行の継続など、県債残高及び公債費の抑制に取り組んでいく。
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