経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:年間有収水量が減少に伴い、使用料収入が前年より減少した。総費用で維持管理経費(汚泥処理費)が前年より増えた為、一般会計繰入金が増加し、収益的収支比率が上がった。しかし、処理区域内人口が61人と規模が小さく、使用料収入以外の一般会計繰入金に依存しているのが現状である為、更なる維持管理費用削減に向けた取組の検討(処理施設の統合など)が必要である。④企業債残高対事業規模比率:債務残高の減少により、前年度より下がっている。⑤経費回収率・⑥汚水処理原価:前年より使用料収入が減少し、汚水処理費が増えた為、回収率が下がり、汚水原価が上がった。今後は、施設の経年劣化による維持管理費の増加が見込まれる為、使用料の見直しなど適正な料金収入の確保と維持管理費削減に向けた経営改善が必要である。⑦施設利用率:処理区域内人口が年々減少傾向および高齢化率が上昇しており、施設利用率も低い状態である。将来的に下流の農集排との統合など検討する必要がある。⑧水洗化率:供用率向上の普及活動により全国平均に近い水準であった。水洗化率100%が望ましいが、処理区域内の高齢化が進んでおり、使用料が見込めないことと、地理的にポンプ設置が必要な地形の為、接続後の維持管理費も検証する必要がある。
老朽化の状況について
林業集落排水処理施設は地理的要因により2施設あり、供用開始から20年以上経過し、施設の老朽化が進んでいる。第一段階として、2施設の統合を検討し、経営改善を進めていく。第二段階として、必要に応じて農集排との統合も検討する。ただし、新たな管渠を整備するのに費用が掛かる為、費用対効果を検証していく必要がある。
全体総括
今後も人口減少による料金収入の減少が見込まれることを考慮しながら、経営改善を進めるとともに、林集排施設の統合を検討していき、将来的には農業集落排水処理施設への統合も検討していく。また、公営企業会計を導入し経営状況を明確にし、適正な料金への見直しを行なうとともに施設整備、維持管理経費の削減を図る必要がある。