経営の健全性・効率性について
個別排水処理事業で整備した地区は下水道区域や農集区域と比べて少人数世帯が多く、使用水量が少ないため、汚水処理原価が高くなり、経費回収率が低い傾向となる。水洗化率は100%と整備・接続は完了しているが、施設利用率は50%程度と低い状況である。これは浄化槽という個別処理によるもので、類似団体と比べても大きく異なるものではないと考える。また、今後浄化槽の新規設置は特定地域生活排水処理事業により実施するため、企業債の新規借り入れはなく、企業債の償還に伴い企業債残高対事業規模は低下すると思われる。ただし、人口減少によって料金収入も減少傾向のため、緩やかな減少になると考える。
老朽化の状況について
個別排水処理事業での浄化槽整備は平成14年度からであるが、浄化槽本体の耐用年数は30年程度であることから、当面浄化槽本体についての更新等は不用であり、ブロワー交換等の維持管理が主になると想定している。
全体総括
浄化槽事業は、市民生活の根幹にかかわる社会インフラであり高額な投資を要するが、料金面では市民生活への影響が大きく、また下水道事業等との公平性の観点からも値上げは困難な状況である。そのため汚水処理原価が高く、経費回収率が低い傾向は今後も続くものと思われる。必ずしも経営面で健全であると言えないが、今後もできる限り効率的な維持管理に努め経費削減を図っていく。