江戸川区
地方公共団体
東京都 >>> 江戸川区
地方公営企業の一覧
収集されたデータの年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
特別区税収入などの自主財源比率が低く、財政調整交付金や国・都支出金の依存財源の割合が高いため、財政力指数は例年0.40前後で推移し、類似団体内平均値を下回っているのが本区の特徴である。令和3年度の単年度ベースでは分子である基準財政収入額が特別区税の減などにより減少し、分母である基準財政需要額が商工振興費や都市計画交付金に係る地方債収入相当額の前倒し算定の影響により増加した。その結果、分母の増・分子の減で令和3年度の単年度ベースでは0.41(前年比-0.01ポイント)となり、令和3年度の3年平均の指数は0.41となった。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分子である維持補修費が道路の維持補修及び橋梁の架替完了により263百万円減少となった一方で、繰出金が介護保険事業特別会計繰出金474百万円の増となり、分子全体として1,011百万円の増(+0.8%)となった。分母は地方消費税交付金が1,391百万円、財政調整交付金が4,818百万円増となり、分母全体として6,700百万円の増(+4.0%)となった。分母の伸びが分子の伸びを上回ったため、令和2年度と比較して比率は2.4ポイント減少した。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費は会計年度任用職員(フルタイム・パートタイム)の雇用などで増、物件費も江戸川清掃工場建替によるごみ収集作業方法の変更に伴い廃棄物収集作業経費で増となっている。その結果、一人あたりの決算額が令和2年度と比べ15,431円増加したが、全国平均及び東京都平均に比べて低い水準となっている。これは、これまで培ってきた健全財政への取組や施策の見直しなどによる不断の行財政改革の成果による影響が大きいと分析している。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
23区の中で最も低い水準にある。これまで組織の効率化を進め、組織の合理的な運営に努めてきた成果である。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
依然として23区の中でも低い水準にある。健全財政を推進するため、現業職員の退職不補充や指定管理への移行をはじめ、庁舎管理等の内部事務や学校給食調理業務の民間委託を進め、職員数抑制に努めてきた成果である。健全財政の取組み前(平成12年度)の職員数5,057人に比べ、令和3年度は3,806人となり1,251人(25%減)の減となった。昨年度と比較して職員数は14人増加したが、主な増員理由はSDGsの推進強化、新型コロナウイルス感染症対策などである。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は、令和元年度に区債を繰上償還したことにより、分子である元利償還金が減少し、分母では標準財政規模が3,774,834千円増加した一方で、分子・分母の両方で控除する算入公債費等の額が減少したことで、単年度の実質公債費比率は減少したものの、3か年平均の実質公債費比率では令和3年度は令和2年度から増減はなかった。類似団体内順位でトップの数値となっているとともに、全国的にもトップレベル(2番目)となっている。区債の発行については将来世代への負担となるため、必要性を十分検討したうえで判断していく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担額は区債残高と退職手当負担見込額等を合わせて28,068百万円であったのに対し、充当可能財源等は充当可能基金額などを合わせて229,320百万円となった。充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、計算結果がマイナス値となり、将来負担比率は算定されなかった。これは積立基金を一定額保有していることと、令和元年度に区債を繰上償還したことにより、区債残高が少なくなっているためである。今後も区債と基金の管理を適切に行い、将来世代に負担を先送りしない効率的な財政運営を行っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
令和3年度は0.7ポイントの減となった。主な要因は、分子が会計年度任用職員(フルタイム・パートタイム)の雇用などにより増加(+0.1%)し、分母は財政調整交付金の増により増加(+4.0%)したことである。分子に比べ分母の増加率が大きいことから減少となった。現業職員の退職不補充や指定管理の導入、各種民間委託を進め、職員数抑制に努めたことが大きな要因である。今後も区民サービスの向上を図るべく、不断の努力を継続する。
物件費
物件費の分析欄
令和3年度は0.7ポイントの減となり改善された。主な要因は、分子が江戸川清掃工場建替によるごみ収集作業方法の変更に伴う廃棄物収集処理経費が増加していることによる増(+0.5%)、分母である経常経費充当経常一般財源の増(+4.0%)で、分子の増加率に比べ分母の増加率が大きかったことから減少となった。今後も事業の外部委託化などによる増要因はあるが、適正な委託のあり方を常に検討する努力を続けていく。
扶助費
扶助費の分析欄
令和3年度は0.7ポイントの減となった。主な要因は分母では経常経費充当経常一般財源の総額(特に財政調整交付金)が増加(+4.0%)したことと、分子である扶助費充当経常一般財源が子ども医療費助成の増加により増(+0.7%)となったことである。その結果、分子の増加率に比べ分母の増加率が大きかったことから減少となった。ただし、類似団体内や国・都の平均を大きく上回っている状況に変わりはない。
その他
その他の分析欄
令和3年度は0.2ポイント減少した。主な要因は分母である経常経費充当経常一般財源の増加(+4.0%)と、分子の維持補修費で道路の維持補修費や橋りょうの架替に係る経費が減(-5.1%)となったことである。今後は施設の老朽化に伴う維持補修費の増や高齢化の進展に伴う介護・後期特別会計への繰出金の増が見込まれるため、将来を見据えた予算管理に努めていく。(「その他」の内訳は、維持補修費、貸付金、繰出金)
補助費等
補助費等の分析欄
令和3年度は0.1ポイントの減と3年連続の減となった。主な要因は分母である経常経費充当経常一般財源の増加率(+4.0%)に比べ、分子の児童養護施設等の民間社会福祉施設サービス推進事業に係る負担金の増などによる増加率(+2.4%)の方が大きかったためである。本区は保育ママ助成、中小企業への利子補給・信用保証料補助等の独自事業を多く展開しているが類似団体や国・都より低い水準となっている。
公債費
公債費の分析欄
指標は類似団体と比較して最も低くなっており、令和3年度は令和2年度と変わらず0.1%であった。令和元年度に区債を繰上償還したことによる影響が大きく、分子である公債費充当経常一般財源が162,041千円と少額になっているために指標が非常に低い水準になっている。区債の発行については将来世代への負担となるため、必要性を十分検討したうえで判断していく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
令和3年度は2.4ポイント減少した。主な要因は分子である人件費、物件費、扶助費、補助費等の増で分子全体で10億円増加し、分母では歳入経常一般財源等が67億円増加したため、分子より分母の増加率が上回り指数が減少した。類似団体平均よりも低い水準を維持しているが、少子高齢化への対応により扶助費や特別会計への繰出金の増加が見込まれる。最少経費で最大の区民サービス提供ができるよう、健全財政を堅持する。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
目的別歳出の分析欄
本区の歳出の最も大きい割合(50.6%)を占める民生費は239,812円(令和2年度:209,905地域力活用基金円)で令和2年度比29,907円の増となり、3年連続増加となった。主な要因は子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費、住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金給付事業費などの増である。総務費は72,740円で令和2年度比62,740円の減(-46.3%)となっているが、主な要因は大型区民施設及び庁舎等整備基金や財政調整基金への積立などが増となった一方で、特別定額給付金の終了による減が大きく、総務費全体では減となった。衛生費は41,713円で令和2年度比14,157円の増(+51.4%)となっているが、主な要因は新型コロナウイルス感染対策・ワクチン接種関係や清掃工場建替期間中の収集・運搬体制の変更に伴う増などによるものである。土木費は47,322円で5,240円の増(+12.5%)となっているが、主な要因は、密集住宅市街地整備促進事業の進捗状況やJR小岩駅周辺地区等街づくり基金積立費の減があったものの、再開発事業の事業進捗による増などの要因で土木費全体で増となった。消防費は3,733円で1,750円の減(-31.9%)となっているが、主な要因は災害対策基金への積立が減となったことによるものである。公債費は令和2年度に起債しなかったが、利子償還額の増加によって、令和2年度比2円の増(+0.9%)となった。、令和元年度に区債の繰上償還をした影響により、団体比較では一番低い水準となっている。また、災害復旧費、諸支出金、前年度繰上充用金の実績はない。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は住民一人当たり473,880円で(令和2年度:492,609円)で令和2年度比18,729円の減(-3.8%)となっている。歳出のうち最も大きく減少しているのは補助費等で、住民一人当たり22,676円(令和2年度:122,787円)で令和2年度比100,111円の減(-81.5%)となっている。特別定額給付金69,705百万円(皆減)が主な要因である。歳出のうち最も大きい割合を占めているのが扶助費で、住民一人当たり171,093円で36.1%を占めている。平成2年度と比べ25,808円の増で、平成24年度以降9年連続で増加している。主な増要因は住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業費で6,851百万円の増、子ども医療助成費625百万円の増などである。令和3年度も依然として類似団体平均を超える水準である。公債費は235円で令和2年度比2円の増(+0.9%)だが、令和元年度に区債の繰上償還をしたことによる影響が大きく、令和2年度に引き続き、類似団体ではトップの水準となった。積立金は48,660円(令和2年度:22,446円)で令和2年度比26,214円の増(+116.8%)で、新庁舎建設や老朽化施設の再編・整備に備えるための大型区民施設及び庁舎等整備基金積立金が13,519百万円の増、コロナ禍の影響による財源不足に対応するために取崩した財政調整基金への積戻しのため財政調整基金積立金が11,309百万円の増などが主な要因である。また、本区は学校や公園、道路などが数多くあるため、維持補修費が類似団体と比較しても一人あたりのコストが高い状況が続いている。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄令和3年度の実質収支比率は7.13%で令和2年度比0.23ポイントの増となった。財政調整基金残高の割合は、分子である基金残高は12億円の減(-2.9%)となった一方、分母である標準財政規模が38億円増(+2.3%)となり、分子の減、分母の増となったため、令和2年度より1.28ポイント減少した。実質単年度収支は、財政調整基金残高が12億円減少し、実質単年度収支が-558,527千円となり、比率が0.98ポイント減少した。
|
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄一般会計、各特別会計を含めた全会計での実質収支は、現方式での分析を始めた平成19年度から連続で黒字となっている。
|
実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄令和3年度の元利償還金は令和2年度比では百万円以上の変動はなかった。令和元年度に区債を繰上償還したため、償還経費が減少したことにより、元利償還金は令和2年度から低水準で推移している。組合等への元利償還金に対する負担金等は10百万円の減で4年ぶりの減となった。算入公債費等(総務大臣が定める額)は306百万円の減で5年連続して減少した。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債については、平成28年度以降は新規借入がない。残高も令和2年度末までは利子積立て以外に大きな変動はない。
|
将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄地方債の現在高は168百万円の残高と低く、令和元年度に繰上償還したことにより類似団体内でも特に低い水準となっている。組合等負担等見込額は360百万円の増で3年連続して増となった。退職手当負担見込額は1,044百万円の減で4年連続して減少した。充当可能基金は7,037百万円の増となり、6年連続して増加している。基金の積立は設置目的に合わせて適切に行っている。平成19年度以降毎年、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担比率は発生していない。今後、公共施設の再編整備が本格化するため、基金の取崩しにより将来負担比率に影響を及ぼす可能性がある。本区は依存財源の割合が高いため、計画的な基金の積立・活用により、今後も健全財政を堅持していく。
|
基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)【財政調整基金】コロナ禍による歳入減少の影響による財源不足への対応として125億円取り崩したが、経済活動の再開に伴う歳入の回復を受け113億円を積み戻した。【その他特定目的基金】公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要への対応のために大型区民施設及び庁舎等整備基金に153億円積立て、児童文学館建設等のため10億円を取り崩した。教育施設整備基金は、学校改築の計画に沿って50億円積み立て、令和3年度整備分を73億円取崩した。JR小岩駅周辺地区等街づくり基金は、事業の進捗状況により34億円取り崩した。また、新型コロナウイルス感染症対策関連で災害対策基金を18億円取り崩し、今後の災害に備えるために年度末に18億円積み戻した。(今後の方針)財政調整基金はリーマンショック級の経済危機に耐えられるよう現行の残高規模を維持していく。減債基金は区債の元利償還金相当額の規模を維持していく。その他の特定目的基金については、大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在している。老朽化する大型区民施設の整備・再編、新庁舎の整備、学校改築の推進等に係る「公共施設再編・整備計画」を策定中であり、当該計画に沿った積み立てを実施していく。また、将来の大規模災害等に備えた積み立ても行うとともに適切なタイミングで各基金を活用していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)コロナ禍による歳入減少の影響による財源不足への対応として125億円取り崩したが、経済活動の再開により歳入の回復を受け113億円を積み戻したため。(今後の方針)リーマンショックの影響を受けた当時、3年で400億円の基金取り崩しを行ったことから、再度リーマンショック級の経済危機に耐えられるよう現行の残高規模を維持していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)区債償還の財源として2億円取り崩し、基金利子分を積み立てたため。(今後の方針)区債の元利償還金相当額の規模を維持していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)大型区民施設及び庁舎等整備基金:大型区民施設及び庁舎等整備資金教育施設整備基金:学校の整備資金JR小岩駅周辺地区等街づくり基金:JR小岩駅周辺地区等の総合的な街づくりの資金災害対策基金:災害の予防及び応急対策並びに復旧等に要する資金(増減理由)公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要への対応のために大型区民施設及び庁舎等整備基金に153億円積み立て、児童文学館建設等のため10億円を取り崩した。教育施設整備基金は、学校改築の計画に沿って50億円積み立て、令和3年度整備分を73億円取り崩した。JR小岩駅周辺地区等街づくり基金は、事業の進捗状況により34億円取り崩した。また、新型コロナウイルス感染症対策関連で災害対策基金を18億円取り崩し、今後の災害に備えるために年度末に18億円積み戻した。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在している。老朽化する大型区民施設の整備・再編、新庁舎の整備、学校改築の推進等に係る「公共施設再編・整備計画」を策定中であり、当該計画に沿った積み立てを実施していく。また、将来の大規模災害等に備えた積み立ても行うとともに適切なタイミングで各基金を活用していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本区の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、公共施設の老朽化への対応が喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、平成29年3月に公共施設等総合管理計画を策定した。今後は、将来人口の、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、債務償還可能年数の算定式において、分子である充当可能財源等が将来負担額を上回っているとともに、分母である経常経費充当財源等も経常一般財源等を上回っている。そのため、債務償還可能年数が「-」となっており、類似団体でもトップの水準を維持している。今後も過度な将来負担をしないためにも、健全財政の維持と計画的な資金の活用に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率の指数がマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、将来負担費用の増加が見込まれる。今後、将来世代へ過度に負担を先送りしないために、適切な基金の積み立てと活用により、財政負担の平準化に努める。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、将来負担比率の指数はマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。実質公債費比率についても算定式において、算入公債費等が公債の元金償還金を上回りマイナスとなっており、適正な水準となっている。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、基金の取り崩しが生じることが見込まれる。加えて、税制改正による法人住民税の一部国税化等は、依存財源の割合が高い本区への影響が大きいことから、長期的視点に立った財政運営を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、大部分の施設は建設後30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、児童館、体育館・プール、保健センター・保健所、庁舎である。有形固定資産減価償却率の類似団体順位に着目すると下位のものが散見され、他団体と比較しても施設の老朽化の進行具合が伺える。今後は、将来人口の推移、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。また、学校施設については、他の類似団体と比較して低い有形固定資産減価償却率となっているが、2026年までに本区の有する小中学校の約3分の2が建築から50年が経過する状況にあり、改築時期を一斉に迎えている。本区は既に学校改築事業に着手しており、令和5年4月時点で14校の改築が終了し、16校の改築計画を進めている状況にある。年少人口の減少が見込まれることから学校の統合を含めた適正配置を検討していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
本庁舎については、全棟が建設から30年以上が経過しており、特に本庁舎南棟にあっては建設から55年以上が経過し老朽化が深刻である。また、機能面からみても課題があり、行政需要の拡大に伴い、執務スペースが不足し、近隣民間建築物の借受をして執務スペースを確保している状況である。庁舎の一人あたり面積が全国平均、東京都平均を大きく下回り、類似団体の中で最下位の水準である。こうした状況を踏まえ、令和元年度より新庁舎建設基本構想・基本計画策定委員会を発足し、令和3年3月に新庁舎建設基本構想・基本計画を策定した。今後は、令和10年度の供用開始を目指し更なる検討を進めていく。類似団体と比較して一人当たり面積が大きい施設は、市民会館であり、施設数が類似団体より多いからと考えられる。また、類似団体と比較して一人当たり面積が少ないのは、公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、福祉施設等であり、公営住宅については、平成14年度より東京都から施設が移管されて以降建設されていないこと、認定こども園・幼稚園・保育所及び福祉施設については、対象施設が少ないこと、児童館は区の施策として児童館機能を学校で担っている部分があり、施設数が少ないことなどが考えられる。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産合計が前年度末から32,818百万円増加となった。資産合計のうち約98%が固定資産であり、固定資産のうち約84%をインフラ資産が占めている。負債合計は、前年度末から1,129百万円減少となった。資産規模に対して負債は非常に小さく、これまで健全財政を維持し、将来世代に負担を先送りしない財政運営に取り組んできた結果が表れている。資産規模の大きさから、今後固定資産の維持経費の増大などが発生する可能性があるため、公共施設総合管理計画に基づく適切かつ計画的な施設管理を行っていく必要がある。国民健康保険事業等の特別会計を加えた全体では、資産合計は前年度末から33,208百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から1,166百万円減少となった。特別会計の長期延滞債権と未収金は資産合計の約26%を占めており、保険料の収納率向上や滞納整理の取り組みを推進していくことが必要である。東京二十三区清掃一部事務組合等を加えた連結では、資産合計は前年度末から32,053百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から449百万円減少となった。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては、経常費用は275,583百万円となり、前年度比36,679百万円減少(-11.7%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は118,487百万円(前年度比+14,545百万円)、補助金や社会保障給付等の移転費用は157,096百万円(前年度比51,224百万円)となっており、移転費用の減少は、令和2年度に実施した政府の緊急経済対策に伴う特別定額給付金の支給が主な要因である。経常費用に占める移転費用の割合は約57%と大きくなっており、社会保障給付が移転費用の約62%を占める。今後も高齢化の進展などにより社会保障給付の増加が見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により費用の抑制に努める。また、資産規模が大きいため維持補修費や物件費等施設管理に係る経費が極端に増加しないよう、資産のコスト管理を計画的・効果的に運用していく必要がある。・全体においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の特別会計が含まれ、特別会計の費用のほとんどを移転費用が占めるため、経常費用のうち移転費用の割合が約67%と大幅に上昇する。長期的には移転費用は増加していく見込みであるので、充分注意が必要である。・連結においては、連結対象団体の事業収入(主に特別区競馬組合の事業収入)が計上されるため、全体に比べ経常収益が10,966百万円増加し、経常収益は全体と比べほぼ倍になっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等における本年度差額は、財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も33,947百万円増加となった。財源の主な内訳として、財政調整交付金、特別区民税などの税収と国・都等の補助金となっている。都市計画道路等のインフラ資産の整備、学校改築のため有形固定資産が増加したことが純資産の増加に寄与した。・全体においても、本年度差額は財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も34,373百万円増加した。国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業における保険料収入が税収等に含まれるため、税収等は一般会計等に比べて41,526百万円増加した。・連結においては、東京二十三区清掃一部事務組合等において本年度差額が赤字となったことが影響し、全体と比べて本年度差額は694百万円減少した。連結純資産残高は、連結団体の本年度純資産変動額が△1,871百万円であったため、全体の本年度純資産変動額より増額幅は小さいものの32,502百万円増加した。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、業務支出の主な内訳は、社会保障給付支出が97,464百万円、物件費等支出が74,123百万円、人件費が38,328百万円などとなっており、一方、業務収入は財政調整交付金及び区民税等の税収等収入が178,273百万円、国都等の補助金が113,793百万円などで、業務活動収支は31,317百万円の黒字となった。また、業務活動収支と投資活動収支をあわせると7,839百万円と黒字であり、財政の均衡が図られている状況である。財務活動収支は、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回っていて、負債増加はないことから、資金収支上の問題はないといえる。・全体においては、本年度資金収支差額は7,655百万円の黒字となった。一般会計等に加わる国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療特別会計においては、資産形成や地方債の借り入れがなかったため、投資活動収支及び財務活動収支はない。また、介護保険事業特別会計においては、介護準備基金積立及び取崩しにより△870百万円の投資活動収支が発生している。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均値に比べて非常に高い水準となっている。これは、昭和59年度以前に取得した道路、河川等の敷地についても取得価格を推計して計上していることが大きな要因である。ただし、インフラ資産が資産の約84%を占めていることから、公共用施設に関しては資産全体に占める割合はそれほど大きくはない。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値に比べて低い水準となっているが、道路資産について取替法を採用していることが大きく影響している。これを加味すると約49%となる。資産規模が大きく、保有している施設数も多いことから、個別の施設では施設更新の検討を要するものも多い。施設の再編・統廃合を含めて検討を始めており、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していく必要がある。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は非常に高く、一方で将来世代負担比率は非常に低い状況となっている。このことから、資産規模は大きいが将来世代への負担は低くなっていると言える。今後は老朽化した施設の更新費等が大きくなるリスクが存在するので、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していくことが必要である。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と比べて低い水準となっている。社会保障給付をはじめとした移転費用が今後も増加する見込みなので、引き続き健全財政を堅持し、計画性、持続性のある行財政運営が必要である。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均値に比べて低い水準となっている。将来世代負担比率も低く、負債の規模は非常に低い状況となっている。・基礎的財政収支は15,230百万円の黒字となっており、類似団体平均値に比べても非常に高い水準となっている。基礎的財政収支の黒字の要因である業務収入は、財政調整交付金や特別区税の影響が大きい。それらの収入は景気に左右されやすい構造のため、景気の動向を注視していく必要がある。今後も将来世代へ負担を先送りすることのない安定した財政基盤の構築を進めていく必要がある。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体平均値に比べて低い状況となっている。住民一人当たりコストや、基礎的財政収支の数値を踏まえると、現段階において受益者負担の見直しする状況ではないと考える。今後、税収の減少や施設の維持管理コストの上昇など状況の変化があれば、受益者負担の在り方の変更を検討することが求められることになる。
類似団体【特別区】
千代田区
中央区
港区
新宿区
文京区
台東区
墨田区
江東区
品川区
目黒区
大田区
世田谷区
渋谷区
中野区
杉並区
豊島区
北区
荒川区
板橋区
練馬区
足立区
葛飾区
江戸川区