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2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
特別区税収入などの自主財源の割合が低く、財調交付金や国・都支出金などの依存財源の割合が高いため、若干の数値の上昇はあるものの、依然として類似団体平均値を下回る不安定な財政構造となっている。そのような中で特別区税における積極的な納税勧奨や歳出事業の見直しなど、歳入・歳出の両面から健全財政を堅持する取組みを進めている。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分母にあたる経常的一般財源等総額は財調交付金や特別区税の伸びにより+2.3%となったが、分子にあたる経常的経費充当一般財源等が物件費や扶助費の伸びにより+2.8%となり分母の伸びを上回ったため、昨年度に比べて0.3ポイント増となった。6年連続で経常収支比率の適正範囲内となったものの財政の硬直化が進んだ。今後も適正範囲の水準を維持すべく、健全財政の取組みを継続していく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費は児童相談所開設に向けた人員増による職員給の増、物件費は端末リプレースなど情報化推進事務費の増により1人あたり決算額が増となっている。人件費・物件費等決算額が類似団体内順位で上位を維持できているのは、平成12年度から着手した健全財政への取組により、事業の民間委託化や組織の見直しなどから人件費の増を抑え、累計1,794億円の財政効果を生み出したことによるものである。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体の中で最も低い水準にある。これまで組織の効率化を進め、組織の合理的な運営に努めてきた成果である。平成31年度ラスパイレス指数は0.4ポイントの減となった。その主な要因は国の給料表が引き上げられたのに対し、本区の給料表は引き上げられなかったこと、高齢層職員の昇給抑制措置および行政系人事制度改正により、現給保障が適用されていた職員の退職による影響である。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
依然として類似団体の中でも低い水準にある。健全財政を推進するため、現業職員の退職不補充や指定管理への移行をはじめ、庁舎管理等の内部事務や学校給食調理業務の民間委託を進め、職員数抑制に努めてきた成果である。健全財政の取組み前(平成12年度)の職員数5,057人に比べ、平成30年度は3,743人となり1,314人(26%減)の減となった。昨年度と比較して職員数は28人増加したが、主な増員理由は児童相談所開設準備などである。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
今回実質公債費比率が0.2ポイント上昇した主な要因は財調普通交付金の増などにより、計算上分母にあたる標準財政規模が増となったことによるものである。現時点では類似団体の中で低い数値となっているものの、3年連続で上昇している。起債については将来世代への負担となるため、必要性や規模について常に検討しつつ実施していきたい。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担額は区債残高と退職手当負担見込額等を合わせて421億円であったのに対し、充当可能財源等は充当可能基金額などを合わせて3,111億円となった。充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、計算結果がマイナス値となり、将来負担比率は算定されなかった。これは積立基金を一定額保有していることと、少ない区債残高によるものである。今後も起債と基金の管理を適切に行い、将来世代に負担を先送りしない効率的な財政運営を行っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
平成30年度は0.1ポイント増となった。主な要因は退職者数の増による退職手当の増によるものである。類似団体内順位が低いのは平成13年度以降継続して取り組んでいる現業職員の退職不補充や事業の民間委託化・指定管理移行等による職員数の減が主な要因である。児童相談所の開設などを控え人員増となることから、今後も区民サービスの質の維持を図るべく、不断の努力を継続していく。
物件費
物件費の分析欄
平成30年度は0.5ポイント増となった。主な要因は小学校の電子黒板のリプレースによる学校運営費の増によるものである。今後も事業の外部委託化などによる増要因は考えられるが、適正な委託の在り方を検討するなどの努力を続けていく。
扶助費
扶助費の分析欄
平成30年度は0.2ポイント増となった。主な要因は私立保育園の増に伴う私立保育園等委託費の増によるものである。類似団体内順位は昨年度と変わらず20位となり、依然として国・都の平均を大きく上回る位置にある。平成16年度以降、施策の見直しを行ったタイミングを除き、扶助費は増加を続けている。
その他
その他の分析欄
平成30年度は0.4ポイント減となった。主な要因は国保特別会計への法定外繰出金の減(-771百万円)などによる繰出金の減によるものである。今後は施設の老朽化に伴う維持補修費の増や高齢化の進展に伴う介護・後期特別会計への繰出金の増が見込まれるため、将来負担を見据えた予算管理に努めていく。(「その他」の内訳は、維持補修費、貸付金、繰出金)
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度は増減無しとなった。私立保育園の増による私立保育園等委託費の増(+177百万円)はあったが、歳入全体の増もあったため、率としては増減無しとなった。本区は私立幼稚園等保護者負担軽減補助や保育ママ助成、中小企業への利子補給・信用保証料補助等の独自事業を多く展開している。
公債費
公債費の分析欄
平成30年度は0.1ポイント減となった。主な要因は過年度起債の償還終了により公債費が5.1%の減となったことなどによるものである。現在は類似団体内順位が低い状態となっているが、今後も適正な起債の管理を行っていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成30年度は0.4ポイント増となった。主な要因は歳入も伸びているが、それ以上に歳出が繰出金を除く全ての項目において増となっていることによるものである。指標は類似団体平均よりも低いものの、少子高齢化への対応による扶助費や介護・後期特別会計への繰出金の増加が見込まれるため、限られた財源で最大の区民サービスが実現できるよう、健全財政の堅持に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
本区の歳出の5割以上を占める、民生費は194,262円で昨年度比732円の減とはなっているが高止まりの状態となっている。私立保育園等委託など増となっている項目もあるが、国保会計繰出金が大幅減となったことなどにより全体として減となった。総務費は51,872円で昨年度比4,668円の増となっているが、主な要因は大型区民施設及び庁舎等整備基金への積み立てによる増である。土木費は32,340円で2,960円の増となっているが、主な要因は小岩地域を中心に再開発事業が進捗したことによる増である。消防費は1,363円で昨年度比5,311円の大幅な減となっているが、主な要因は災害対策基金への積み立てが大幅減となったことによるものである。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人あたり361,927円となっている。歳出のうち最も大きい割合を占める扶助費は、住民一人あたり134,724円で37.2%を占める。昨年度比119円の増で、平成24年度以降6年連続で増加している。主な増要因は私立保育園等委託である。平成30年度も依然として平均を超える位置にあるものの、年々類似団体平均との差は縮まってきている。普通建設事業費のうち新規整備は昨年度比1,550円の増となっている。主な要因は公園の新設、児童相談所の建設などによるものである。維持補修費は7,667円で昨年度比38円の減とはなっているが、学校や公園、道路などが多くある本区の特徴から、引き続き類似団体と比較して一人あたりのコストが高い状態となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄平成30年度は実質収支額89億円、実質収支比率は5.5%で昨年度比0.1ポイントの増となった。平成30年度は財政調整基金を6億円取り崩したことなどから、財政調整基金残高や実質単年度収支の比率が低下している。リーマンショック時には財政調整基金を約270億円取り崩すなど、景気変動の影響を受けやすい財政構造ため、引き続き健全財政を堅持していく取組みを行っていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄一般会計、各特別会計を含めた全会計での実質収支は、現方式での分析を始めた平成19年度から連続で黒字となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄平成30年度の元利償還金は平成29年度比で111百万円の減となったが、毎年2,000百万円前後の金額となっている。組合等への元利償還金に対する負担金等は15百万円の増で8年連続の減から転じる形となった。結果として実質公債費比率の分子は178百万円増加した。起債については将来世代への負担となるため、必要性や規模について常に検討しつつ実施していきたい。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債については平成28年度に償還が終了して以降は新規の借入がない。残高についても利子積立以外に大きな変動がない。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄地方債の現在高については677百万円の減となり、過去最低水準となっている。充当可能基金については15,375百万円の増となり、基金の設置目的に合わせて適切に積み立てを行っている。平成19年度以降毎年、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担比率は発生していない。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、基金の取り崩しが行われ将来負担比率に影響を及ぼすことが見込まれる。加えて、法人住民税の一部国税化などの不合理な税制改正による歳入の減少は、依存財源の割合が高い本区への影響は極めて大きい。健全財政を堅持しつつ、長期的視点に立った財政運営を継続していかなければならない。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)主な理由は、公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要といった喫緊の課題への対応のため、大型区民施設及び庁舎等整備基金に171億円積立てたため。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備、新庁舎の整備、学校改築等に備えていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)社会保障経費の増加による財源不足に対して6億円取り崩したため(今後の方針)過去に3年で270億円の取り崩しを行ったこと、今後、退職手当が約100億円増加する見込みであること及び社会保障経費の増大等に備えるため現残高を維持していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)基金利子を積んだため(今後の方針)急激な景気変動に備え、公債費相当の現残高を維持していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)区立小中学校の改築等、大型区民施設及び庁舎等の整備、街づくり事業、災害の予防及び応急対策並びに復旧等(増減理由)主な理由は、公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要といった喫緊の課題への対応のため、大型区民施設及び庁舎等整備基金に171億円積立てたため。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備、新庁舎の整備、学校改築等に備えていく。街づくり事業については、事業の進捗状況を見据えながら取崩し・積立てを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本区の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い状況にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、公共施設の老朽化への対応が喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、平成29年3月に公共施設等総合管理計画を策定した。今後は、将来人口の、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、充当可能財源等が将来負担額を上回っている状態である。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、将来負担費用の増加が見込まれる。将来世代へ過度に負担を先送りしないため、適切な基金の積み立てにより、世代間の財政負担平準化に努める。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率について、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担は生じていない。実質公債費比率についても公債の元金償還金を算入公債費等が上回りマイナスとなっている。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、公債の発行と基金の取り崩しが同時に生じることが見込まれる。加えて、税制改正による法人住民税の一部国税化等は、依存財源の割合が高い本区への影響が大きいことから、長期的視点に立った財政運営を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、大部分の施設は建設後30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、児童館、体育館・プール、保健センター・保健所、福祉施設、庁舎である。これらの施設の有形固定資産減価償却率の類似団体順位に着目すると、上位のものが散見される。学校施設については、他の類似団体並みの有形固定資産減価償却率となっているが、2027年までに本区の有する小中学校の約3分の2が建築から50年が経過する状況にあり、改築時期を一斉に迎えている。本区は既に学校改築事業に着手しており令和元年4月時点で10校の改築が終了し、10校の改築計画を進めている状況にある。年少人口の減少が見込まれることから学校の統廃合を含めた適正配置を検討していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
本庁舎については、全棟が建設から30年以上が経過しており、特に本庁舎南棟にあっては建設から約58年が経過し老朽化が深刻である。また、機能面からみても課題があり、行政需要の拡大に伴い、執務スペースが不足し、近隣民間建築物の借受て執務スペースを確保している状況である。庁舎の一人あたり面積が全国平均、東京都平均を大きく下回り、類似団体の中で最下位の水準である。こうした状況を踏まえ、令和元年度より新庁舎建設基本構想・基本計画策定委員会を発足し、新庁舎の建設に向けて検討を開始したところである。施設の再編、整備に係る検討を進めていく必要がある。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産合計が前年度末から25,675百万円増加となった。資産合計のうち約98%が固定資産であり、固定資産のうち約85%をインフラ資産が占めている。負債合計は、前年度末から2,255百万円減少となった。退職給与引当金の算定方法を変更したことなどにより1,580百万円減少したことが主な要因となっている。資産規模に対して負債は非常に小さく、これまで健全財政を維持し、将来世代に負担を先送りしない財政運営に取り組んできた結果が表れている。資産規模の大きさから、今後固定資産の維持経費の増大などが発生する可能性があるため、公共施設総合管理計画に基づく適切かつ計画的な施設管理を行っていく必要がある。国民健康保険事業等の特別会計を加えた全体では、資産合計は前年度末から23,568百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から2,373百万円減少となった。特別会計の長期延滞債権と未収金は資産合計の約45%を占めており、保険料の収納率向上や滞納整理の取り組みを推進していくことが必要である。東京二十三区清掃一部事務組合等を加えた連結では、資産合計は前年度末から23,039百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から2,403百万円減少となった。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては、経常費用は220,800百万円となり、前年度比5,657百万円減少(△2.5%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は92,180百万円(前年度比△5,386百万円)、補助金や社会保障給付等の移転費用は128,621百万円(前年度比△271百万円)である。経常費用に占める移転費用の割合は約58%と大きくなっており、社会保障給付が移転費用の約70%を占める。今後も高齢化の進展などによりこの傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により費用の抑制に努める。また、資産規模が大きいため維持補修費や物件費等施設管理に係る経費が極端に増加しないよう、資産のコスト管理を計画的・効果的に運用していく必要がある。・全体においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の特別会計が含まれ、特別会計の費用のほとんどを移転費用が占めるため、経常費用のうち移転費用の割合が約69%と大幅に上昇する。長期的には移転費用は増加していく見込みであるので、充分注意が必要である。・連結においては、連結対象団体の事業収入(主に特別区競馬組合の事業収入)が計上されるため、全体に比べ経常収益が9,092百万円増加し、経常収益は全体と比べほぼ倍になっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等における本年度差額は、財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も27,930百万円増加となった。財源の主な内訳として、財政調整交付金、特別区民税などの税収と国・都等の補助金となっている。都市計画道路等のインフラ資産の整備、学校改築や公園・区画整理用地取得のため有形固定資産が増加したことが純資産の増加に寄与した。全体においても、本年度差額は財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も25,941百万円増加となった。国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業における保険料収入が税収等に含まれるため、税収等は一般会計等に比べて40,177百万円増加した。なお、一般会計等に対し有形固定資産の増加はない。・連結においては、東京二十三区清掃一部事務組合等において本年度差額が赤字となったことが影響し、全体と比べて本年度差額は減少したが、全体の本年度差額の黒字に吸収され、純資産は25,443百万円増加となった。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、業務支出の主な内訳は、社会保障給付支出が89,767百万円、物件費等支出が52,192百万円、人件費が35,018百万円などとなっており、一方、業務収入は財政調整交付金及び区民税等の税収等収入が170,176百万円、国都等の補助金が66489百万円などで、業務活動収支は29,182百万円の黒字となった。また、業務活動収支と投資活動収支をあわせると1,693百万円と黒字であり、投資活動支出の基金積立金(資産を増やす支出)20,564百万円を差し引いても22,257百万円の黒字となり、財政の均衡が図られている状況である。財務活動収支は、地方債償還経費が地方債等発行収入を上回っていて、負債増加はないことから、資金収支上の問題はないといえる。・全体においては、本年度資金収支差額は△1,367百万円となった。医療保険制度改革や法定外繰入金の削減等により国民健康保険事業の業務収入が前年度末より13,823百万円減少したことが要因である。国民健康保険事業については、保険料の収納率向上や医療費の削減に向けた取り組みなど、赤字解消に努めることが必要である。なお、一般会計等に加わる国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療特別会計においては、資産形成や地方債借り入れがなかったため、投資活動収支及び財務活動収支はない。また、介護保険事業特別会計においては、介護準備基金積立及び取崩しにより△606千円の投資活動収支が発生している。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均値に比べて非常に高い水準となっている。これは、昭和59年度以前に取得した道路、河川等の敷地についても取得価格を推計して計上していることが大きな要因である。ただし、インフラ資産が資産の約85%を占めていることから、公共用施設に関しては資産全体に占める割合はそれほど大きくはない。・有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値に比べて低い水準となっているが、道路資産について取替法を採用していることが大きく影響している。これを加味すると約48%となる。資産規模が大きく、保有している施設数も多いことから、個別の施設では施設更新の検討を要するものも多い。施設の再編・統廃合を含めて検討を始めており、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していく必要がある。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は非常に高く、一方で将来世代負担比率は非常に低い状況となっている。このことから、資産規模は大きいが将来世代への負担は低くなっていると言える。今後は老朽化した施設の更新費等が大きくなるリスクが存在するので、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していくことが必要である。
3.行政コストの状況
・住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と比べて低い水準となっている。社会保障給付をはじめとした移転費用が今後も増加する見込みなので、引き続き健全財政を堅持し、計画性、持続性のある行財政運営が必要である。
4.負債の状況
・住民一人当たり負債額は、類似団体平均値に比べて低い水準となっている。将来世代負担比率も低く、負債の規模は非常に低い状況となっている。・基礎的財政収支は19,036百万円の黒字となっており、類似団体平均値に比べても非常に高い水準となっている。・基礎的財政収支の黒字の要因である業務収入は、財政調整交付金や特別区税の影響が大きい。それらの収入は景気に左右されやすい構造のため、景気の動向を注視していく必要がある。今後も将来世代へ負担を先送りすることのない安定した財政基盤の構築を進めていく必要がある。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体平均値に比べて低い状況となっている。住民一人当たりコストや、基礎的財政収支の数値を踏まえると、現段階において受益者負担の見直しする状況ではないと考える。今後、税収の減少や施設の維持管理りコストの上昇など状況の変化があれば、受益者負担の在り方の変更を検討することが求められることになる。
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