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2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
区税収入などの自主財源の割合が低く、特別区交付金や国・都支出金などの依存財源の割合が高いため、依然として類似団体平均値を下回る不安定な財政構造である。財政力指数が0.01上昇した要因は基準財政需要額が臨時的起債充当分に係る未償還元金分や臨時的改築工事費の算定の終了などにより3.0%の減となったことや平成26年度単年度の指数0.38が3か年平均の対象から外れたことなどによるものである。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分母にあたる経常的一般財源等(歳入)は財政調整交付金の25億円の減などにより1,609億円(0.5%減)となった。一方分子にあたる経常経費充当一般財源等(歳出)は、公園管理委託料などの増により物件費が7億円の増、道路等維持補修工事などの増により維持補修費が6億円の増などにより1,222億円(1.6%増)となった。その結果、経常収支比率は平成28年度よりも1.6ポイント上昇し、5年連続で経常収支比率の適正範囲内となったものの、財政の硬直化が進んだ。適正範囲の水準を維持すべく、健全財政の取り組みを継続する。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
金額増の主な要因は、人件費の共済費の追加費用の料率が上昇したことによるもの及び公園管理委託料の増などによる物件費の増によるものである。人件費・物件費等決算額が類似団体内順位で上位を維持できているのは、平成12年度から着手した健全財政への取組により、事業の民間委託化や組織の見直しなどから人件費の増を抑え、累計1,654億円の財政効果を生み出したことによるものである。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
23区の中で最も低い水準にある。これまで組織の効率化を進め、組織の合理的な運営に努めてきた成果である。数値は増傾向にあるが、その主な要因は、現給保障等の経過措置がなく、昇給による影響度が国に比べて大きいためである(国は現給保障を実施しているため、昇給による影響が少ない)。なお、今年度数値については平成30年調査結果が未公表であるため、昨年度数値を引用している。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
依然として23区の中でも低い水準にある。健全財政を推進するため、現業職員の退職不補充や指定管理への移行をはじめ、庁舎管理等の内部事務や学校給食調理業務の民間委託を進め、職員数抑制に努めてきた成果である。健全財政の取組み前(平成12年度)の職員数5,057人に比べ、平成30年度は3,715人となり1,342人(26.5%減)の減となった。昨年度と比較して職員数は46人増加したが、主な増員理由は退職不補充していた保育士の採用を行ったこと、オリンピック・パラリンピック業務の増、児童相談所移管準備などである。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
今回実質公債費比率が0.1ポイント上昇した主な要因は計算上分母にあたる標準財政規模が財政調整交付金の減などにより減となったことによる。現時点では23区の中でも低い数値となっているものの、2年連続で上昇していることには注視しなければならない。今後学校改築の進捗や老朽化する公共施設への対応が見込まれることから、指標増加が見込まれている。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担額は区債残高と退職手当負担見込額等を合わせて445億円であったのに対し、充当可能財源等は充当可能基金額などを合わせて3,053億円となった。充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、計算結果がマイナス値となり、将来負担比率は算定されなかった。これは積立基金を一定額保有していることと、少ない区債残高によるものである。今後、学校改築の進捗に伴う区債残高の増加や、老朽化する公共施設への対応も見込まれるため、将来世代に負担を先送りしない効率的な財政運営に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
平成29年度の指標は0.1ポイント上昇したが、他団体と比較して低い位置にある。平成13年度以降継続して取り組んでいる現業職員の退職不補充や事業の民間委託化・指定管理移行等による職員数の減が主な要因である。限りある財源を扶助費や補助費等に充てることで、区民サービスの質の維持を図るべく、不断の努力を今後も継続していく。
物件費
物件費の分析欄
平成29年度は0.5ポイントの増となった。主な要因は公園管理委託料やシステム強靭化に伴うシステム使用料等により、7億円の増(1.3%増)となったことによるものである。今後も事業の外部委託化などによる増要因はあるが、適正な委託のあり方を常に検討する努力を続けていく。
扶助費
扶助費の分析欄
平成29年度0.3ポイントの増となった主な要因は、待機児童対策に係る私立保育園等委託費の増などによるものである。類似団体内順位は昨年度と変わらず20位となり、依然として国・都の平均を大きく上回る位置にある。平成16年度以降、施策の見直しを行ったタイミングを除き、増加を続けている。
その他
その他の分析欄
平成29年度は0.9ポイントの増となった。主な要因は道路や公園の維持補修により維持補修費が6億円増、繰出金が5億円増となったことによるものである。今後も施設の老朽化に伴う維持補修費の増や高齢化の進展に伴う介護・後期特別会計への繰出金の増は見込まれるため、将来負担を見据えた予算管理に努めていく。(「その他」の内訳は、維持補修費、貸付金、繰出金)
補助費等
補助費等の分析欄
本区は私立幼稚園等保護者負担軽減補助や保育ママ助成、中小企業への利子補給・信用保証料補助等の独自事業を多く展開している。平成29年度は昨年度からの指標の変化はなかった。これは補助費等の決算額が0.1%の減と小幅な動きとなったことによるものである。
公債費
公債費の分析欄
指標は他団体と比較して極めて低くなっており、平成29年度は0.2ポイント減となった。主な要因は、学校改築の一時的な減により新たに償還を始めた額よりも、昨年度償還を終了した起債事業が多かったことによるものである。歳入経常一般財源等も0.5%減となっているが、公債費はそれを上回る8.3%の減となっているため、指標の数値は減となっている。今後も起債の適正管理に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成29年度は1.8ポイントの増となった。主な要因は、歳出の増(1.8%増)と歳入の減(0.5%減)が重なったことによるものである。指標は類似団体平均よりも低いものの、少子高齢化への対応による扶助費や介護・後期特別会計への繰出金の増加が見込まれるため、限られた財源で最大の区民サービスが実現できるよう、健全財政の堅持に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
目的別歳出の分析欄
本区の歳出の5割以上を占める、民生費は194,994円で昨年度比4,997円の増で、右肩上がりの状況が続いている。主な増要因は私立保育園施設整備助成、私立保育園運営委託、生活保護費等の増である。総務費は47,204円で昨年度比11,126円の増となっているが、主な要因は大型区民施設及び庁舎等整備基金への積み立てによる増である。その他に区民館・コミュニティ会館やタワーホール船堀の整備も増の要因である。土木費は29,380円で15,462円の減となっているが、主な要因はJR小岩駅周辺地区等街づくり基金への積み立てがなかったことによる減である。その他に公園の新設経費や都市計画道路の整備経費の減も要因である。消防費は6,674円で昨年度比5,434円で大幅な増となっているが、主な要因は災害対策基金への積み立てによる増である。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人あたり361,013円となっている。歳出のうち最も大きい割合を占める扶助費は、住民一人あたり134,605円で37.3%を占める。昨年度比3,209円の増で、平成24年度以降5年連続で増加している。主な増要因は私立保育園等委託や生活保護費の増である。平成29年度も依然として平均を超える位置にあるものの、年々類似団体平均との差は縮まってきている。扶助費に次いで大きな金額の伸びを示しているのが普通建設事業費で36,584円となり、昨年度比2,623円の増となっている。主な要因は私立保育園施設整備助成や学校改築事業の進捗によるものである。維持補修費は7,705円で昨年度比674円の増となっており、学校や公園、道路などが多くある本区の特徴から、引き続き類似団体と比較して一人あたりのコストが高い状態となっている。主な要因は道路や公園の維持補修費の増である。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄平成29年度は実質収支額84億円、実質収支比率は5.4%で昨年度比0.2ポイントの増となった。平成29年度の財政調整基金の取り崩しはなく、本表指標においても昨年度と大きな変動は見られなかった。リーマンショック時には財政調整基金を約270億円取り崩し、財政調整交付金に歳入を頼らざるを得ない本区は、景気変動の影響を受けやすいため、引き続き健全財政を堅持していく取組を加速していく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄一般会計、各特別会計を含めた全会計での実質収支は、現方式での分析を始めた平成19年度から10年連続で黒字となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄平成29年度の元利償還金は平成26年度より学校改築に伴う起債の償還が始まってから4年連続の増で、昨年度比106百万円増加した。満期一括償還地方債に係る年度割相当額については10百万円減で0となった。組合等への元利償還金に対する負担金等は27百万円の減で8年連続の減となった。結果として実質公債費比率の分子は340百万円増加した。平成19年度以降分子は減少を続けてきたが、学校改築の進捗等もあり昨年度増に転じて今年度もその傾向が続いている。今後の改築の進捗も見据えて適切な起債管理に努めていく。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄地方債の現在高については204百万円の増となり、平成24年度から続いていた減傾向から転じた。充当可能基金については18,060百万円の増となり、基金の設置目的に合わせて適切に積み立てを行っている。平成19年度以降11年連続で充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担比率は発生していない。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、起債と基金の取り崩しが同時期に行われ、将来負担比率に影響を及ぼすことが見込まれる。加えて、法人住民税の一部国税化や地方消費税交付金の清算基準の見直しなどの不合理な税制改正による歳入の減少は、依存財源の割合が高い本区への影響は極めて大きい。健全財政を堅持しつつ、長期的視点に立った財政運営を継続していかなければならない。
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基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要といった喫緊の課題への対応で大型区民施設及び庁舎等整備基金に137億円、災害に備え37億円、学校改築の計画に沿って教育施設整備基金に33億円を積んだため。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設、小・中学校、本庁舎など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備、新庁舎建設基本構想・基本計画を策定する庁舎の整備や学校改築に備えていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)基金利子を積んだため。(今後の方針)過去に3年で約270億円を取り崩し、今後退職手当が約100億円増加する見込み、社会保障経費の増大に備えるための歳入が見込めなくなったことから、その備えとして現残高規模を維持していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)基金利子を積んだため(今後の方針)急激な景気変動に備え、公債費相当の現残高を維持していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)区立小中学校の改築等、大型区民施設及び庁舎等の整備、街づくり事業、災害の予防及び応急対策並びに復旧等(増減理由)公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要といった喫緊の課題への対応で大型区民施設及び庁舎等整備基金に137億円、災害に備え37億円、学校改築の計画に沿って教育施設整備基金に33億円を積んだため。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設、小・中学校、本庁舎など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備、新庁舎建設基本構想・基本計画を策定する庁舎の整備や学校改築に備えていく。街づくり事業については、事業の進捗状況を見据えながら取崩・積立を行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本区の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、公共施設の老朽化への対応が喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、平成29年3月に公共施設等総合管理計画を策定した。今後は、将来人口の、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率の指数がマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、将来負担費用の増加が見込まれる。今後、将来世代へ過度に負担を先送りしないために、適切な基金の積み立てと活用により、財政負担の平準化に努める。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、将来負担比率の指数はマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。実質公債費比率についても算定式において、算入公債費等が公債の元金償還金を上回りマイナスとなっており、適正な水準となっている。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、基金の取り崩しが生じることが見込まれる。加えて、税制改正による法人住民税の一部国税化等は、依存財源の割合が高い本区への影響が大きいことから、長期的視点に立った財政運営を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
施設情報の分析欄
本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、大部分の施設は建設後30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、児童館、体育館・プール、福祉施設、保健センター・保健所、庁舎である。有形固定資産減価償却率の類似団体順位に着目すると1位のものが散見され、他団体と比較しても施設の老朽化の進行具合が伺える。今後は、将来人口の、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。また、学校施設については、他の類似団体並みの有形固定資産減価償却率となっているが、2026年までに本区の有する小中学校の約3分の2が建築から50年が経過する状況にあり、改築時期を一斉に迎えている。本区は既に学校改築事業に着手しており、平成30年4月時点で8校の改築が終了し、9校の改築計画を進めている状況にある。年少人口の減少が見込まれることから学校の統合を含めた適正配置を検討していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
施設情報の分析欄
本庁舎については、全棟が建設から30年が経過しており、特に本庁舎南棟にあっては建設から約55年が経過し老朽化が深刻である。また、機能面からみても課題があり、行政需要の拡大に伴い、執務スペースが不足し、近隣民間建築物の借受をして執務スペースを確保している状況である。庁舎の一人あたり面積が全国平均、東京都平均を大きく下回り、類似団体の中で最下位の水準である。こうした状況を踏まえ、令和元年度より新庁舎建設基本構想・基本計画策定委員会を発足し、新庁舎の建設に向けて検討を開始したところである。類似団体と比較して一人当たり面積が大きい施設は、市民会館であり、施設数が類似団体より多いからと考えられる。また、類似団体と比較して一人当たり面積が少ないのは、公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、福祉施設であり、公営住宅については、平成14年度より東京都から施設が移管されて以降建設されていないこと、認定こども園・幼稚園・保育所及び福祉施設については、対象施設が少ないこと、児童館は区の施策として児童館機能を学校で担っている部分があり、施設数が少ないことなどが考えられる。
財務書類に関する情報①(2017年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産合計のうち約98%が固定資産となっている。また、固定資産のうち約86%をインフラ資産が占めている。負債は、退職給与引当金が約54%、地方債が約28%の構成比となっている。資産規模に対して負債は非常に小さく、これまで健全財政を維持し、将来世代に負担を先送りしない財政運営に取り組んできた結果が表れている。資産規模の大きさから、今後固定資産の維持経費の増大などが発生する可能性があるため、公共施設総合管理計画をはじめとした適切な施設管理を行っていく必要がある。・全体においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の各特別会計が加わるが、いずれも保険料の未収金と現預金が主な資産となり、その分が増加している。負債は主に退職給与引当金及び賞与引当金が増加している。保険料の収納率向上の取り組みにより未収金残高は減少していくことが望ましく、資産と負債の比率が一般会計等と比べて大きく変動していないので、財務状況に問題はないと考えられる。連結は東京二十三区清掃一部事務組合が連結対象団体のうち約86%を構成し、次いで東京都後期高齢者広域連合が約5%となっている。連結対象団体の負債は主に地方債、未払金、退職給与引当金、賞与引当金で構成され、今後資産に対しての負債の割合が大きくなるようであれば、連結対象団体の財務状況に注意が必要である。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては、経常費用のうち、約57%を移転費用が占めている。移転費用のうち社会保障給付が最も大きく(約68%)、今後も増加していくことが見込まれる。資産規模が大きいため、維持補修費や物件費等施設管理に係る経費が極端に増加しないよう、資産のコスト管理を計画的・効果的に運用していく必要がある。・全体においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者事業が含まれ、これらは移転費用が費用のほとんどを占めるため、経常費用のうち移転費用の割合が約69%と大幅に上昇する。長期的には移転費用は増加していく見込みであるので、充分注意が必要である。・連結においては、連結対象団体の事業収入(主に特別区競馬組合の事業収入)が計上されるため、全体に比べ経常収益が8,666百万円増加し、経常収益は全体と比べほぼ倍になっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等における本年度差額は、財源が純行政コスト上回り、これに伴い純資産も27,706百万円増加となった。財源の主な内訳として、財政調整交付金、特別区民税などの税収と国・都等の補助金となっている。都市計画道路等のインフラ資産の整備、学校改築や公園・区画整理用地取得のため有形固定資産も増加したこと、固定資産の耐用年数修正による減価償却累計額の減少が、純資産の増加に寄与した。・全体においても、本年度差額は財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も28,287百万円増加となった。国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業における保険料収入が税収等に含まれるため、税収等は一般会計等に比べて70,519百万円増加した。なお、一般会計等に対し有形固定資産の増加はない。・連結においては、東京二十三区清掃一部事務組合や東京都後期高齢者広域連合等において本年度差額が赤字となったことが影響し、全体と比べて本年度差額は減少したが、全体の本年度差額の黒字に吸収され、純資産は27,454百万円増加となった。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、業務支出の主な内訳は、社会保障給付支出が87,717百万円、物件費等支出が49,415百万円、人件費が34,147百万円などとなっており、一方、業務収入は財政調整交付金及び区民税等の税収等収入が166,473百万円、国都等の補助金が66,677百万円などで、業務活動収支は29,475百万円の黒字となった。また、業務活動収支と投資活動収支をあわせるとは△659百万円と赤字だが、投資活動支出に基金積立金(資産を増やす支出)20,897百万円が含まれており、その分を差し引くと20,248百万円の黒字となり、財政の均衡が図られている状況である。財務活動収支は、地方債等発行収入が地方債償還経費を上回っていて、負債増加はないことから、資金収支上の問題はないといえる。・全体においては、本年度資金収支差額は481百万円となった。業務活動収支が一般会計等と比べて1,144百万円増加していることが要因である。各特別会計の業務活動収支も黒字のため、全体としても資金繰りが圧迫されている状況にはない。なお、一般会計等に加わる各特別会計においては、資産形成や地方債借り入れがなかったため、投資活動収支及び財務活動収支はない。
財務書類に関する情報②(2017年度)
1.資産の状況
い。有形固定資産減価償却率も、類似団体平均値に比べて低い水準となっているが、道路資産について取替法を採用していることが大きく影響している。これを加味すると約48%となる。・資産規模が大きく、保有している施設数も多いことから、個別の施設では施設更新の検討を要するものも多い。施設の再編・統廃合を含めて検討を始めており、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していく必要がある。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は非常に高く、また将来世代負担比率も非常低い状況となっている。このことから、資産規模は大きいが将来世代への負担は低くなっている。今後は老朽化した施設の更新等が大きくなるリスクが存在するので、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していくこと必要である。
3.行政コストの状況
・住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と比べて低い水準となっている。社会保障給付をはじめとした移転費用が今後も増加する見込みなので、引き続き健全財政を堅持し、計画性、持続性のある行財政運営が必要である。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均値に比べて低い水準となっている。将来世代負担比率も低く、負債の規模は非常に低い状況となっている。・基礎的財政収支は17,491百万円の黒字となっており、類似団体平均値に比べても非常に高い水準となっている。・基礎的財政収支の黒字の要因である業務収入は、財政調整交付金や特別区税の影響が大きい。それらの収入は景気に左右されやすい構造のため、楽観視できる状況ではない。今後も将来世代へ負担を先送りすることのない安定した財政基盤の構築を進めていく必要がある。
5.受益者負担の状況
・受益者負担比率は、類似団体平均値に比べて低い状況となっている。住民一人当たりコストや、基礎的財政収支の数値を踏まえると、現段階において受益者負担の見直しする状況ではないと考える。今後、税収の減少や施設の維持管理りコストの上昇など状況の変化があれば、受益者負担の在り方の変更を検討することが求められることになる。
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