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区税収入などの自主財源の割合が低く、特別区交付金や国・都支出金などの依存財源の割合が高いため、依然として類似団体平均値を下回る不安定な財政構造である。平成28年度単年では、主に待機児対策として民生費の児童福祉費が13.7%増などにより基準財政需要額は2.2%増。一方、景気の回復から特別区民税が3.3%増などにより、基準財政収入額は1.6%増となった。その結果、3年ぶりに基準財政需要額の伸びが基準財政収入額の伸びを上回った。財政力指数は基準財政収入額を基準財政需要額で除した数値の過去3年平均で求めている。平成28年度の財政力指数0.1ポイント増は、平成25年度単年の数値(0.38)が対象から外れたことによる影響もあるため、今後も健全財政を維持していく。
分母にあたる経常的一般財源等(歳入)は、財政調整交付金(普通交付金)で23億円の増、特別区税で11億円の増などにより、1,617億円(0.4%増)となった。一方、分子にあたる経常経費充当一般財源等(歳出)は、後期高齢者医療特別会計などへの繰出金が8億円の増。扶助費が待機児童対策により3億円の増などにより1,203億円(1.1%増)となった。結果、経常収支比率は前年度よりも0.6ポイント上昇し、4年連続で経常収支比率の適正範囲(70~80%)内となったものの、財政の硬直化が進んだ。適正範囲の水準を維持すべく、健全財政の取り組みを継続する。
金額増の主な要因は、人件費(共済費)で標準報酬制導入により138百万円の増となったためである。本区の人件費・物件費等決算額が平成28年度、23区の中で最も低い数値となったのは、平成12年度から着手した健全財政への取組みにより、事業の民間委託化や組織の見直しなどから人件費の増を抑え、累計1,535億円の財政効果を生み出したことによる。
23区の中で最も低い水準にある。これまで組織の効率化を進め、組織の合理的な運営に努めてきた成果である。平成28年度ラスパイレス指数は0.4ポイントの増となった。増の主な要因は、現給保障等の経過措置がなく、昇給による影響の差異(国は現給保障を実施しているため、昇給による影響が少ないことによる差異)が出たためである。
依然として23区の中でも低い水準にある。健全財政を推進するため、現業職員の退職不補充や指定管理への移行をはじめ、給与事務、庁舎管理等の内部事務や学校給食調理業務の民間委託を進め、職員数抑制に努めてきた成果である。健全財政の取組み前(平成12年度)の職員数5,057人に比べ、平成29年度は3,669人となり1,388人の減(27.4%減)となった。平成12年以降、減少を続けていた職員数は、平成29年に17年ぶりに増加(前年比+16人)に転じた。主な増員理由は、オリンピック・パラリンピック業務の増、児童相談所移管準備、子ども家庭支援センター体制強化などである。
今回実質公債費比率が0.1ポイント上昇した主な要因は、区債の元利償還金に対して総務省が算定する元利償還金・準元利償還金の地方交付税算入額が減少したためである。現時点では23区の中でも低い数値となっているものの、平成19年度から減少を続けていた指標が、平成28年度において増加に転じたことに注視しなければならない。今後、学校改築の進捗や老朽化する公共施設への対応が見込まれることから、指標が増加する可能性が高い。
将来負担額は区債残高等と退職手当支給予定額を合わせて416億円(前年度比35億円減)であったのに対し、充当可能基金額は1,797億円(前年度比202億円増)と将来負担額を上回ったため計算結果がマイナス値となり、将来負担比率は算定されなかった。これは、積立基金を一定額保有していることと、少ない地方債残高による。今後、学校改築の進捗に伴う区債残高の増や、老朽化する公共施設への対応も見込まれるため、将来世代に負担を先送りしない効率的な財政運営に努める。
平成28年度の指標は前年同率となったが、他団体と比較して極めて低い位置にある。平成13年度以降継続して取り組んでいる現業職員の退職不補充や事業の民間委託化・指定管理移行等による職員数の減が主な要因である。限りある財源を扶助費や補助費等に充てることで、区民サービスの質の維持を図るべく、不断の努力を今後も継続していく。
平成28年度は0.1ポイントの減となった。主な要因は、公園管理の指定管理から直営への移行等により、物件費が前年度比0.6億円の減(0.2%減)となった一方、歳入(経常的一般財源)が0.4%の増となったためである。今後も事業の外部委託化などによる増要因はあるが、平成24年度に類似団体平均と同位にあった指標が、改善傾向にあることから、適正な委託のあり方を常に検討する努力を続けていく。
平成28年度は0.2ポイントの増となった。主な要因は、待機児対策に係る私立保育園等委託費の増などにより、前年度比約3億円の増となったためである。類似団体内順位は、平成27年度21位から平成28年度20位となり、若干の改善が見られたものの、各分類の平均を大きく上回る位置にあることに変わりはない。扶助費(経常的経費)は平成16年度以降、施策の見直しによる平成25年度決算の0.4%減を除き、増加を続け、平成15年度決算額(167億円)の倍以上になっている。
平成28年度は、0.5ポイントの増となった。主な要因は、高齢化の進展により後期高齢者医療特別会計繰出金が約4億円の増(8.6%増)、国民健康保険事業特別会計繰出金が約3億円の増(19.9%増)などで、繰出金全体では約8億円の増(6.8%増)。「その他」全体の伸びは7.0%増となり、歳入の伸びである0.4%の増を上回ったため指標が上昇した。今後も施設の老朽化対応経費の増や、高齢化による繰出金の増が見込まれるため、将来負担を踏まえた予算管理に努めなければならない。(「その他」の内訳は、維持補修費、貸付金、繰出金。)
本区は、私立幼稚園児等保護者負担軽減補助や保育ママ助成、中小企業への利子補給・信用保証料補助等の独自事業が多く、これまで23区のなかでも指標が高く、下位に位置していた(平成24年度は22位)。平成28年度は、清掃一部事務組合負担金等の減により、補助費等は約2億円の減(2.5%減)となった。
指標は他団体と比較して極めて低いが、平成28年度は0.1ポイント増となった。主な要因は、学校改築の進捗による起債の増加から、償還経費も増となったためである。公債費が前年度比0.8億円の増(3.6%増)となった一方、歳入(経常的一般財源)が地方消費税交付金の暦の関係による減などから前年度比7億円の増(0.4%増)にとどまったため、歳出の伸びが、歳入の伸びを上回り、指標が上昇した。今後も、小・中学校の改築に伴い指標の上昇が見込まれるため、起債の適正管理に努める。
平成28年度は0.5ポイントの増となった。主な要因は、歳出の伸び(1.1%増)が、歳入の伸び(0.4%増)を上回ったためである。地方消費税交付金の暦の関係による減や、市況の影響による利子割・株式等譲渡所得割・配当割の各交付金の減が歳入の伸びを抑える形となった。指標は、類似団体の平均よりも低いものの、少子高齢化への対応による扶助費や各特別会計への繰出金の増加が見込まれるため、限られた財源で最大限の区民サービスが実現できるよう、健全財政の堅持に努める。
本区の有形固定資産減価償却率は、全体で見た際には類似団体より低い水準にある。しかしながら、体育館・プールは82.5%、保健センター・保健所は85.5%に達するなど有形固定資産減価償却率が80%を超えている。また、今後改修の必要な施設が多く見込まれる学校施設など、長期的な老朽化対策の課題がある。公共施設等総合管理計画を踏まえ、施設の維持管理・更新、長寿命化や統合・廃止を検討し、将来世代へ負担を先送りしないよう、教育施設整備基金等の特定目的基金の活用を進める。
本区では、平成13年以降継続して取り組んできた行財政改革により、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、類似団体と比べ良好な状態である。一方、有形固定資産減価償却率は、現時点では類似団体と比べ低い水準にある。現在、全国平均を下回る水準にある学校施設は、平成30年代から平成50年代にかけて大規模改修や更新が必要となる施設が多く存在し、今後、将来負担費用の増加が見込まれる。将来世代へ過度に負担を先送りしないためにも、教育施設整備基金の活用を図りつつ、財政負担の平準化に努める。
将来負担比率について、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担比率は発生していない。実質公債費比率についても起債の元利償還金を算入公債費等が上回りマイナスとなっている。今後、学校改築や老朽化する区施設の更新に伴い、起債と基金の取崩しが同時に進行する。加えて税制改正における法人住民税の一部国税化等は、依存財源の割合が高い本区への影響が大きいことから、長期的視点に立った財政運営を行っていく。
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