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前年度より0.1ポイント上昇したが、依然として類似団体中下位に留まっており、全国水準をも下回っている。担税力の高い若年層の流入等により区民税収入が対前年度比1.9%増加したが、財政調整交付金が全歳入に占める割合が36.1%と大きく依存した状況から脱することが出来ないでいる。都営住宅等を多く抱え、他の類似団体と比べ低所得世帯が多い当区の構造的な問題に起因している。今後も特別区民税の徴収強化、担税力のある世帯の定着促進等歳入確保に努めるとともに、事業評価に基づく事務事業の見直しなどにより財政基盤の安定・強化を図っていく。
特別区税は増加したものの、地方消費税交付金等の減による歳入経常一般財源が減少したことに加え、扶助費等の増による充当一般財源が9.7億円増加したことで経常収支比率が前年度比0.6ポイントの増となった。しかしながら、類似団体平均を上回り、目標としている80%以内を保持した。今後も区税等の徴収強化などによる経常一般財源の歳入確保と生活保護費の適正化による扶助費の増加抑制の工夫、行政評価に基づく事務事業の見直しによる経費の「選択と集中」を進め、適正水準を維持していく。
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づき、指定管理者制度の導入や技能系職員の退職不補充、保育園の民営化、外郭団体の整理統合等を積極的に進め、平成2年度に比して2,300人超の常勤職員定数の削減等効果を上げてきた。これにより、人口1人当たり決算額が類似団体平均を大きく下回っている。「第二次定員適正化指針」における目標であった平成21年度から28年度の8年間での対20年度比8%削減も達成している。今後も「定員管理指針」に基づいた定員管理と人件費の抑制に努めていく。
前年度よりもさらに0.2ポイント上昇し、100.2となった。これは、特別区人事委員会勧告により、給料表の増額改定を実施した影響による。類似団体中の順位は依然として下位に位置している。同一の給料表に基づく類似団体の中にあって、比較的、早期に主任主事や係長職等への昇任が遂げられていることが、結果的に指数を押し上げたと推察される。給与のさらなる適正化に向けて、今後も特殊勤務手当の見直しを検討し、時間外勤務手当の抑制に取り組む。
平成3年度から15年度の三次にわたる「定員管理適正化計画」や、16年度から20年度の「定員適正化指針」により、合計で2,059人の定数削減を達成した。さらに、21年度からは「第二次定員適正化指針」を策定し、民間委託や技能労務系職員の退職不補充という従来手法の限界を見極めつつ、さらなる民営化や外部化の推進等に取り組んでいる。その結果、28年度までの7年間で288人を削減し、類似団体内では最上位(最小)に位置し続けている。今後は「定員管理指針」に基づき、社会の変化に対応したサービス水準を確保し、効果的な行政運営に努めていく。
債務負担行為に基づく支出額が土地開発公社からの用地取得費の減により大きく減少し、前年度比で0.8ポイント改善した。公共施設の老朽化により、特に学校施設の更新経費が増加するため、新規の起債による比率上昇も見込まれているが、可能な限り起債額が元金償還額を上回らないように努めていく。引き続き適債事業を精査するとともに、施設ごとの個別計画を策定し、施設見直しや基金の活用などを図り、適正水準を維持していく。
将来負担額は、特別区債残高・債務負担行為による支出予定額・退職手当支給予定額等の合計で800億円であった。一方、基金残高等将来負担額から控除される充当可能財源等は2,664億円で、将来負担額を1,864億円と大きく上回るため、将来負担比率は算定されなかった。このように健全な状態にあるが、今後は、老朽施設の改修等により債務負担行為額の増大が見込まれ、また、既に債務負担行為設定済みの鉄道立体化事業の実質的な支出が平成32年度まで続くため、引き続き財政の健全化に努めていく。
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づき、指定管理者制度導入や技能系職員退職不補充、保育園民営化等により、平成2年度に比して2,300人超の常勤職員定数の削減など効果を挙げてきた。平成28年度の職員給は2.4億円減少し、27年度と同ポイントとなった。今後も「定員管理指針」に基づいた定員管理と人件費の抑制に努めていく。
平成28年度は、電子計算組織管理運営事務、足立保健所管理運営事務の増などにより経常的経費一般財源が3.2億円(1.1%)の増額となった。経常収支比率でも0.2ポイントの増となった。類似団体内でも2位と低い水準になっているが、今後も外部化等により増加することが見込まれ、行政評価を活用した事務事業の見直し等による「選択と集中」を進め、事業の重点化を図っていく。
平成28年度の扶助費は1,036億円で、歳出全体の37.1%を占めている。経常的経費一般財源では、374.5億円で構成比29.2%、前年度比で12.4%の増加となった。認証保育所運営費助成で19.6億円、生活保護費で7.3億円増したことが主な要因である。今後も待機児童対策、高齢者の増加に伴う社会保障関係費の増加が見込まれるが、生活保護の適正化等歳出抑制に努める。
介護保険、後期高齢者医療、国民健康保険の各特別会計への繰出金は、経常的経費充当一般財源等が合計で11.3億円増加(7.6%増)した。維持補修費も小学校施設の維持補修費等の増により、8千万円増額(7.5%増)した。経常的一般財源も増額となった結果、類似団体内順位は下がった。行政評価を活用した事務事業の見直し、「選択と集中」による事業の重点化を進め、経費の抑制を図る。
補助費では、認証保育所運営経費助成で17.7億円の減、東京二十三区清掃一部事務組合分担金の支出事務で7.3億円の減少などにより最終的に25.1億円の減(25.1%減)となった。経常収支比率についても1.5ポイントの減少となった。前回見直しから7年経過した28年度にあらためて見直しを実施した。今後も、交付実績についてはホームページにおける公表を続け、透明性の向上を図っていく。
28年度は新規起債額を元金償還額以下に抑制し、前年度比で1.3ポイント減少した。地方債残高も着実に減らしているが、残高は類似団体平均を上回っている。今後は学校等老朽化した施設の更新経費が増加するため、新規の起債による比率上昇も見込まれるが、起債額と元金償還額の適正なバランスに留意し、施設ごとの個別計画による施設見直しを図り、適正水準を維持する。
公債費以外の経常収支比率は、引き続き類似団体内で上位に位置している。これは、事務事業見直し等による不断の行政改革の成果と考えられる。数値は前年度よりも2.0ポイント増加したものの適正な状態を維持している。今後もより一層新たな歳入の確保とともに、歳出抑制を図り、見直しを行っていく。
当区の公共施設は、昭和30年代後半からの人口増加に伴い、区民福祉増進のため計画的に施設整備を進めてきた。その結果、多くの施設が築後30年を経過しており、今後、一斉に大規模な改修や建て替えの時期を迎えることから、有形固定資産減価償却率が高い傾向となっている。今後、定期的な点検・診断に基づく予防的な計画保全に移行しながら、効率的・効果的に施設の長寿命化を図れるよう、個別施設計画を策定していく。
将来負担比率については充当可能な基金、基準財政需要額参入見込み額が将来負担額を上回ることにより、マイナス算定となっているため、他の類似団体と同位である。有形固定資産減価償却率は、区内公共施設の多くが築後30年を経過しているため、類似他団体に比べ高くなっている。
将来負担比率については充当可能な基金、基準財政需要額参入見込み額が将来負担額を上回ることにより、マイナス算定となっているため、他の類似団体と同位である。実質公債費比率については、公債費に準ずる債務負担行為に係る金額が減少したことで0.1ポイント改善したものの、類似他団体を上回っている。
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