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前年度と同水準であり、類似団体中下位に留まっており、全国水準をも下回っている。担税力の高い若年層の流入等により区民税収入が対前年度比3.0%増加したが、財政調整交付金が全歳入に占める割合が37.5%と大きく依存した状況から依然として脱することが出来ないでいる。都営住宅等を多く抱え、他の類似団体と比べ低取得世帯が多い当区の構造的な問題に起因している。今後も特別区民税の徴収強化、担税力のある世帯の定着促進等歳入確保に努めるとともに、事務事業の見直し、生活保護費の適正化などにより財政基盤の安定・強化を図っていく。
特別区民税、地方消費税交付金、とりわけ財政調整交付金の歳入増等により歳入経常一般財源が増加したことに加え、地方債残高の減に伴う償還額の減による公債費充当一般財源の減少により、経常収支比率も前年度比2.4ポイント減少することができた。そのため、類似団体平均を上回り、財政構造の硬直化は改善傾向に転じた。今後も区税等の徴収強化などによる経常一般財源の歳入確保と生活保護費の適正化による扶助費の増加抑制の工夫、行政評価に基づく事務事業の見直しによる経費の「選択と集中」を進め、適正水準への回復に努めていく。
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づき、指定管理者制度の導入や技能系職員の退職不補充、保育園の民営化、外郭団体の整理統合等を積極的に進め、平成2年度に比して2,200人超の常勤職員定数の削減等効果を上げてきた。これにより、人口1人当たり決算額が類似団体平均を大きく下回り、1位となった。さらに、平成21年度から28年度の8年間で対20年度比8%削減を目標とする、「第二次定員適正化指針」の着実な推進のため、今後も公共サービス供給における官から民への展開を図り、適正な定数管理と人件費の抑制に努めていく。
前年度よりもさらに1.5ポイント低下し、100を切り改善がさらに進んだ。これは、特別区人事委員会勧告により、給料表のマイナス改定を実施した影響による。類似団体中の順位は依然として下位に位置している。同一の給料表に基づく類似団体の中にあって、これまでは、比較的、早期に主任主事や係長職等への昇任が遂げられていることが、結果的に指数を押し上げた可能性もあると推察される。給与のさらなる適正化に向けて、今後も特殊勤務手当の見直し、時間外勤務手当の抑制に取り組む。
平成3年度から15年度の三次にわたる「定員管理適正化計画」や、16年度から20年度の「定員適正化指針」により、合計で2,059人の定数削減を達成した。さらに、21年度からは「第二次定員適正化指針」を策定し、民間委託や技能労務系職員の退職不補充という従来手法の限界を見極めつつ、さらなる民営化や外部化の推進等に取り組んでいる。その結果、26年度までの5年間で217人を削減し、類似団体内では最上位(最小)に位置し続けている。今後も社会の変化に対応した適正なサービス水準の確保、維持のための体制整備を図り、効果的な行政運営に努めていく。
新規起債の抑制により特別区債残高が減小し、前年度比で1.1ポイント悪化し、依然として類似団体平均を上回り順位も下げた。今後は学校などの老朽化した施設への更新経費が増加するため、新規の起債による比率上昇も見込まれるが、可能な限り起債額が元金償還額を上回らないように努めていく。引き続き適債事業を精査するとともに、アセットマネジメントによる施設見直しや基金の活用などを図り、適正水準を維持していく。
将来負担額は、特別区債残高・債務負担行為による支出予定額・退職手当支給予定額等の合計で1,013億円であった。一方、基金残高等将来負担額から控除される充当可能財源等は2,701億円で、将来負担額を1,688億円と大きく上回るため、将来負担比率は算定されなかった。このように健全な状態にあるが、今後は、老朽施設の改修等により債務負担行為額の増大が見込まれ、また、既に債務負担行為設定済みの鉄道立体化事業の実質的な支出が平成32年度まで続くため、引き続き財政の健全化に努めていく。
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づき、指定管理者制度導入や技能系職員退職不補充、保育園民営化等により、平成2年度に比して2,200人超の常勤職員定数の削減など効果を挙げてきた。平成26年度は給与費は微減であったが、都区財政調整交付金などの経常経費充当一般財源等の伸びにより1.0ポイント減少し、類似団体平均を下回っている。今後も、適正な定数管理と人件費抑制に努める。
平成26年度は、予防接種事業などにより経常的経費一般財源が6.3億円(2.4%)の増加となった。しかし、義務的経費の減、経常的一般財源等の増加により、経常収支比率では0.4ポイントの減となった。類似団体内でも3位と低い水準になっているが、今後も外部化等により増加することが見込まれ、行政評価を活用した事務事業の見直し等による「選択と集中」を進め、事業の重点化を図っていく。
平成26年度の扶助費は950億円で、歳出全体の35.8%を占め、伸び率が鈍化したとはいえ前年度に比べ4.1%増加した。生活保護費は1.1%の伸びに留まったが、26年度は新たに臨時福祉給付金で13.7億円、障がい者自立支援給付費8.0%(8.5億円)が増加の主な要因である。今後も待機児童対策、高齢者の増加に伴う社会保障関係扶助費の増加が見込まれるが、生活保護の適正化、事務事業の見直し等により歳出抑制に努める。
介護保険、後期高齢者医療、国民健康保険の各特別会計への繰出金は、経常的経費充当一般財源等が合計で約7.4億円増加(5.5%増)した。維持補修費においても公園・親水施設維持管理費の増等により、2千万円増額(2.0%増)した。義務的経費、経常的一般財源ともに増額となった結果、経常収支比率も類似団体内順位も変わらなかった。行政評価を活用した事務事業の見直し、「選択と集中」による事業の重点化を進め、経費の抑制を図る。
清掃一部事務組合分担金の減1.5億円、国民体育大会推進事業1.5億円の減少もあったが、幼稚園就園奨励2.7億円、認証保育所運営経費助成1.5億円などの増加などにより最終的に1億円増額(0.7%増)となった。経常収支比率は前年度よりも0.3ポイントの減少である。補助金について21年度の前回見直しから6年経過するため、あらためて見直しを実施し、交付実績もホームページにおける公表を続け、透明性の向上を図る。
平成26年度は新規起債額を元金償還額以下に抑制し、前年度比で1.0ポイントと減少を続けている。特別区債残高も着実に減らしているが、類似団体中上位の残高を抱えている。今後は学校等の老朽化した施設への更新経費が増加するため、新規の起債による比率上昇も見込まれるが、起債額と元金償還額の適正なバランスに留意するとともに、アセットマネジメントによる施設見直しや基金活用などを図り、適正水準を維持する。
公債費以外の経常収支比率は、順位を上げ、引き続き類似団体内で上位に位置している。これは、事務事業見直し等による不断の行政改革の成果と考えられる。数値は前年度よりも0.4ポイント減少し、財政構造の硬直化は改善傾向にある。今後もより一層新たな歳入の確保とともに、歳出抑制を図り、見直しを行っていく。
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