2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
財政力指数は、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得たものの3か年間平均値です。平成29年度の財政力指数は、前年度より0.01ポイント増加しました。類似団体平均値との比較では、0.1ポイント上回っています。平成29年度は基準財政収入額、基準財政需要額ともに前年度と比較して減となりました。特別区税は引続き増となったものの、義務的経費も増となっていることから、より一層事務事業の見直しなどを行い、バランスのとれた財政運営を目指していきます。
経常収支比率は、毎年度、経常的に支出される経費に充当された一般財源の額が、経常的に収入される一般財源などの合計額に占める割合です。29年度の経常収支比率は、前年度を0.4ポイント下回りました。これは、経常的経費充当一般財源等が約8億円増加したものの、経常的一般財源等総額が約12億円増加したことによるものです。類似団体平均値との比較では、2.1ポイント上回っています。今後も、経常的な経費の縮減を図り、収支の均衡と共に、財政構造の弾力性を維持することで、安定的かつ健全な財政運営に努めていきます。
人件費は前年度と比較して2.5%の減、物件費は7.1%の増となりました。類似団体平均値と比較して高い要因として、人件費については、福祉系職員が多い傾向にあることによります。また物件費については、各種委託費等の増の影響によるものです。今後も継続的に職員数の適正化及び事務の効率化に努めていきます。
ラスパイレス指数は、国家公務員の給料を100とした場合の地方公務員の給与水準を指数で表したものです。平成30年4月1日現在のラスパイレス指数は、平成30年調査結果が未公表のため、前年の100.1を引用していますが、類似団体平均値との比較では、0.5ポイント上回っています。概ね国家公務員の給与水準と均衡していますが、今後も引き続き職員給与の適正化に努めていきます。
類似団体と比較して保育園、児童館で勤務する福祉系職員が多い傾向にありることから、人口千人当たり職員数も類似団体平均値と比べて大きくなっています。職員数の適正化については、これまで職員数の削減に鋭意取り組んできました。具体的には、「第3期基本構想実施計画」(平成29年度~平成31年度)に基づき、多様化する区民ニーズに的確に対応していくため、新たな業績評価等を通じ事務事業の徹底した見直しを行うとともに、組織の見直し及び各部署の事務量の変化に応じて、引き続き職員数の適正化に努めていきます。
実質公債費比率は、借入金の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化したものであり、地方公共団体の一般会計等の支出のうち、義務的に支出しなければならない経費である公債費やそれに準じた経費を、その団体の標準財政規模から一定額を控除し、除したものの3か年間平均値で、資金繰りの危険度を示すものです。平成29年度の実質公債費比率は、前年度より0.2ポイント減少し、平成17年度から12年連続の減少となりました。類似団体平均値との比較では、平成19年度以降、下回って推移しており、平成29年度も1.2ポイント下回っています。
将来負担比率は、地方公共団体の一般会計の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高の程度を指標化したものであり、地方公共団体の一般会計等が将来的に負担すべき実質的な負債にあたる額(将来負担額)から負債の償還に充てることができる基金等(充当可能財源等)を控除した上で、その団体の標準財政規模から一定の額を控除して除したもので、将来における財政の圧迫する可能性の高さを示すものです。平成29年度の将来負担比率は、将来負担額に対して充当可能財源等が上回っているため、引き続き0.0となっています。
平成29年度の人件費の経常収支比率は、退職手当の減により前年度より1.4ポイント減少しました。類似団体平均値との比較では、大きく上回って推移しています。平成28年度は、平成19年度の団塊の世代の職員の大量退職期以来の2度目のピークであったことから、平成29年度の人件費は大幅な減となりました。今後も引き続き職員数の適正化などを進め、人件費総額の抑制に努めていきます。
平成29年度の経常収支比率における物件費の割合は、委託料等の増の影響により前年度より1.1ポイントとの増加となりました。類似団体平均値との比較では、平成29年度は3.6ポイント上回っています。今後も引き続き、事務事業の効率化と見直しなどにより、経費の削減に努めていきます。
平成29年度の扶助費の経常収支比率は、前年度より0.3ポイント増加し、12年連続の増加となりました。これは児童の保育委託等の増が主な要因となっています。類似団体平均値との比較では、大きく下回って推移しており、平成29年度も5.8ポイント下回っています。本格的な少子高齢社会が進展する中、子育て支援施策・高齢者施策・障害者施策の充実など、社会保障関係経費の増加傾向は今後も継続する見込みです。
その他は、維持補修費、繰出金、貸付金の合計となります。平成29年度の経常収支比率は、前年度より0.1ポイント減少しました。類似団体平均値との比較では、平成29年度は0.9ポイント下回っています。その他は繰出金の占める割合が大きいため、今後も引き続き、適正に公営事業等への繰出しを行っていきます。
平成29年度の補助費等の経常収支比率は、前年度と同数値となりました。類似団体との比較では、平成16年度以降ほぼ同水準で推移しています。今後も引き続き、適切な執行に努めていきます。
平成29年度の公債費の経常収支比率は、昨年度と比べ0.3ポイントの減となりました。類似団体平均値との比較は、平成29年度は0.6ポイント下回っています。今後も、世代間の負担の公平性、地方債残高、年度ごとの償還規模などを考慮しながら、計画的な特別区債の発行に努めていきます。
平成29年度の公債費以外の経常収支比率は、前年度より0.1ポイント減少と、ほぼ同数値となりました。類似団体平均値との比較では、平成23年度以降、7年連続上回って推移しており、平成29年度は2.7ポイント上回っています。今後も引き続き、経費の削減と適切な執行に努めていきます。
(増減理由)・当初予算編成における歳入不足を補てんするため「財政調整基金」を39億円取り崩すとともに、各種施設整備費に充当するため「学校施設建設整備基金」「区民施設整備基金」を24億円取り崩した一方で、今後引き続く学校改築等に備えて「学校施設建設整備基金」に54億円を積み立てるとともに、「財政調整基金」への積立を行ったこと等により、基金全体として、10億円の増となりました。(今後の方針)・適切な予算編成と執行により生じた財源を基金に積み立てます。施設整備関係の基金については、公共施設の老朽化に伴う改築・改修に有効に活用していきます。財政調整基金については、中長期的な財政状況を見据え、単年度の収支不足額を削減し、繰入額の抑制に努めます。・各予算編成の段階などの機会を捉えて、基金の積立・取崩の状況を区民の方にさらにわかりやすく公表します。
(増減理由)・当初予算編成における歳入不足を補てんするための取り崩し額(39億円)が、9月補正予算編成における新規積立(15億円)等の積立額を上回ったことが、基金残高の減要因です。(今後の方針)・適切な予算編成と適切な予算執行により生じた財源を基金に積み立てます。また、単年度の収支不足額を削減して基金の繰入抑制を行い、基金残高の維持に努めます。
(増減理由)・利子積立70万7千円の増加が基金残高の増要因です。(今後の方針)・特別区債の満期一括償還に備え、返済年度までの間に毎年計画的に積立を行います。また、返済年度には、それまでに積み立てた基金を取り崩し償還金に充当します。
(基金の使途)「学校施設建設整備基金」:学校の施設建設及び整備「区民施設整備基金」:区民施設等(学校施設を除く。)の建設及び整備「子ども宅食プロジェクト基金」:子ども宅食プロジェクト事業の運営(増減理由)「学校施設建設整備基金」:学校施設の快適性向上事業、本郷小学校の教室増設、小・中学校の外壁改修等、学校施設の整備に活用するため、14億円を取り崩して工事費に充当する一方で、今後引き続く学校改築等に備え、54億円の新規積立を行いました。「区民施設整備基金」:文京スポーツセンター・教育の森公園施設の改修工事、小石川福祉作業所改修工事、肥後細川庭園整備などに活用するため、10億円を取り崩して工事費に充当しました。新規積立は行っていません。「子ども宅食プロジェクト基金」:クラウドファンディングの手法等により募った寄付金(7千万円)を、全額基金に積み立てました。また、2千万円を取り崩し、事業を実施するコンソーシアム(共同体)の事業補助に充当しました。(今後の方針)「学校施設建設整備基金」「区民施設整備基金」:適切な予算編成と適切な予算執行により生じた財源を基金に積み立てます。また、今後引き続く施設の整備に活用するため、基金を取り崩して事業に充当します。「子ども宅食プロジェクト基金」:引き続き、子ども宅食プロジェクト寄付金を原資として基金に積み立て、基金を取り崩して事業経費に充当します。
有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあります。本区では平成29年に公共施設等総合管理計画を策定しており、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めています。
有形固定資産減価償却率が前年度から0.3ポイントプラスになっています。これは区有施設が経年による老朽化が進んだことが要因だと考えられます。
実質公債費比率については、前年度より0.2ポイントマイナスになっていますが、29年度単年度での健全性は縮小しています。これは総務省が定める元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額の数値が2.41%減少したことが要因となっています。
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