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財政力指数は、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得たものの3か年間平均値です。平成28年度の財政力指数は、前年度より0.01ポイント増加しました。類似団体平均値との比較では、0.07ポイント上回っています。平成28年度は基準財政収入額、基準財政需要額ともに前年度と比較して増となりました。特別区税は引続き増となったものの、義務的経費も増となっていることから、より一層事務事業の見直しなどを行い、バランスのとれた財政運営を目指していきます。
経常収支比率は、毎年度、経常的に支出される経費に充当された一般財源の額が、経常的に収入される一般財源などの合計額に占める割合です。平成28年度の経常収支比率は、適正水準値となった前年度を6.0ポイント上回りました。これは、経常的経費充当一般財源等が約21億円増加したことに加え、経常的一般財源等総額が約17億円減少したことによるものです。類似団体平均値との比較では、3.5ポイント上回っています。今後も、扶助費などの増加が見込まれるため、経常的な経費の縮減を図り、収支の均衡と共に、財政構造の弾力性を維持することで、安定的かつ健全な財政運営に努めていきます。
人件費は前年度と比較して3.9%の増、物件費は7.0%の増となりました。類似団体平均値と比較して高い要因として、人件費については、福祉系職員が多い傾向にあることによります。また物件費については、各種委託費等の増の影響によるものです。今後も継続的に職員数の適正化及び事務の効率化に努めていきます。
ラスパイレス指数は、国家公務員の給料を100とした場合の地方公務員の給与水準を指数で表したものです。平成29年4月1日現在のラスパイレス指数は、前年と比較すると、0.4ポイント増加しました。これは、大卒20~25年の経験年数階層の変動により0.3ポイント、給与制度の総合的見直し等に伴う国と特別区の対応の相違により0.1ポイント上がったことによるものです。今後も引き続き職員給与の適正化に努めていきます。
類似団体と比較して保育園、児童館で勤務する福祉系職員が多い傾向にあることから、人口千人当たり職員数も類似団体平均値と比べて大きくなっています。職員数の適正化については、これまで職員数の削減に鋭意取り組んできました。具体的には、「行財政改革推進計画」(平成24年度~28年度)及び「行財政改革推進計画」を包含した「第3期基本構想実施計画」(平成29年度~)に基づき、多様化する区民ニーズに的確に対応していくため、新たな業績評価等を通じ事務事業の徹底した見直しを行うとともに、組織の見直し及び各部署の事務量の変化に応じて、引き続き職員数の適正化に努めていきます。
実質公債費比率は、借入金の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化したものであり、地方公共団体の一般会計等の支出のうち、義務的に支出しなければならない経費である公債費やそれに準じた経費を、その団体の標準財政規模から一定額を控除し、除したものの3か年間平均値で、資金繰りの危険度を示すものです。平成28年度の実質公債費比率は、前年度より0.4ポイント減少し、平成17年度から11年連続の減少となりました。類似団体平均値との比較では、平成19年度以降、下回って推移しており、平成28年度も1.4ポイント下回っています。
将来負担比率は、地方公共団体の一般会計の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高の程度を指標化したものであり、地方公共団体の一般会計等が将来的に負担すべき実質的な負債にあたる額(将来負担額)から負債の償還に充てることができる基金等(充当可能財源等)を控除した上で、その団体の標準財政規模から一定の額を控除して除したもので、将来における財政の圧迫する可能性の高さを示すものです。平成28年度の将来負担比率は、将来負担額に対して充当可能財源等が上回っているため、引き続き0.0となっています。
平成28年度の人件費の経常収支比率は、退職手当の増により前年度より2.0ポイント増加しました。類似団体平均値との比較では、大きく上回って推移しています。平成28年度は、平成19年度の団塊の世代の職員の大量退職期以来の2度目のピークとなりました。今後も引き続き職員数の適正化などを進め、人件費総額の抑制に努めていきます。
平成28年度の経常収支比率における物件費の割合は、委託料等の増の影響により前年度より1.3ポイントとの増加となりました。類似団体平均値との比較では、平成28年度は2.6ポイント上回っています。今後も引き続き、事務事業の効率化と見直しなどにより、経費の削減に努めていきます。
平成28年度の扶助費の経常収支比率は、前年度より1.9ポイント増加し、11年連続の増加となりました。これは児童の保育委託等の増が主な要因となっています。類似団体平均値との比較では、大きく下回って推移しており、平成28年度も5.1ポイント下回っています。本格的な少子高齢社会が進展する中、子育て支援施策・高齢者施策・障害者施策の充実など、社会保障関係経費の増加傾向は今後も継続する見込みです。
その他は、維持補修費、繰出金、貸付金の合計となります。平成28年度の経常収支比率は、前年度より0.9ポイント増加し、4年ぶりの増加となりました。類似団体平均値との比較では、平成28年度は0.6ポイント下回っています。その他は繰出金の占める割合が大きいため、今後も引き続き、適正に公営事業等への繰出しを行っていきます。
平成28年度の補助費等の経常収支比率は、前年度より0.1ポイント減少しています。類似団体との比較では、平成16年度以降ほぼ同水準で推移しています。今後も引き続き、適切な執行に努めていきます。
平成28年度の公債費の経常収支比率は、前年度まで8年連続で減少していましたが、今年度は昨年度と同数値となりました。類似団体平均値との比較は、平成28年度は0.5ポイント下回っています。今後も、世代間の負担の公平性、地方債残高、年度ごとの償還規模などを考慮しながら、計画的な特別区債の発行に努めていきます。
平成28年度の公債費以外の経常収支比率は、前年度より6.0ポイント増加となりました。これは、公債費が前年度と同率だったにもかかわらず、人件費、扶助費等が増となったことが要因となっています。類似団体平均値との比較では、平成23年度以降、6年連続上回って推移しており、平成28年度は4.0ポイント上回っています。
実質公債費比率については、前年度より0.7ポイントマイナスになっています。これは償還終了事業があったことや満期一括債償還がなかったことにより、分子である「地方債元利償還金+準元利償還金」が11.4%減少し、分母である標準財政規模の数値が7.8%増加したことが要因となっています。
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