収益等の状況について
①収益的収支比率は老朽化による施設修繕が増えたことにより総費用が増加し、落ち込みました。②他会計補助金比率は、類似施設平均よりは低い値ですが、前年比横ばいとなりました。コロナ禍の中でも工夫をし、前年程度の集客を得ましたが、③宿泊者一人当たりの他会計補助金額は、類似施設平均よりは低い値ですが、老朽化による施設修繕費の増があり上昇したものです。④同じ理由で、定員稼働率は、横ばいとなりました。⑤売上高人件費比率は類似施設平均よりは低い値ですが、コロナ禍の中でも工夫をして売上高の微増と、それに伴う人件費の微増により横ばいとなりました。⑥売上高GOP比率は売上高は微増でしたが、施設老朽化による修繕費用の増の影響で落ち込んでいます。⑦EBITDAは施設老朽化による修繕費用の増の影響で、値が下振れしています。
資産等の状況について
⑩設備投資見込み額は、風呂のボイラーや空調設備などの経年劣化による修繕を行いました。今後は、築後18年を迎え、更に老朽化による設備投資が増えることが予想されます。⑫企業債残高料金収入比率については、観光施設事業に関わる企業債は平成27年度に完済、平成24年度から指定管理者制度を導入し、現在は料金収入もないため0%となっています。
利用の状況について
⑬施設と周辺地域の宿泊客動向については、当該施設及び周辺地域それぞれの延宿泊者数が、所在都道府県の延宿泊者数に占める割合の推移を表す指標です。公営企業(当該施設)の宿泊者数は、令和2年度と比較しわずかながらコロナの影響が少なくなり微増となる一方、周辺地域(所在市町村)の宿泊需要は上昇傾向にあります。公営企業(当該施設)の需要が低下していると考えられるため施設のあり方について再検討します。
全体総括
当該施設については平成16年度から事業を開始し、平成24年度からは指定管理制度を導入して運営しています。一般会計からの繰入金に依存しているため、より一層の経営改善により宿泊者数を増加させ、独立採算の運営が求められています。当該施設は下久保ダムや城峯公園といった施設が近くにある立地で、観光客が多く訪れる場所ではありますが、山中にあり、冬季には路面の凍結が発生するなど、閑散期における宿泊客獲得に向けた対応が必要です。コロナ禍による観光不況の中、利用客数を横ばいに食い止めていますが、感染防止と経営努力を両立させる難しい状況があります。