経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率新規供用地区が増えたことによりH25年度は減少したが、地方債償還額の減少等により、H26以降は微増ながら上昇傾向を示している。⑤経費回収率類似団体平均よりも高い水準ではあるが、汚水処理費を使用料のみでは賄えていない状況である。汚水処理費の増加に比べ使用料収入は横ばいであったため、前年度よりも2ポイントの低下となった。⑥汚水処理原価類似団体平均よりも安く抑えられているが、新規事業立上げにより汚水処理費が増加したため前年度よりも9.42円の上昇となった。⑦施設利用率類似団体平均よりも高い水準を維持しているが、前年度よりも0.7ポイント減少した。類似団体に比べて効率的に稼働していると言えるが、処理能力的には余裕があるため、引き続き未接続世帯の早期接続を促進していく。⑧水洗化率前年度より1.56ポイント上昇したものの、ここ数年は、類似団体平均よりも低い水準となっている。今後も未接続世帯の早期接続を促進していく必要がある。
老朽化の状況について
管渠改善率については、一般的な管渠の耐用年数である50年に達していないことから、更新は発生していない状況であるため数値化されていない。しかし、今後施設の老朽化の進行が懸念されるため、処理施設及び管路施設の計画的な機能保全対策が必要となってくる。
全体総括
H28年度より最適整備構想の策定に着手し、当年度は機能診断調査委託を実施したことから、汚水処理費が増加したが、使用料収入は横ばいであったため、全体的な指標は若干の低下となった。依然として汚水処理費を使用料では賄えきれず、基準外繰入金により補てんしている状況であり、効率的な事業運営が求められている。今後、新たな整備地区はないため使用料収入の大幅な増収は見込めない一方で、施設の老朽化は進行していくことから、維持管理費の増加が予想され、施設の長寿命化等の機能保全対策の実施によるトータルコストの削減が必要である。また、大規模改修時に財源不足とならないよう、将来必要な投資額を的確に把握し、適切な時期に料金改定を検討するとともに、施設の統合や公共下水道への接続による維持管理経費削減策も検討していく必要がある。