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2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
類似団体と比べると、市税収入が安定しているため、類似団体の平均を上回っている。近年は数値が横ばい傾向にある。単年度の算定結果では、平成27年度0.979、平成28年度0.981、平成29年度0.973と推移しており、前年度と比較して低下しているため、税の徴収強化等による税収増加等による歳入の確保に引き続き努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
普通建設事業費の増加に伴い、公債費の増加や子育て支援などによる扶助費が増加したことなどから前年度に比べ1.8ポイント数値が悪化した。類似団体と比較するとやや財政の硬直化が進んでいる状況であり、経常一般財源に占める人件費の割合が高いことが一因と考えられる。今後も公債費や扶助費は増加が見込まれるため、引き続き、市民税を始めとする自主財源の確保や事務事業の見直しによる経常経費の削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
業務の民間委託化に伴う人件費から委託料(物件費)へのシフトを背景として、人件費が類似団体の平均を下回っている反面、物件費が類似団体平均を上回っており、人口1人当たり人件費・物件費等の決算額としては、類似団体平均よりやや低い状態にある。平成29年度は、県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により、大幅に人件費が増加した。今後も、適正な定員管理計画を進めるだけでなく、指定管理者制度、PFI等、民間活力の導入の推進や、既存事業の更なる見直しによりコスト削減を図る。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
指数が類似団体平均と比較して高い数値で推移している主な要因として、高齢層職員の給料月額の影響が考えられる。この現状を踏まえ、平成28年度から市人事委員会勧告に基づく「給与制度の総合的見直し」を実施し、給料表水準の引き下げと世代間の給与配分の適正化に取り組んでいる。※なお、平成29の数値については、給与実態調査公表前であるため、前年数値を引用している。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
権限移譲や制度改正等に伴い、業務量も増大していく中で、適正な職員数を確保していくため、平成30年3月に策定した「職員のマンパワー確保取組計画」に基づき、事業のスクラップや行財政改革の取組を着実に反映しながら、総人件費の抑制に配慮しつつ、業務量に対して最適と考える人員配置に努めている。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
地方債の残高が低水準であるうえに、合併特例債などの財政措置の有利な地方債の割合が高いため、類似団体平均と比較して良好な指数となっている。例年、安定して良好な指数で推移しているが、今後のインフラ整備や施設の老朽化を見据え、普通建設事業の平準化を図りながら、今後も有利な地方債を活用し、現在の水準の維持に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
類似団体平均を下回っているものの、前年度より指標が悪化した主な要因として、普通建設事業費に係る地方債現在高の増加や公営企業債等繰入見込額が事業進捗に伴い増加したこと、並びに、県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により退職手当負担見込額が増額となったことがあげられる。今後も公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により、大幅に比率が上昇している。一方で、類似団体平均と比較し、住民一人当たりの人件費合計額は低い水準で推移している。今後も時間外勤務の縮減に向け、業務の集約化・委託化を推進するとともに、働き方の見直しに資する取組を継続的に実施し、人件費の削減に努める。
物件費
物件費の分析欄
県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により、経常一般財源が増加しているため、住民一人当たりの物件費の比率は下降しているが、依然として委託料等が類似団体平均と比較して高い水準で推移している。今後も、既存事業の更なる見直しを行うことにより、コストの削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により、経常一般財源が増加しているため、住民一人当たりの扶助費の比率は下降しているが、急速な高齢化や子育て支援策の拡大により、比率は上昇傾向にある。今後も扶助費は増加傾向であるため、市民の健康づくりに取り組む施策を推進する等、将来的な扶助費の抑制等を図る。
その他
その他の分析欄
県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により、経常一般財源が増加しており、住民一人当たりの比率は下降している。また、比較的老年人口が少ない(平成27年国勢調査における65歳以上人口全国:26.6%、さいたま市:22.8%)ため、後期高齢者医療事業会計等への繰出金は、比較的少ない状況にある。しかしながら、少子高齢化を背景に繰出金が増加傾向と見込まれるため、負担の増大に備えることが必要である。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体と比較し、大規模な法適用公営企業会計(電車、バス等の交通事業など)を有していないため、公営企業に対する繰出金が比較的少額であり、補助費等の比率が、類似団体平均と比較し、低い状況が続いている。今後も各種補助金等について、成果指標を設定し、事業効果の検証を実施するなど、補助金支出の適正化を図る。
公債費
公債費の分析欄
市民ニーズに対応した事業の選択と集中を進め、普通建設事業費の平準化を図ってきたことで、市債残高が類似団体の中で低い水準となっている。ただし、小・中学校の建設や、老朽化に伴う公共施設の建替えや耐震化など普通建設事業費の増加が予想されるため、今後も後年度の公債費負担を踏まえながら、事業展開を進める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
類似団体と比べ、決算額に占める公債費の割合が小さいことから、公債費以外の経費が相対的に大きくなっている。特に、少子高齢化の影響による扶助費の増加などを背景に、経常的な経費が増加している。今後も、既存事業の見直し等によりコスト削減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
目的別歳出の分析欄
主な構成項目である民生費は増加傾向にあり、主な理由としては、民間認可保育所等の整備等に伴う運営給付費や障害者自立支援給付費が増加していることや高齢化の進展に伴い後期高齢者医療事業や介護保険事業へ、市負担の繰出金が増加していることが挙げられる。変動が大きい項目として、総務費は、平成29年度に市民会館おおみやの整備及び本庁舎の耐震補強工事を実施したことにより一時的に増加している。教育費は、県費負担教職員の給与負担事務の権限移譲に伴い大幅に増加している。また、土木費は平成28年度まで減少傾向にあったが、平成29年度における増加は、長距離バスターミナル整備用地などにおける事業用地の取得が主な要因である。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
性質別歳出の分析欄
主な構成項目である扶助費については、近年、民間認可保育所等の整備等に伴う運営給付費の増加、障害者自立支援給付費の増加が著しく、年々住民一人あたりの扶助費が増加傾向となっている。類似団体平均と比較すると低い水準にはあるものの、健全財政の維持に努め、今後の負担の増大に備える。次に金額の大きい人件費は、主に県費負担教職員の給与負担事務の権限移譲に伴い増加したものであるが、今後も、働き方改革を推進し、時間外勤務の縮減に向けた取組を継続的に実施することで人件費の削減に努める。普通建設事業費は、長距離バスターミナル整備用地の取得などを背景に、前年度比で事業費が増加したことから類似団体平均を上回った。今後も事業の選択と集中、そして事業費の平準化に努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄財政調整基金残高は、適切な財源の確保と歳出の精査により、取崩しを回避しており、基金に頼らない健全な財政運営を行えている。また、前年度と比較し、実質収支額が約14億円の増、標準財政規模に占める割合では約0.35ポイントの増となり、実質単年度収支も標準財政規模に占める割合では約0.59ポイントの増となっている。今後も行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄黒字額は減少傾向にあるものの、全ての会計で黒字となっていることから、健全な財政運営を行えている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄元利償還金等については、臨時財政対策債等の元利償還金が増加した。一方、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、土地区画整理事業の保留地処分金が増加したこと等に伴い減少した。債務負担行為に基づく支出額は、埼玉高速鉄道株式会社借入金に対する損失補償により平成26年度に増額したが、当該損失補償が完了したため、例年並みの金額となっている。算入公債費等については、都市計画事業の財源として発行された地方債償還額に充当する都市計画税が公債費の減に伴い減少した。今後も有利な地方債を活用しながら、市債残高を見据えた普通建設事業の平準化に努め、現在の水準の維持に努める。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄将来負担額(A)については、債務負担行為に基づく支出予定額が事業の進捗により減少したものの、普通建設事業費に係る地方債現在高の増加や公営企業債等繰入見込額が事業進捗に伴い増加したこと、並びに、県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により支給対象者数が増加したことから退職手当負担見込額が増額となったこと等により、前年度と比較し約402億円増加した。充当可能財源等(B)については、都市計画税収の増加等により、充当可能特定歳入は前年度と比較し約118億円増加した。将来負担比率の分子が増加傾向にあることから、今後も将来世代への負担を少しでも軽減するよう、財政の健全化に努める。
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基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)基金の目的に沿った事業の財源として特定目的基金から977百万円取り崩す一方、市債の償還に必要な資金として「減債基金」に1,659百万円を積み立てたこと、庁舎整備に必要な経費の財源を確保するため「庁舎整備基金」に500百万円積み立てたこと等により、基金全体としては1,903百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金は、財政の年度間調整を図るため、予算編成において財源不足が生じた場合、取崩しを行う。また、決算において剰余金が生じた場合には、地方財政法の規定に基づき、積立てを行う。減債基金は、市債の償還に必要な財源に不足が生じた場合、取崩しを行う。公共施設マネジメント基金は、公共施設の計画的な保全及び更新を行っていくことから、継続して積立てを行うとともに、必要な財源に充てるため、取崩しを行う。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)預金等の運用により生じた利子1百万円を積立てた結果、基金残高が1百万円増となった。(今後の方針)決算において剰余金が生じた場合には、地方財政法の規定に基づき、積立てを行う。また、財政の年度間調整を図るため、予算編成において財源不足が生じた場合、取崩しを行う。
減債基金
減債基金
(増減理由)用地先行取得特別会計において公共用地先行取得等事業により取得した用地を一般会計が再取得したため、市債の残高に相当する額の積立てを行ったこと等により、基金残高が1,328百万円増となった。(今後の方針)平成31年度に用地先行取得特別会計において公共用地先行取得等事業により取得した用地を一般会計が再取得するため、市債の残高に相当する51百万円を積み立てることを予定している。一方、市債の償還のため、平成30年度から平成36年度にかけて、合計1,378百万円を取り崩すことを予定している。また、市債の償還に必要な財源に不足が生じた場合、取崩しを行う。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・庁舎整備基金:庁舎(本庁舎又は区役所庁舎)の整備に必要な経費への充当・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新に必要な経費への充当(増減理由)・庁舎整備基金:庁舎整備に必要な経費の財源を確保するため、500百万円の積立てを行ったこと等により、基金残高が501百万円増となった。・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新を行うため、1,000百万円の積立てを行った一方、921百万円の取崩しを行ったこと等により、基金残高が80百万円増となった。(今後の方針)・庁舎整備基金:庁舎整備に必要な経費の財源を確保するため、継続して積立てを行う。・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新に必要な経費の財源を確保するため、継続して積立てを行う。一方で、保全及び更新に必要な経費の財源に充てるため、取崩しを行う。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
類似団体より低い水準にあるが、公共施設の建物・工作物等において耐用年数に対する使用期間の経過が進んでいる状況から、有形固定資産減価償却率の上昇が認められる。各公共施設については、計画的に大規模修繕等の予防保全工事に取り組んでいるところであるが、公共施設の多くを占める学校施設について老朽化が進んでいることから、今後も計画的に改修・更新を進めていく必要がある。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を下回り、比較的健全な財政を維持している。しかしながら、今年度においては、県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲により将来負担比率が増加するとともに、公共施設等の老朽化により有形固定資産減価償却率が増加している。引き続き「さいたま市公共施設マネジメント計画・第1次アクションプラン」に基づき、計画的に公共施設等の建替えや大規模改修等を行っていく必要があるが、地方債の発行に伴い、将来負担比率が増加していくことが見込まれる。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率及び実質公債費比率について、類似団体平均値を下回り、比較的健全な財政を維持している。しかしながら、今年度においては、県費負担教職員に係る給与負担事務の権限移譲、新設美園地区小・中学校建設事業、さいたま市子ども家庭総合センター整備事業等の実施等により将来負担比率が増加するとともに、臨時財政対策債等の元利償還金が増加したこと等により実質公債費比率が増加した。今後も公共施設等の改修に伴う地方債の発行により将来負担比率の増加が見込まれるため、引き続き交付税措置のある地方債の活用を検討する。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は公営住宅及び学校施設であり、特に低くなっている施設は認定こども園・幼稚園・保育所及び児童館となっている。公営住宅については、「さいたま市市営住宅等長寿命化計画」に基づき、順次建替えや長寿命化工事に取り組んでいるところである。学校施設については、耐用年数に対する使用期間の経過が進んでいる施設が多く、平成27年に策定した「さいたま市学校施設リフレッシュ基本計画」に基づき、計画的に建替え・改修を行っている。認定こども園・幼稚園・保育所については、老朽化した既存施設の建替え・改修に順次取り組んでいることにより数値が減少している。児童館については、比較的新しい施設が多いため、類似団体よりも有形固定資産減価償却率が低い状況であるが、今後も計画的に大規模修繕等の予防保全工事を実施し、長寿命化に取り組んでいく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は市民会館であり、特に低くなっている施設は図書館、一般処理廃棄物処理施設、保健センター・保健所及び消防施設である。市民会館については、市民会館おおみや・市民会館うらわの移転整備を予定しており、将来的には有形固定資産減価償却率の低下が見込まれる。図書館については、築後20年以上となっている施設が全体の40%以上となっていることから、平成28年度に「さいたま市図書館施設リフレッシュ計画」を策定し、計画的な改修や予防保全工事等を進めている。一般処理廃棄物処理施設については、平成27年度に供用を開始した「桜環境センター」により、有形固定資産減価償却率が低い状況となっているが、他の環境センターは老朽化が進んでいることから、一部の環境センターの更新・統合を進めている。保健センター・保健所及び消防施設については、本市が政令市に移行後に新設した施設が多いため、有形固定資産減価償却率が低くなっている。
財務書類に関する情報①(2017年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から29,556百万円増加した。金額が大きいものとしては、長距離バスターミナルの整備用地の取得(5,750百万円)、子ども家庭総合センターの建設(3,935百万円)等による有形固定資産の増加が挙げられる。また、負債総額が前年度末から42,288百万円増加した。大きな理由としては、県費負担教職員の給与負担等の移譲等により退職手当引当金が23,686百万円増加したことが挙げられる。全体においては、資産総額が前年度末から37,089百万円増加した。このうち公営事業会計は、水道事業会計における工作物の増加等により7,533百万円増加した。また、負債総額が前年度末から46,178百万円増加した。このうち公営事業会計は、病院事業会計における地方債等の増加等により3,890百万円増加した。連結においては、資産総額が前年度末から37,924百万円増加した。このうち連結対象団体は、平成29年度から埼玉県都市競艇組合を連結の対象としたこと等により835百万円増加した。また、負債総額が前年度末から46,295百万円増加した。このうち連結対象団体は、平成29年度から埼玉県都市競艇組合を連結の対象としたこと等により117百万円増加した。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は437,195百万円(業務費用244,288百万円及び移転費用192,907百万円)となった。最も多くを占めるものは人件費(124,930百万円)で、次いで社会保障給付(122,088百万円)、物件費等(111,124百万円)となり、これらで純行政コストの80.4%を占めている。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の移譲等による職員給与費の増(+43,286百万円)及び当該職員に係る退職手当引当金の全額繰入れ(臨時損失)(+25,841百万円)が純行政コストを増加させている。今後も適正な定員管理を進めるだけでなく、指定管理者制度、PFI等、民間活力の導入の推進や、既存事業の更なる見直しにより純行政コストの削減を図る必要がある。全体においては、純行政コストが84,811百万円増加した。このうち公営事業会計は、介護保険事業特別会計における保険給付(社会保障給付)の増加等により、4,797百万円増加した。連結においては、純行政コストが89,907百万円増加した。このうち連結対象団体は、埼玉県後期高齢者医療広域連合における保険給付(社会保障給付)の増加等により、5,096百万円増加した。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、財源が446,271百万円、純行政コストが445,580百万円、本年度差額が691百万円となり、純資産残高は1,106,948百万円となった(△12,732百万円)。今後は社会保障給付の増加が見込まれることから、市税における収納率の向上、国庫補助金の活用等により財源を確保するよう努める必要がある。全体においては、前年度末から純資産残高が9,088百万円減少した。このうち公営事業会計は、介護保険事業特別会計における保険料(税収等)の増加等により3,644百万円増加した。連結においては、前年度末から純資産残高が8,369百万円減少した。このうち連結対象団体は、埼玉県後期高齢者医療広域連合における負担金(税収等)の増加等により719百万円増加した。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は県費負担教職員の給与負担等の移譲等による人件費支出の増(+47,367百万円)等により35百万円の減少、投資活動収支は長距離バスターミナルの整備用地の取得に伴う公共施設等整備支出(+5,750百万円)等により17,673百万円の減少、財務活動収支は地方債発行収入の増(+18,743百万円)等により17,023百万円の増加となった。業務活動収支は黒字であるものの、投資活動収支及び投資活動収支の赤字額の合計を下回り、本年度資金収支額が△1,493百万円となっていることから、引き続き業務活動支出及び投資活動支出の抑制を図る必要がある。全体においては、業務活動収支は293百万円の増加、投資活動収支は15,843百万円の減少、財務活動収支は20,654百万円の増加となった。このうち、公営事業会計は、業務活動収支が介護保険事業特別会計における保険料収入(税収等収入)の増加等により328百万円の増加、浦和東部第一特定土地区画整理事業特別会計における資産売却収入の増加等により投資活動収支が1,830百万円の増加、下水道事業会計における地方債等発行収入の増加等により財務活動収支が3,631百万円の増加となった。
財務書類に関する情報②(2017年度)
1.資産の状況
本市は他市に比べ面積が小さく、山間部もないことから、公共施設が集約され、土地や建物の住民一人当たり資産額が少ない傾向にあるが、統一的な基準に基づき、昭和59年度以前に取得した道路・河川等の土地については備忘価額1円で評価しており、基準モデルによる評価額を引き継いでいる団体と一定の差が生じているものと考えられる。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあるが、前年度よりも有形固定資産減価償却率が微増しており、特に公共施設の多くを占める学校施設の建物等において耐用年数に対する使用期間の経過が進んでいるため、計画的に大規模修繕等の予防保全工事に取り組んでいく必要がある。
2.資産と負債の比率
資産については、長距離バスターミナルの整備用地の取得(5,750百万円)、子ども家庭総合センターの建設(3,935百万円)等により増加(29,556百万円)したものの、負債についても、県費負担教職員の給与負担等の移譲等による退職手当引当金の増(23,686百万円)等により増加(42,288百万円)し、純資産比率が悪化した(△2.0%)。ただし、平成29年度において、県負担教職員に係る退職手当要支給見込額の全額(25,841百万円)を貸借対照表上、退職手当引当金に計上するとともに、当該繰入額(同額)を行政コスト計算書上、臨時損失に計上したことにより、純資産変動計算書上、純資産が減少(△12,732百万円)したものであり、次年度以降も大幅な減少傾向が続くものではない。引き続き、計画的に地方債を発行するとともに、市税の収納率向上に伴う財源の確保等により、純資産比率の改善を図る必要がある。
3.行政コストの状況
平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の移譲等による職員給与費の増(+47,367百万円)及び当該職員に係る退職手当引当金の全額繰入れ(+25,841百万円)等により、住民一人当たり行政コストが増加した(+6万円)。一方で、全ての類似団体(指定都市)が同様の状況であるため、類似団体の平均値も上昇しており、依然として住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を大きく下回っている。その要因として、他団体に比べて減価償却費及び移転費用(補助金等及び社会保障給付)が少ないことが挙げられる。しかしながら、今後も社会保障給付の増大が見込まれるため、引き続き業務費用の抑制を図る必要がある。
4.負債の状況
平成29年度は、県費負担教職員の給与負担等の移譲等による退職手当引当金の増(+23,686百万円)等により、住民一人当たり負債額は増加した(+3万円)。一方で、全ての類似団体(指定都市)が同様の状況であるため、類似団体の平均値も上昇しており、依然として住民一人当たり負債額は類似団体平均値を大きく下回っている。その要因として、地方債残高が他団体よりも少ないことが挙げられる。しかしながら、平成29年度末の地方債残高(1年内償還予定地方債を含む。)は、土地区画整理事業債の増(+5,185百万円)等により14,708百万円増加している。引き続き、計画的に地方債を発行し、負債の増加を抑制する必要がある。基礎的財政収支は、業務活動収支が黒字であったものの、長距離バスターミナルの整備用地の取得等により投資活動収支のマイナス幅が拡大したため、類似団体平均を下回った。
5.受益者負担の状況
受益者負担率は4.1と、類似団体平均の6.4%を下回っている。一般会計等の経常収益17,942百万円のうち手数料及び使用料が8,373百万円、宝くじ収入に係る経常収益が3,195百万円を占めている。受益者負担率が低い要因としては、手数料及び使用料のうち公営住宅使用料が少ない(地方財政状況調査第4表「公営住宅使用料」641百万円(類似団体平均6,468百万円))ことが挙げられる。今後は公共施設等の使用料の見直し等を図り、受益者負担の適正化を図る必要がある。
類似団体【政令指定都市】
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