高崎市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

本市は、類似団体と比較して経常収支比率が高く、経営健全化計画を策定し、実施した結果、下水道事業全体では、平成26年度に累積欠損金を全て解消することができた。また、平成19年度から24年度において、企業債の繰上償還を行ったことにより、企業債残高が減少し、企業債残高対事業規模比率は、類似団体と比較しても低い数値となっている。本市の経費回収率は毎年100%を超えており、また、類似団体と比較して汚水処理原価も低く、経営の効率性は高いものと考えられる。しかし、下水道事業の置かれている状況は依然厳しく、節水意識の高まりや高性能な節水機器の普及など、使用料収入の大幅な伸びを期待することは難しい状況にある。今後も継続して、未普及地域における効率かつ計画的な管渠整備を行うことで、水洗化率の向上及び使用料収入の増加を図る必要がある。

老朽化の状況について

本市の下水道事業の歴史は古く、昭和2年に管渠整備に着手している。ただ、それゆえに、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率及び管渠老朽化率が高く、管渠の更新や長寿命化を先んじて行わなければならない状況にある。現在、下水道局では、市内で最も早く整備された中心市街地の管渠について、長寿命化計画を策定し、平成25年度から長寿命化対策工事を行っている。今後は、対象地域を順次拡大し、対応していくことで、管渠改善率を向上させる必要がある。

全体総括

生活排水を適切に処理し、市民の安全で快適な生活環境を引き続き維持するためには、老朽化の状況にある管渠だけでなく、処理場などの既存施設の老朽化対策も必要となる。現在、下水道局では、阿久津水処理センターについても長寿命化計画を策定し、長寿命化対策工事を行っている。今後はポンプ場施設についても長寿命化計画の策定を予定しており、既存施設の維持管理と長寿命化対策に努めていく。また、未普及地域の解消や浸水の防除のための管路整備も引き続き実施していくため、事業の重要性や緊急性、有効性等を検証し、優先度に応じた効率的な財政運営を進めていく。