経営の健全性・効率性について
収益的収支比率について,H25年度は繰上償還を行ったため,地方債償還金が高くなり,その結果収支比率が低くなっています。H26年度は企業会計移行に伴い打切り決算を行っており,旧会計での決算方式で算出すると比率は74.1%となります。これによると,経年で比較した場合,右肩上がりとなり,経営の改善が見られると言えます。しかしながら経費回収率を見ると,46.6%と類似団体の平均をかなり下回っており,適正な使用料収入の確保及び経費削減に取り組む必要があります。類似団体平均を下回っている水洗化率については戸別訪問や広報等を通じて引き続き接続促進に取り組んでいきます。汚水処理原価については,類似団体平均と比較して倍近い数値であり,水洗化率の向上による有収水量の増加や汚水処理費の削減を図っていく必要がありますが,汚水処理費の約75%を占める償還金のピークがH30年度と,あと数年は汚水処理費の高止まりが予測されており,これは経費回収率にも影響を与えています。企業債残高対事業規模比率については,類似団体平均と比較して倍以上となっていますが,企業債残高のピークは過ぎており,比率については今後も改善していくものと予測されます。施設利用率については,接続率や水洗化率の向上による有収水量の増加を図り,利用率の改善に取り組みます。
老朽化の状況について
管渠改善率については,類似団体平均とほぼ同じ比率で推移していますが,H24年度については,東日本大震災による災害復旧により,突出しています。今後,維持・修繕の時代に入っていく中で,適切な更新に取り組んでいきます。
全体総括
H26年度は打切決算を行った結果,収入・支出に関係する指標については,数値が悪化しているものもありますが,旧会計での決算方式で算出すると改善していると言えます。また,本市は,可住地面積が広く,下水道管を広範囲に敷設する必要があるため,建設費が高くなる傾向があります。そのため,短期的・集中的に面整備を行った際の財源として利用した起債の償還が汚水処理費を引き上げる要因となっていますが,ピークを迎えるH30年度以降,汚水処理費の減少が予測されるところです。近年の社会情勢を考慮しますと,今後さらに,人口減少や節水・節電型社会へと進んでいくものと予測されますので,引き続き,適切な使用料の設定や経費削減,水洗化率の向上に取り組み,経営改善につなげていきます。