経営の健全性・効率性について
本市公共下水道事業は、集中的に下水道管渠の整備を実施した時期の企業債償還がピークを迎えていることや、施設の利用開始から約45年が経過し、修繕が必要な箇所の増加など維持管理にも多くの費用が必要となっています。それにより類似団体や全国平均に比べ、企業債残高対事業規模比率や汚水処理原価が高く、経費回収率は66.00%と低い状況になっています。また、堀河町終末処理場での汚水処理を順次流域下水道へ切り替えてきた結果、堀河町終末処理場の施設能力が過大となり、施設利用率が低い水準となっています。以上のように、厳しい経営状況ですが、低利の企業債への借り換え実施や、借り入れの原因となる建設改良費の抑制に努めた結果、企業債残高対事業規模比率は低下してきています。
老朽化の状況について
東日本大震災により被災した管路施設の修繕を実施したため、平均を上回る管渠改善率となっています。しかし、管路建設着工後、一般的な耐用年数といわれる50年が経過する施設が出てきており、老朽化に起因した事故や機能停止を防止するための対策(予防保全型の維持管理)が必要となっているため、長寿命化計画を策定し、平成27年度から老朽化対策工事に着手しています。
全体総括
平成28年4月からの本市下水道事業への地方公営企業法の一部適用により、新たに作成する財務資料を用いた経営分析が可能になります。適切な需要予測に基づいた計画的な施設整備、効率的な整備手法の採用などによる企業債の抑制や、老朽化施設に対する予防保全型維持管理による修繕費用の縮減を図り、汚水処理原価の低減に努めます。また、下水道への接続推進などによる使用料の増収に努め、経費回収率の向上を図り、経営の健全化を進めます。