経営の健全性・効率性について
・経常収支比率(経常損益)については、平成23年に稼動した「砂子沢浄水場」の建設に伴う減価償却費の増により、平成24年度において100%を下回った。しかしながら一般会計からの繰入金(高料金対策)と料金体系の見直し(3年ごと、前回28年度は見送り)により100%を維持している。・累積欠損比率については平成24・25年度に欠損金が生じている。これは上記のとおり建設投資に伴う減価償却費の増が影響しているが、翌年度には改善しており、今後もその見通しとなっている。・流動比率は翌年度に支払う消費税納付額により変動があるもので、流動資産には大きな変動はない。・債務残高については、類似団体平均値と比較すると大きく上回っている。砂子沢浄水場建設並びに老朽管布設替の原資の多くを企業債に依存していることによる。料金回収率が50%台で推移しており、給水に係る費用が給水収益以外の収入で大きく賄われている。・効率性については、こまめな維持管理により漏水などのロスが少なく有収率は90%台を維持している。砂子沢浄水場の建設により給水原価が高い水準にあり、これが料金体系に大きく影響しているため、高料金となっている。施設利用率については、浄水場建設による能力の拡張と人口減少により30%台となっている。
老朽化の状況について
・下水道布設工事に合わせて水道老朽管の布設替工事を実施し、計画的に更新を進めている。これにより単独工事によるコスト増の防止と、経年劣化による漏水の防止を図っている。今後も必要な箇所について適切な改善を図っていく。
全体総括
現時点では、一般会計繰入金(高料金対策分)により経営の効率化・財務の健全性は概ね確保されているといえる。しかしながら、給水人口の減少等により定期的な料金体系の見直し・改定を行っても、給水収益の大幅な増には繋がらないことが今後予想される。また、平成29年度からの簡易水道事業との経営統合により更なる負債を抱えることとなるため、より経費削減に努めるとともに各指標の傾向を十分に分析し、資産維持費の適切な管理対策を講じる必要がある。地理的特殊性があるものの、施設の効率性が低い水準にあることから、今後の人口や産業活動に注視しながら老朽施設の更新等の検討を行い、計画的に効率的な経営に努めていく必要がある。