経営の健全性・効率性について
美唄市の特定環境保全公共下水道は、「①収益的収支比率」が100%未満であるため、不足分は一般会計からの繰入金で賄われています。H29年度の「⑤経費回収率」は、類似団体平均値よりも高くなっていますが、100%以下の状況にあります。「④企業債残高対事業規模比率」が返済のピークを過ぎ減少時期に移行しているものの、現状では類似団体よりも高くなっています。「⑥汚水処理原価」は有収水量の増加及び、汚水処理費の減少により減っております。「⑧水洗化率」については、67.23%と類似団体よりも高くなっています。
老朽化の状況について
美唄市の特定環境保全公共下水道は、平成18年に供用開始がされた以降も管渠整備を進め、現在も継続中です。下水道管渠の標準的な耐用年数は40~50年と規定されており、このことから美唄市の下水道管渠は耐用年数まで到達していない状況ですが、平成32年度には老朽化対策としてストックマネジメント計画の策定を予定しており、この計画に基づき施設調査・点検・修繕を図りながら、維持管理に努めてまいります。
全体総括
特定環境保全公共下水道は、人口密度の低い地域での下水道であるため、原価率は比較的高くなります。平成19年に供用開始がされましたが、生活様式の変化や人口の変化により収益率の減少、原価率の高騰が見られるため、今後は現在の生活の見直し等により、原価率・収益率を適正な水準へ移行する必要があります。平成29年度時点で、下水道料金充足率(施設の設置、維持管理に係る費用に対する料金の割合)は、53.2%と低く、今後は経費節減に努めるとともに、数年ごとの料金の見直しなどを行って経営の健全化を図ります。また、平成28年度には経営戦略を策定し、下水道会計の現状及び将来展望を市民に周知し、理解を深めてもらいます。