経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:水洗化率は、60%前半であるため使用料収入は低迷していますが、下水道施設整備計画がほぼ完了したことから、企業債償還金が減少し、収益率は改善する傾向にありました。しかしながら、平成28年度から一般会計の繰入金の減少に伴い、右肩下がりとなっています。②累積欠損金比率:-③流動比率:-④企業債残高対事業規模比率:(H28訂正:0.00%→1,191.19%)(H29訂正:5,219.54%→824.69%)下水道施設整備の完了に伴い、近年は企業債残高が減少しており、平成30年に分譲宅地の開発や新規の下水道引き込みにより、企業債を発行しました。これにより、企業債残高は、若干増加したものの、順調に償還が進んでおり、類似団体と比較すると低位で推移しています。⑤経費回収率:水洗化率の伸びが鈍く、使用料改定(消費税による改定を除く。)も平成17年から行っていないため、ほぼ横ばいとなっており、類似団体と比較すると低くなっています。⑥汚水処理原価:汚水処理区域の拡大とともに有収水量(使用料徴収の対象となる汚水量)は増加していますが、水洗化率が60%前半にあるため、類似団体と比較すると高くなっています。⑦施設利用率:(H30訂正:39.30%→60.46%)供用開始から10年以上が経過し、類似団体の水準を超えていますが、水洗化率が60%前半と低いため、利用率も60%台で推移しています。⑧水洗化率:近年、上昇傾向にあり60%前半となっていますが、水洗化(下水道接続)は家屋の改造等が伴う場合が多く、高齢化の進行などから水洗化が伸び悩んでおり、類似団体と比較すると低くなっています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:-②管路老朽化率:-③管渠改善率:事業の開始時期が平成13年で、現在のところ更新が必要となる管渠はありませんが、耐用年数(40年)を考慮し、今後の更新計画を策定する必要があります。
全体総括
下水道施設の整備は平成26年度にほぼ完了しましたが、水洗化率は上昇傾向となっているものの、依然として60%前半で低迷しています。これは事業計画に基づいて建設した汚水処理場等が処理能力の60%程度しか活用されていない状態です。下水道は、市民生活に欠くことのできない施設であり、下水道事業の健全で安定的な経営を図るうえで、水洗化率の向上が最優先課題となっています。また、今後は人口減少による汚水処理人口の低迷が懸念されます。限りある財源を効率的に投資するため、下水道が整備されていない山間部等(非人口密集地域)については、合併処理浄化槽の整備を推進していきます。