経営の健全性・効率性について
累積欠損金もなく、経常収支比率や料金回収率も類似団体の平均値と比べて良好な状況であるように思われるが、老朽管等の給水施設の更新や耐震化対策など必要な業務が行なわれておらず、健全な経営とはいえない。維持管理費削減などの経営努力も今以上に必要と思われる。また、企業債残高対給水収益比率が類似団体よりも低いのは、令和2年度に統合予定の簡易水道地域において水道未普及解消工事を優先業務としており、当該水道事業の老朽管更新を統合後とした為である。
老朽化の状況について
給水管等の給水施設の老朽化が進んでおり、老朽管の割合は管路経年化率にあるように類似団体平均値より大幅に高い状況である。しかし、熊本地震以降は漏水も多くなり、有収率も下がる傾向であるため、漏水箇所を確認した場合は、速やかに修繕しながら対応している。今後は、令和2年4月に簡易水道と水道事業の統合に併せて、経営戦略を策定する予定であり、老朽管等の給水施設の更新を計画的に実行する予定である。
全体総括
経営状況は、現時点では概ね良好であるように伺えるが、簡易水道地域の水道未普及地域の解消事業を優先としており、水道事業での大きな事業を行っていないからである。しかし、給水人口の急激な減少や節水機能が充実した給水装置による使用水量の減少により料金収入が著しく減少しており、また老朽給水施設の更新や耐震化給水施設の整備など課題が山積している状況である。そのため、近隣の水道事業との広域的連携や給水施設のダウンサイジングによる経費削減や、経営戦略策定による水道料金の計画的値上げによる収益の確保を得ることで、安定した事業経営を目指す事とする。