経営の健全性・効率性について
経営状況は「①収益的収支比率」及び「⑤経費回収率」について、100%近くにあり、改善傾向であるものの、収益の大半を一般会計からの繰入金に依存している状況である。「④企業債残高対事業規模比率」、「⑤経費回収率」、「⑥汚水処理原価」及び「⑦施設利用率」について、類似団体と比較しても優位であり、経年比較でも改善傾向である。「⑦施設利用率」について、今年度数値が改善した要因は、年間有収水量が横ばいであることから、不明水であると予想される。「⑧水洗化率」について、今年度数値が改善した要因は、水洗便所設置済人口が増加したというよりも、処理区域内の人口が減少したためと推察できる。面整備も最終盤を迎えつつあり、今後大幅な処理区域内人口の増加が見込めないなか、いかにして処理区域内の接続促進を図り、水洗化率を向上させるかが課題である。また、「①収益的収支比率」、「⑤経費回収率」及び「⑥汚水処理原価」がH29から大幅に改善した要因は、一部返済による地方債償還金の減少など、汚水処理に要する資本費が減少したためである。
老朽化の状況について
平成16年度に供用開始し、供用開始後14年が経過しており、処理場や管渠等の耐用年数は経過していないが、電気設備等については、耐用年数を迎える時期となっている。今後、すべての下水道施設を対象とした、ストックマネジメント計画を策定し、適切な維持管理及び計画的な改修を図っていく。
全体総括
面整備をR1年度に終える予定であり、今後は下水道施設の維持管理、更新を検討する段階となっていく。ストックマネジメント計画を策定し、施設の計画的な修繕、効率的な改築等を今後検討していく予定としている。また、本市が抱えている高齢化率の増加、人口減少等により、料金収入の減少が見込まれるなか、施設の適正な維持管理や、統廃合なども視野に入れた効率的な事業運営を行い、経営の継続に努めなければならない。