経営の健全性・効率性について
特定環境保全公共下水道事業は、汚水処理費用が増加したことに伴い、昨年度と比較すると、「経費回収率」の減及び「汚水処理原価」の増となり、類似団体平均値を下回る値となっている。また、使用料収入は横ばいであり、使用料以外の収入に依存している状況である。。経営改善のためには、適正な使用料収入の確保や汚水処理費の削減が必要であるが、吾妻・瑞穂地区については、整備終了から間もないこともあり、「水洗化率」が低い状況であるため、戸別訪問などを強化し、水洗化人口及び有収水量の増加を目指すとともに、将来の地方債償還金の負担が増大にならないよう考慮しながら、計画的に施設の更新を行う必要がある。※平成28年度「企業債残高対事業規模比率」については、決算統計24表1行16列(地方債償還資金に係る一般会計の負担額として定めた金額)が未計上のため異常値となっている。
老朽化の状況について
特定環境保全公共下水道事業は、3処理区あり、雲仙地区(昭和51年着手)、吾妻地区(平成11年着手)、瑞穂地区(平成13年着手)である。吾妻、瑞穂地区の整備については、平成26年で整備はほぼ完了しており、処理場施設、電気設備等及び管渠の耐用年数を経過していない。雲仙地区については、長寿命化計画に沿って本年度実施設計を行い、その後、設備改修を行う予定である。
全体総括
特定環境保全公共下水道事業は、3処理区あり、雲仙地区(供用開始61年)、吾妻地区(供用開始平成17年)、瑞穂地区(供用開始19年)である。経営改善のために、汚水処理費の削減と水洗化率の向上を目指し、料金収入の増加による経費回収率の向上を図る。また、平成28年度から令和元年度までの4年間の予定で公営企業へ移行するための事業を実施している。資産や財政状況を把握し、地方債元利償還金などの推移を考慮しながら、施設設備の改修を計画的に行い、経営健全化を図って行く必要がある。