経営の健全性・効率性について
本町の公共下水道事業は、平成25年度に全体計画の見直しをし、全体計画面積を320.5haとし令和7年度に整備を完了する計画である。平成30年度末において204haを整備しており、整備率は63.5%である。平成18年6月から供用開始しており、処理区域・処理人口が拡大している。水洗化率は横ばいとなったが、類似団体平均値を超える値となっている。施設利用率は類似団体平均値に及ばないものの流入量の増加とともに、年々上昇している。平成17年3月の市町村合併により特定環境保全公共下水道事業との2事業をおこなっており、分析上経費を案分している。経費回収率は、使用料金が増加したものの、処理場増設に伴い建設費が増加した為に横ばいとなった。収益的収支比率は、使用料収入は増加し、また分流式の経費の増に伴い他会計からの繰入金が増となった為に増加した。汚水処理整備済み地区の未接続者対策や新たな整備地区の早期接続の啓発を行い、経営安定化に向けた収益の増加を図る必要がある。
老朽化の状況について
平成18年の供用開始から13年目であり老朽化対策については実施していないが、処理施設のポンプ等の機器については、定期的にオーバーホール等の修繕を行っている。今後想定される大規模改修を視野に入れた計画的な財源確保をおこなっていく必要があり、ストックマネジメント計画等を整備していく。
全体総括
供用開始13年目を迎え処理区域・処理人口は年々拡大し収益も上がってきているものの、建設費に係る償還金も増大している。償還金の財源としては使用料のほか、交付税措置相当分の一般会計からの繰入金を充てているが、赤字補てんとしての繰入金の増加も想定される。経営の安定化には収入(使用料)の確保が重要事項であり、未接続者への加入啓発に努力する一方、料金改定を含めた収入確保及び効率的な支出に努める必要がある。また、使用料以外の収入として太陽光発電による収入があるが、その他の収入源について汚泥の活用等検討する必要がある。