経営の健全性・効率性について
地方公営企業法を適用した平成26年度以降の経営指標を表示している。下水道事業は施設を整備した後に使用料収入が見込まれる事業であるため、整備を行っている間は厳しい経営状況が続く。本市の特定環境保全公共下水道事業は、平成20年に供用開始し、現在も整備区域の拡大を進めているところであり、当分の間は厳しい経営状況が続くと予想される。①経常収支比率、⑤経費回収率使用料収入の増加等により平成30年度は類似団体平均よりも良好な状況となった。②累積欠損金比率、③流動比率類似団体平均と比較し悪い状況にあるため、引き続き経営効率化の推進が必要である。④企業債残高対事業規模比率整備区域を拡大中であり、その財源を補助金等のほか企業債の借入れにより賄っている状況であり、類似団体平均と比較し高い数値となっている。⑧水洗化率供用開始から10年が経過し、類似団体と同水準まで改善してきているものの、未だ低い水準であるため、今後も接続率の向上に関する取組みを実施し使用料収入の確保に努める必要がある。なお、本市の特定環境保全公共下水道事業は公共下水道事業と一体的に経営を行っている。
老朽化の状況について
②管渠老朽化率平成20年に供用開始したため、法定耐用年数を経過した管渠はない。※①有形固定資産減価償却率は、平成26年度から地方公営企業法を適用し減価償却累計額の算出方法が他団体と異なるため、類似団体との比較ができない。
全体総括
本市の特定環境保全公共下水道事業は、平成20年に供用開始し、現在も整備区域の拡大を進めていることろである。供用開始から10年が経過し、水洗化率の上昇など指標は改善傾向にあるものの、健全性・効率性を示す指標は類似団体を下回っているものも多く、厳しい経営状況と言える。また、今後は、人口減少による使用料収入の減少が見込まれる一方で、施設の老朽化が進むことにより更新需要が増加していくことから、経営環境はより厳しいものとなっていくと予想される。将来にわたって安定的な経営を行うためには、中長期的な視点に立った経営計画のもと、経営改善の取組みを実施し、健全経営を行っていく必要がある。