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ここ数年の基準財政需要額(分母)は、生活保護費を始めとする社会保障関係費等の増加があるものの、臨財債への振替額が増加していることで一定の水準(2,400億円台)で推移している。また、基準財政収入額(分子)は、ここ数年では平成22年度(1,998億円)を底に、税収が回復してきたこと等により増加傾向にある。平成23年度の財政力指数は前年度横ばいとなっており、類似団体の平均を若干下回っている。今後の基準財政需要額については一定程度の増加を見込んでいるが、基準財政収入額についても税収の増加を見込んでおり、財政力指数としてはおおむね現水準で推移する見込みである。
平成19年度は、国の三位一体改革による地方交付税の大幅減により経常収支比率が悪化したが、業務委託化等による積極的な人件費縮減や他都市と比較して高齢化率が低いことによる介護保険事業特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が少ないことなどにより、類似団体を下回っている。平成21年度は定額給付金の影響で補助費が増加したことにより短期的に経常収支比率は悪化したが、平成23年度は市税収入の増や国の算定方法見直し等による臨時財政対策債の発行増、利子償還金の減などにより改善している。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口一人当たりの金額は、平成18年度は類似団体を大きく下回っていたが、近年差が縮まりつつある。福岡市の推移は徐々に増えており、今後は予防接種の定期摂取化等により、一人当たり物件費がさらに増加していくことが見込まれるが、業務委託料のうち高止まりを見せているもの等については、事業の洗い出しと分析を行い、公募への移行など競争性が働く仕組みの導入を検討する。
平成23年度(平成24年ラスパイレス指数)は,前年度と比較し大きく上昇しているが,これは国家公務員の時限的な(2年間)給与改定特例法による措置の影響によるものであり,当該措置がないとした場合の参考値(102.2)については,前年度のラスパイレス指数を下回っている。また,近年のラスパイレス指数は,類似団体内平均値を上回っているものの,本市職員の給与は,人事委員会の勧告に基づく給与改定により,市内民間給与との均衡が図られており,適正な水準となっている。職員給与については,今後も,人事委員会の勧告を尊重し,市内民間給与との均衡が図られるよう措置するとともに,より一層市民の理解が得られるよう,必要な見直しに努めていく。※グラフの平成19から平成23までの数値は,それぞれの年度の翌年のものである。
過去からの業務のアウトソーシングや直営施設職員数の抑制により,直近5年間の人口千人当たり職員数は年々減少しており,平成23では類似団体の中では少ない方から2番目に位置しております。今後も市民サービスの低下を招かないよう留意しながら事務事業や執行体制の見直しを行い,簡素で効率的な市役所の構築に努めていきます。
平成23年度は15.7%となり、対前年度比0.7ポイント改善している。類似団体の中で比率の高い方から上位4位と依然として高水準ではあるが、平成19年度以降、公的資金補償金免除繰上償還を実施し、高利から低利への借換を行ったことによる利子負担の減、また財政健全化による発行額の抑制等により市債残高は毎年度着実に減少しており、今後も起債に許可が不要となる18%以下の基準を下回り、比率はトレンドとしては改善していく見込みである。
平成23年度は202.9%となり対前年度比で16.9%改善している。類似団体の中では比率の高い方から上位5位と依然として高水準であるが、平成19年度以降、市債残高の着実な減少や市債償還の財源となる減債基金の積立額の増等により着実に改善している。今後も公債費等の削減等を進め、財政健全化に努める。
過去からの業務のアウトソーシングや直営施設職員数の抑制により、職員数が類似団体と比較して少ないために、経常収支比率の人件費分は低くなっている。今後も、事務事業や執行体制の見直しなどにより、更なる人件費抑制を検討していく。
物件費の経常収支比率は類似団体並となっている。今後は、老朽化による施設の維持管理コストの上昇が見込まれるため、施設の必要性やあり方の見直し、直営施設の指定管理制度への移行等を検討する。また、業務委託費のうち高止まりをしているものについては、事業の洗い出しと分析を行った上で、公募化や競争性の導入など、物件費の上昇抑制を図る。
生活保護世帯の急増が主な原因となり、平成21年度から経常収支比率は悪化していたが、平成23年度でやや改善した。これは、生活保護世帯の増加に鈍化傾向が見られたことなどが要因と考えられる。今後も、生活保護において就労支援や医療費の適正化に引き続き取り組むことなどにより、扶助費の増加傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体よりも低くなっているのは、繰出金が低水準で推移しているためである。特に、介護保険事業特別会計への繰出金は政令指定都市の中でも少ない。これは、福岡市の高齢化率が全国平均と比べて低いためと考えられる。今後は高齢化がいっそう進展する見込みであり、介護予防の推進や在宅生活の支援充実を通じ、介護給付費の抑制を図ることで、介護保険事業特別会計への繰出金の増加を抑制するよう努める。
補助費等の経常収支比率は毎年度改善を続けている。これは、平成16年度より、財政健全化プランに掲げた補助金審査委員会を設置し、補助金・負担金のあり方や必要性を検討し、見直し等を実施してきたためである。今後も、見直し途上の補助金について、引き続き補助の意義や効果を検証したうえで、適正化に向けた見直しを実施していく。
バブル崩壊後に、ユニバーシアードのための関連施設整備や、国の大型景気対策と連動し、立ち遅れていた都市基盤・生活基盤の整備を市債を活用して積極的に推進してきた。平成23年度については、金利低下の影響などによる利子償還金の減により経常収支比率の公債費分はやや改善したものの、近年臨時財政対策債の市債発行が増加していることや大規模施設の建替などから、今後再び増加基調に転じる可能性がある。現在策定中の行財政改革プランにおいて、新たな市債の発行抑制の目標を設定する予定である。
公債費以外の経常収支比率は、人件費や補助費、その他等に牽引され、類似団体内で低い水準に位置しているが、扶助費の比率は類似団体の中で高い水準に位置している。今後は、新たに策定する行財政改革プランに沿って、人件費及び経常的な経費の見直し、歳入の確保、投資の重点化等に取り組む。
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