経営の健全性・効率性について
本事業は、処理区域件数8戸、処理区域人口15人と小規模なものである。・収益的収支比率については、100%を下回り、かつ、数値も右肩下がりで下降している。要因としては、汚泥引抜料の単価上昇による負担増や修繕費の増加によるものである。・経費回収率については、類似団体平均46.53%に対し、20%台と低く推移しており、収益については、使用料以外の収入に依存していることが考えられ、経営の効率性を低下させる要因となっている。・汚水処理原価については、類似団体平均373.71円に対し、600円前後と非常に高く推移しており、今後の維持管理費削減や接続率の向上等の対策が必要である。・施設利用率については、決算統計上の数値入力漏れのため算出されていないが、平成27年度の実際の数値は27.78%となっており、類似団体平均44.84%と比較すると下回っているため、施設の稼働状況等の把握及び検討が必要である。・水洗化率について、近年は、ほぼ横ばいであるが、類似団体平均67.86%に比べ、46%と低く推移していることから、今後の水洗化普及促進の強化が必要である。
老朽化の状況について
本町の個別排水処理施設については、供用開始より10年を経過しており、近年においては、浄化槽送風機等、機械類の修繕が増加傾向にある。今後も機械類を含め躯体の修繕が発生することが予想され、これらの費用確保が懸念される。(浄化槽の耐用年数については、国土交通省・農林水産省・環境省が策定したマニュアルより、浄化槽の躯体:30~50年、機械類:7~15年とされている)
全体総括
1.経営の健全化・効率性について分析した結果、収益的収支比率及び経費回収率にあらわれているように、収益が使用料以外の収入に依存していることが分かる。そのため、適切な使用料への見直しや、水洗化の普及促進により利用効率を高め、有収水量の増加による使用料収入の確保を図ることが必要である。また、本事業は、経営が小規模であり、処理区域内人口及び件数も少ないことから、早期の水洗化率向上を目指す。2.老朽化の状況については、近年は機械類の修繕が増加傾向にあり、収益を圧迫していることから、計画的な施設の更新等が必要である。3.平成28年度に経営戦略を策定し、計画的かつ合理的な経営を行っていく。