経営の健全性・効率性について
特定環境保全公共下水道事業については、他団体同様、市街化区域以外の小規模な排水処理区域を基礎とし、処理区域内人口密度も公共下水道の4割程度と汚水処理の効率が低く、使用料については、公共下水道事業に準じた体系となっているため、収益性が低くなっている。①の経常収支比率について、繰出基準外の他会計補助金を収入しているものの経常赤字が発生しており、最終的な純損益において損失が発生しており、②の累積欠損金費率が前年度に対して11.59ポイント増加した。⑤の経費回収率については、施設の老朽化に伴う修繕用材料の増加等により汚水処理費が増加したことから、当該値が前年対比で1.27ポイント減少した。⑥の汚水処理原価についても、⑤経費回収率の原因と同様で、汚水処理原価が増加したために当該値が増加したものである。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、法適用3年目で、特別会計から移行する際に、減価償却累計額相当額を控除した額である簿価を取得価額としているため、償却率が低くなっている。今後、年数が経過し、償却が進むにつれ50%程度になるものと見込まれる。また、平成30年度末現在で6処理区のうち、40年を超えた処理区が1つ、残りの5処理区のうち4処理区についても、供用開始から20年前後が経過しているため、今後は、施設の改修等が増えてくる見込みである。なお、そのうち1処理区については、改修に係る経費や維持管理に係る経費を削減するため、処理場を廃止し、ほかの処理区に統合する事業を実施した。(令和元年6月統合済み)
全体総括
今後は、平成29年度から令和元年度で策定するストックマネジメント計画に基づき施設全体での最適な改築更新に取り組むこととしている。また、施設の統廃合については、令和元年度に1処理区を特定環境保全公共下水道を公共下水道に接続し、令和2年度には農業集落排水1処理区を特定環境保全公共下水道に接続する予定である。施設の統廃合により、施設の更新経費や管理運営経費を削減し、施設利用率を高まる見込みである。整備事業のピークは過ぎているため、企業債償還金が逓減することから、汚水処理原価についても逓減し、経費回収率も改善する見込みである。