収益等の状況について
サングリーン菊川は、平成25年度の指定管理者制度導入後、経営健全化のための取組みを行い、収益の状況は改善傾向にあったが、平成29年度より収支赤字が増大した。平成30年度からも指定管理者制度を導入し、指定管理者の行う経営戦略により収支赤字が若干減少したものの、各指標は横ばい傾向にある。収支赤字の主な原因は、食事の売上の減少、宿泊客数の減少、入浴客数の減少によるもので、④定員稼働率の減少、⑤売上高人件費比率の増加、⑥売上高GOP比率の減少に表れている。今後も利用者の拡大やコストの削減など、より一層の経営改善を図ることが必要である。
資産等の状況について
サングリーン菊川は、建設から38年が経過し、資産価値は低く、施設の老朽化が顕著であることから、更新のための設備投資が必要である。
利用の状況について
サングリーン菊川及び下関市の延宿泊者数が山口県の延宿泊者数に占める割合は増加傾向にあり、宿泊需要は高まっていると考えられるが、サングリーン菊川の収益の減少や資産価値の低さなどの状況を踏まえると、民間譲渡や統廃合など施設のあり方を検討する必要がある。
全体総括
サングリーン菊川は、地元で唯一の宿泊施設として地域に必要な施設であるが、サービス需要の変化や人口減少による料金収入の減少など経営環境は益々厳しくなっている。平成30年度からも指定管理者制度の導入を行い、効果的な行政サービスの提供と経営改善の取り組みを継続しており、収支赤字の改善に努めている。今後も指定管理の状況をチェックするとともに、公共施設マネジメントとの整合性を図りながら、民間譲渡や類似施設との統廃合等を検討していく必要がある。