経営の健全性・効率性について
本市の漁業集落排水事業は,箱崎漁港・走漁港・横田漁港の背後集落3地区で構成されており,箱崎地区は平成18年度から,走地区は平成23年度から全域供用開始,また横田地区は平成26年度から一部供用を開始し,現在,供用区域を拡大しています。①収益的収支比率の低下は,箱崎・走地区の処理場において経年による機器更新のため,総費用が増加したものです。④企業債残高対事業規模比率については,建設事業を終えている2地区については償還が順調に進んでいます。横田地区については事業が進行しており,借入の予定はあるものの,規模は縮小しており,比率は低下傾向が今後も見込まれます。⑤経費回収率については,類似団体平均より下回っていますが,横田地区の供用開始区域拡大で使用料収入の増加が見込めます。⑥汚水処理原価は前年度比で約30ポイント改善されており,また⑦施設利用率は類似団体平均値を下回っているものの,前年度に対して微増となっています。これは横田地区の供用区域拡大及び接続率の向上によるもので,今後も改善が予想されます。⑧水洗化率については,総じて緩やかな過疎化が進行していますが,水洗便所改造資金融資あっせん制度の利用周知や,水洗化促進員の未接続世帯への訪問など,経営健全化へ向けた料金収入確保のため,向上にむけ努めます。
老朽化の状況について
管渠の耐用年数は50年とされており,漁業集落排水事業においては老朽化対策や更新は具体的に発生しておらず,「管渠改善率」は0%となっています。今後管渠の経過年数が増えていくことを踏まえて,適切な維持管理を行うことにより,事故の未然防止や維持管理費,改修費用の抑制のため,長寿命化や更新投資を計画的に実施していく必要があります。
全体総括
箱崎・走地区においては,施設の維持管理体制のあり方について検討をすすめ,更なるコスト削減を目指すと共に,接続率の向上に取り組み,収支面から経営基盤強化に努めます。横田地区においては,管渠整備拡大にあわせ,早期接続を働きかけ,収入の確保及び施設の適正な運転・管理に努めます。また,全地区において,利用者の公平性の観点から,使用料の滞納者には厳正に対処すると共に,経営の財源たる収納率の向上に努めます。