経営の健全性・効率性について
当市における公共下水道事業は、H14に事業認可を受け事業着手し、H18.4.1から供用開始しており、今後も順次整備区域を拡大することとしている。①収益的収支比率は、H30年度より供用した事業場からの使用料収入が大幅に伸びたこと及び営業外収益の増加により15.89ポイントの改善となった。④企業債残高対事業規模比率は、地方債償還費を一般会計繰入金で賄わなければならない状況であることからゼロになっている。⑤経費回収率は前年に比べ16.92ポイントの改善、⑥汚水処理原価は47.93円の減額となったが、これらは上記①で記述したように、使用料収入の増加が主な要因である。⑦施設利用率は、水処理設備増設により前年を下回ったいるが、処理水量は区域拡張による接続家庭の増加により少しずつ伸びてきている。⑧水洗化率は、ほぼ横ばいに推移してきている。これは、分子要素である接続人口が増加する一方で、新たな区域整備により分母となる対象人口も増えているため、割合としては顕著な伸びになっていないものである。
老朽化の状況について
現在当市においては、老朽管の更新等を行っていないため、管渠改善率の数値は出ていないが、今後必要となるストックマネジメントに係る計画策定の中で、より良い将来経営にむけた管渠・処理場の老朽化対策を図っていく必要がある。
全体総括
H30は、前年度に比して使用料収入が増加すると共に臨時的経費が抑えられたため、経営指標的には改善が図られている。汚水処理原価や経費回収率は類似団体と同程度となっているが、水洗化率については類似団体に届いておらず、今後も運営の効率化により費用と収益のバランスを図っていく必要があると考えている。また本市は過疎化が進行し、高齢化率が高くなっている状況にあることから、今後の下水道区域の拡大については、将来的にも真に必要となる区域を優先して整備を進め、管渠整備済みの地区においては引き続き接続率向上の取組みに努めることとしている。