経営の健全性・効率性について
特定環境保全公共下水道事業は、公共下水道事業と同一会計で事業を行っており、使用料収入ほか、一般会計繰入金、資本費平準化債等の借入によって、例年、実質収支を均衡としているが、令和元年度から公営企業会計に移行したため、平成30年度は打切り決算となり、実質収支は黒字となっている。①収益的収支比率は、市債元利償還金の不足額について一般会計繰入金及び資本費平準化債の借入により措置をしている状況であるが、打切り決算に伴い、総費用及び地方債償還金が減となったため、昨年度から大幅な増となっている。④企業債残高対事業規模比率は、市債残高の減少等により類似団体平均を下回っている。打切り決算に伴い、営業収益が減となったため、昨年度から大幅な増となっている。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、類似団体平均よりも上位となっている。なお、汚水処理原価については、打切り決算に伴い、汚水処理費が減となったため、昨年度から大幅な減となっている。⑦施設利用率は、処理区域内人口の減少により、昨年度から1.31ポイント減少している。⑧水洗化率は、平成29年度から0.10ポイント上昇し、類似団体平均を上回っているが、新設事業が終了していることから、今後大きな向上は見込めない状況である。
老朽化の状況について
特定環境保全公共下水道の3施設のうち、供用開始後30年以上を経過し、老朽化が進んでいる汚水処理施設2施設及び管路施設について平成25年度から長寿命化事業を実施している。また中継ポンプ等、その他の機器類については老朽化の状況に応じ更新及び修繕を行っている。今後は、策定中のストックマネジメント計画を基に、計画的な維持・更新を図っていく必要がある。
全体総括
本市の特定環境保全公共下水道事業は、新設事業を終了し、維持管理主体の事業運営となっており、現在実施中の長寿命化事業後は、策定中のストックマネジメント計画を基に施設の維持・更新計画を策定する必要がある。本年度は処理区域内人口、年間有収水量ともに前年度を下回る結果となっており、今後の収入増が見込めない状況にあることから、経費の削減を含め、より効率的な運営をめざしていく必要がある。また、特定環境保全公共下水道事業は令和元年度に集落排水事業等と共に地方公営企業法を適用し、企業会計に移行した。移行後は、財政状況や経営状況の的確な把握に努め、経営改善を図っていく予定である。